学校でも仮眠を取らせてください
知り合いが、イスに座ったまま
机の上で顔を伏せて眠っていたら
あなたはどんな気持ちになりますか?
「疲れているのかな?」
「具合が悪いのかな?」
「みっともない」
「だらしない」
「いたずらしちゃおうかな」
いろんなことを想像するのではないかと思います。
ただ、良くない理由を考える人の方がきっと多いのではないでしょうか。
「机の上に伏せて眠る」という行動は、周りにあまり良い印象を与えません。
学校、職場のオフィス、カフェ、居酒屋…。
自宅以外のどの場所にも染まらないのが「机の上に伏せて眠る」という行動です。
でも僕は声を上げて言いたい。
「学校でも仮眠を取らせてください」と。
学校でも仮眠をしてよい時間があったらいいのに
午後の陽気に誘われて授業中に居眠り。
時に学校で見られる状況です。
授業中に居眠りをすると、こんな印象を与えてしまいます。
「集中力がないから」
「勉強が嫌いだから」
「授業がつまらないから」
「嫌いな先生の授業だから」
「睡眠不足だから」
確かに授業以外の面でもそういったイメージをもたれている人は、これらの理由が当てはまるのかもしれません。
僕も学生時代にやってしまっていました^^;
つまらない授業をする先生への反抗心。
そもそもその教科が嫌い。
でも、それ以外にもう1つ理由があると思うんです。
それは、今を一生懸命に生きているから。
「寝たらダメだ、寝たらダメだ、寝たらダメだ」
必死に抵抗しますが、眠りには勝てません。
その人にとっては授業がつまらないわけではありません。
勉強、部活、習い事。
今を一生懸命に生きているからこそ、途中で眠くなるのです。
途中で充電が切れるのです。
人間の集中力には限界があります。
どんなに集中力が高い子でも、勉強が好きな子でも。
午前中、難しい勉強に必死に食らいついた日の午後は、誰でも眠たくなりますよね。
たとえ目は開いていても脳は思考停止状態。
午後の授業では、そういう子も見られます。
睡眠不足なわけではありません。
集中力がないわけではありません。
今を一生懸命に生きているからこそ、充電が切れて眠たくなるのは自然なことだと思います。
そんな子が授業中に居眠りをしてしまうのを責められません。
むしろシステムを責めるべきです。
「学校でも仮眠をしてよい時間があったらいいのに!」
すばらしい仮眠の効果
現在、仮眠には絶大な脳の疲労と集中力の回復効果があり、病気の予防にも効果的であることが科学的に証明されています。
アメリカのNASAの研究によると、26分の仮眠によって、仕事効率が34%アップ、注意力が54%アップしたそうです。
日本でも仮眠の重要性が見直されています。
厚生労働省が作成した「健康のための睡眠指針2014」には、
午後の眠気による仕事の問題を改善するのに昼寝が役に立ちます。午後の早い時刻に 30 分以内の短い昼寝をすることが、眠気による作業能率の改善に効果的です。
と書かれています。
アメリカのグーグルやナイキといった大手企業も、仮眠室や睡眠マシンを社内に導入するなど、仮眠は今や生産性を高めるために効果的な行動であるという認識が広がっています。
このような効果から、僕は仮眠によって子どもたちの午後の学習の集中力と習熟度は大きく向上するのではないかと思っています。
午前中の疲れ切った頭で学習するよりも、仮眠によって回復した頭の方がスッキリとした気分で学習に取り組めるにちがいありません。
どのようにして学校で仮眠を導入するか
もちろん学校に「仮眠室」という名のすてきな空間はありません。
おそらく今から作ることも難しいでしょう。
そうなると、仮眠できる場所は教室の自分の机の上しかありません。
イスに座ったまま机の上で顔を伏せて眠るようなやり方でも、かなりの効果が得られるそうです。
時間は給食を食べた後がよいでしょう。
コロナの影響で、今は無言で給食を食べるように指示されています。
食べ終わった後も、基本的には自分の机で何か作業をしたりして待つことになっているでしょう。
そこで、片付けが早く済んだ子から仮眠をとる。
もちろん強制ではなく「ちょっと疲れたな」という子だけ取ればいいと思います。
仮眠していれば無言で過ごすこともできるのでお互いにプラスです。
休み時間に好きに取ればいいという人もいると思いますが、子どもたちにとってはいくら疲れていても休み時間は友だちと遊びたいもの。
「午後の授業に備えて仮眠をとろう」
なんていう子は、ストイックすぎてこちらが心配になります(笑)
問題は机に伏せて眠っている様子を周りが受け入れられるかどうか。
はたから見ると、問題行動のように映ってしまいます。
日本ではまだまだ仮眠に対する認識に差があります。
学校で寝る=サボり
というイメージがかなり根強いです。
自分のクラスで仮眠を認めていても、フラッと教室に来た先生は机に顔を伏せて眠る大勢の子どもたちを見て
「このクラス大丈夫か?」
と不審に思われることでしょう。
もしくは
「学校で寝るな!」
とたたき起こしてしまうかもしれません(汗)
子どもたちが帰宅して
「学校で寝た」
と断片的に伝えたら、保護者の誤解を招くこともあるかもしれません。
ですから、保護者の方の理解も必要です。
きちんと導入していくには、学校全体の認識をちょっとずつ変えていく必要があるのかもしれません。
良いものを積極的に取り入れづらいというのも、いかにも日本の学校らしい課題だと感じます…。
まとめ
学校や職場での仮眠には賛否両論あると思いますが、僕は
「サボりたくて寝ている人だけではない」
と考えます。
そして、そういう人たちを頭ごなしに否定したり、集中力がないという精神論で片付けてしまったりしたくありません。
もちろん大人が会議中に寝ていることには、あまり賛成しません。
(聞く必要性を感じない眠たくなる会議もありますが)
しかし、学びたいのに集中できない子どもたちにとっては、そのシステムの見直しも重要だと思います。
特にGIGAスクールとなり、子どもたちがデジタル機器を見る時間が長くなることが予想されるこれからの授業スタイルにとっては、脳や目の疲れを回復する手段を試していくことは必然ではないでしょうか。
熱中症や風邪など子どもたちの体力面に気を遣うのと同様に、脳疲労や集中力の回復にも目を向けていきたいものです。
僕は日光にポカポカと当たりながら、みんなでお昼寝をする学校も悪くないなぁと感じます^^
いつか子どもたちと一緒にお昼寝してみたいなぁ。。。
こちらの文献を参考にして書きました⇩⇩⇩
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