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農業体験プロジェクト、はじめました。

 先日、新たな試みをスタートしました。この春からやりたかったことです。

 それはタイトルにある通り「農業」です!教員の僕が「いきなり農業?」と思ってくださった方のために、僕が「農」に興味をもった理由をお話したいと思います。


➣なぜ「農業」なのか

 僕が「農」に興味をもった理由は3つあります。順番に書きます。

①義父が育てる野菜がおいしいから

 僕の義父は、数年前に定年退職をしました。もともと家の庭で畑をしていましたが、それでは飽き足らなかったようで。定年後には、広くて立派な畑を借りて、朝から晩まで農業にいそしんでいます。

 お義父さんが育てる野菜のこだわりは「無農薬」。だから、作る野菜は虫食いだらけでした。せっかくもらった白菜はいたるところに穴が開き、何枚も葉を切り落としてようやく食べていました。水菜には小さな虫がたくさんついていて、申し訳なく思いながら捨ててしまったこともあります…。

 ところが近年、野菜の出来栄えが格段に上がりました。まるまるとした大根やあまーい人参、青々としたブロッコリーなど、おいしい野菜がたくさんとれるようになりました。特にブロッコリーは、「ブロッコリーってこんなに甘くてみずみずしいんだ!」と驚きました。スーパーに売られているものとは比べ物にならないくらいにおいしかったです。

 虫食いもかなり減りました。もちろん今も無農薬です。被害を最小限に抑える対策を追求した、お義父さんの努力の賜物です。現在は、地元のスーパーの「地産地食コーナー」や学校給食にも出せるほどになりました。

 ちょうどその頃、僕は勤務先で子どもたちと大豆について学習し、学校で大豆を育てていましたが、見事に失敗をしました。カメムシの被害に遭い、思うような大豆を収穫できなくてとても悔しく思っていました。

 「農業って難しいんだな」と肌で感じることで、お義父さんの凄さがわかりました。小学生の授業は、野菜を育てて学ぶ学習がたくさんあるので、お義父さんから学べることをたくさん学びたいと思いました。


②自給力の大切さを感じたから

 育休中に「減速して自由に生きる ダウンシフターズ」(著 高坂勝)という本を読みました。

 この本の著者である高坂勝さんは、経済成長を追い求め続けるサラリーマンとしての生き方に心労を患い、30歳で仕事をやめ、自由を求め一人で営業するORGANIC BARを開業します。合わせて米と大豆の自給にも挑戦。この本の「生きるために必要な分のお金と、自給力さえあれば、そんなに頑張り過ぎなくてもいいんだよ」というメッセージは、仕事で疲弊していた僕の心に響きました。

 この本をきっかけに、僕も人としての生き方を考えるようになりました。

 例えば、あればあるほどいいと感じていた「お金」の価値を見直しました。毎月いくらあれば生活できるのか、子どもが何歳になるまでにいくら必要なのか、何歳まで働けばいいのか。妻と一緒に、具体的な計画を立てていきました。こうして見通しをたてることで、心に余裕ができました。本当につらかったら、無理して頑張らなくても何とかなりそうだ、と。

 モノもそうです。あればあるほどいいと思って買った服、食器、雑貨、本、おもちゃ…。「大量生産大量消費」という経済成長の波に乗らず「必要なモノを必要な分だけ」。この生き方でも、充分幸せに生きていける。そんな考えをもつようになりました。

 それに、自給する力「自給力」の大切さも感じました。自給力があれば、お金の心配が減ります。食べるのに必要な分の野菜を育てて、足りないお金を稼げばいい。「農家」にならなくても、いわゆる「兼業農家」で生きている人もたくさんいます。

 もちろんお義父さんの存在が、かなり大きいです。お義父さんのおかげで、農業を始めやすい環境が整っているし、お義父さんの生き方そのものが、経済成長の波に乗らないお手本のような生き方だからです。

 ちなみにお義父さんは、野菜だけに飽き足らず、昨年庭に鶏小屋をたてて鶏の飼育を始めました(笑) 卵から育てたひよこちゃんたちは、現在めんどりが2羽となり、毎朝卵を1つずつ産み落としてくれるそうです。この春からは、米作りにも挑戦する予定。お義父さんの自給力はハンパじゃありません^^;

 野菜を育てることで食費が浮き、週末に余計な外出をして出費がかさむことも抑えられ、経済的なお得感もあります^^


③長女に体験させたいから

 上記の2つの理由でも、僕が農業をしたい理由にぴったりなのですが、長女の学びの場にもなればいいなと思っています。

 長女は僕と妻以外の大人と関わる機会が少ないです。いかにも一番上の子どもらしく、人見知りで甘えん坊。初めてのことには一旦距離を置き、怖いことは苦手です。そのためかなりの慎重派で、慣れるまでに時間がかかります。

 そんな長女に焦りを感じているわけではないですが、もう少しチャレンジ精神をもってほしいなと願う親心もあります。

 農業は今まで会う機会が少なかったお義父さんが教えてくれます。おじいちゃんとの交流の機会が少ない長女にとっては、いい経験となりそうです。

 また、広い畑には自然がいっぱい。いろんな種類のちょうちょが飛び、上空にはトンビが旋回しています。四季の変化を感じる景色、足取りが悪い土の上、気持ちの良い芝生、飛び越したくなる溝など子どもの好奇心をくすぐるものがたくさんあります。慎重派の長女には、ちょうどいい遊び場です。僕と妻も、自然を感じることで心が癒されています。

 もちろん野菜にも興味をもってもらいたいです。現在、好き嫌いによって食べられる野菜はまだ少ないのですが、自分が育てた野菜を自分で食べるという経験ができたら嬉しいです。お砂場遊びも好きなので、野菜を育てる経験が長女にハマればいいなと思います^^


➣まとめ

 以上、3つの理由から「kuro家の農業体験プロジェクト」はスタートしました。お金、健康、教育、交流、生き方…。農業について考えれば考えるほど、子育てにおいてやって損はない経験だと思います。

 うちの場合、それがとても始めやすい環境にありました。お義父さんが畑の一画を「kuro家の畑」としてくださって、
「好きなものを育てていいよ。面倒もみといてあげるから、来れる時に来たらいい」
と言ってくれました。

 僕は4月から復帰するし、次女もまだ小さいので頻繁に行くことは難しいでしょうから、お義父さんのお言葉はとてもありがたいです。


 そして先日、さっそく種まきをしました^^ その様子はまた報告をさせていただきますね。





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