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勇気を出して長期育休を取ってよかったとしみじみ思う

 社会人になって、これほど長いお休みをいただけるとは思ってもいませんでした。

 残り2ヶ月を切った今、
「8ヵ月間の育休本当に取れてよかったなぁ」
と、しみじみ思う今日この頃であります。 

 まさか自分が育休を取るとは。それも8ヵ月間も。

 新任の頃の自分には、1ミリも想像しなかったでしょう。

 僕が育休を取ると決断したのは、2019年の11月。あの時の自分を褒めてあげたいくらいに、充実した日々を過ごしています。


➣低水準で増えている男性の育休

 厚生労働省の調べによると、男性の育児休業は低い水準ではあるものの年々増加傾向にあり、近年は過去最高を上回っているそうです。

育児休業取得率の推移(厚生労働省 雇用環境・均等局 職業生活両立課調べ

引用:育児休業取得率の推移(厚生労働省 雇用環境・均等局 職業生活両立課調べ)

 厚生労働省の雇用均等基本調査によると、平成30年度の男性の育休取得率は、6.16%、令和元年度は、7.48%(令和2年7月31日公表)と過去最高。増加傾向とはいえ、育休を取得する男性は、まだまだ少ないことが分かります。

 その背景には、男性が育休を取得しにくい職場の状況があります。「育休を取得したくても取得できない男性」がたくさんいるということです。

 正直、職場のことを考えると、育休を取りたいと言い出しにくい気持ちはよく分かります。自分に役職がついていたら、どれだけ迷惑をかけることになるか、自分が一番想像しやすいからです。


➣妻を支えられるのは僕しかいなかった

 それでも僕は、勇気を出して
「育休を取得したい」
と申し出たことを、今のところ全く後悔していません。

 わが家の場合、夫婦共に実家から家が離れていますし、祖父母も働いているので、出産を終えた妻と赤ちゃんをサポートする体制がまったく整っていませんでした。つまり、職場環境がどうこうと考える以前に、出産後の生活がままならないことの方が心配だったのです。

だから、
「僕が育休をとるしかない!」
というくらいの気持ちで取得希望を伝えました。


 出産はダンプカーにひかれるほどのダメージを母体に与えると聞きます。

 妻は笑ってそう言っていましたが、やっぱり産後も大変です。産後の女性は体にダメージを抱えた状態で赤ちゃんのお世話もしなくてはならないですし、ホルモンバランスも崩れて精神的にも不安定になります。

 そんな時に、自分も仕事でへとへとに疲れていては、赤ちゃんが生まれて幸せな家庭像とは程遠い状態になります。

 そのうえ、上の子もいるとさらに大変です(かわいいんですけどね笑)。

 普段、妻には支えてもらっているので、産後の時くらいはゆっくりとさせてあげられたらと思います。

 

➣1ヵ月の育休でも家庭を救う

 実際に取ってみてわかったのですが、産後1ヶ月休みをとってサポートするだけでもかなり助けになると思います。

「1ヶ月じゃ家事の大変さは分からない」という意見もあります。

 ですが、僕は育休の本来の目的は「妻をサポートするため」であって、家事の大変さを知ることではないと思っています。家事の大変さは、仕事をしていても知ることができますが、出産後のケアはその時しかできません。

 少し古いですが、厚生労働省が報告した平成27年度「雇用均等基本調査」によると、育休を取得した男性のうち80%以上が1ヶ月未満に職場に復帰しているようです。

取得期間別育児休業後復職者割合(平成27年度「雇用均等基本調査」厚生労働省

 育休を取れたとしても1ヶ月以上の長期休業はかなりレアなケースのようです。

 しかし、わが家の場合は、その1ヵ月が出産後に最も大変な時期でした。妻は産後のダメージを抱えたまま、3時間おきの授乳で生活リズムが乱れるわけなので、なかなか調子は整いません。それを調整しているだけであっという間に1ヵ月は終わりました。

 妻がようやく元気になり、日常の生活を取り戻しつつあると感じたのは、産後3ヵ月くらい経ってからでした。僕は8ヶ月も取得できたわけなので、本当感謝しかありません。


➣自分のための育休という考え

 さらに長期の育休は家庭のためでもありますが、何よりも自分のためになっている実感があります。

 大卒で就職した男性は、定年まで約40年間あります。日本にはバカンス休暇のようなものがある企業はかなり少ないので、多くの男性はまとまった休みなく働きづめになります。

 最近でこそ、転職やキャリアアップという働き方が増えてきましたが、約40年働きづめになるということは、僕にとっては物凄く大変なことだと感じています。教師の仕事は楽しいんですけど、やっぱり心身の負担が大きいと感じます。

 ですので、40年のうちの半年や一年くらい、ゆっくりと心と体を休める時期があってもいいんじゃないかと。

 仕事で無理して一杯いっぱいな人生より、少し休みを入れながら、また仕事を頑張るエネルギーを蓄える期間があってもいいと思うわけです。頑張りすぎている男性にとって、育休はまさに「自分を守る期間」にもなります。

 

 そして、育休中に仕事に役立つ知識やスキルをアップデートすることで、復帰したあとさらに職場で活躍できる人になることもできます。

僕はこの育休期間を「自分をアップデートする期間」とも捉えています。

 

 僕はこの期間にたくさん自分をアップデートしてきたので、「復帰したらやってみたいこと」をたくさん見つけることができました。育休を取得したことで、もちろん会社には多くの迷惑をかけていますが、アップデートした自分で恩返ししたいと思っています。

 そうすることで、長期の育休を取得するのは、家族にも自分にも、そして職場にも良いものをもたらせると思っています。職場のことを気にして育休の取得を躊躇している人は、そういう考えもあることを、一度考えてみてほしいです。この考えが広がっていくことで、男性に対する育休のイメージがさらに良くなると嬉しく思います。

 育休をより多くの男性が取得でき、生き生きと活力に満ちた人が増える日本になって欲しいと、僕は心から願っています。


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