浮気されても、とがめない人でありたい。
いきなりだけど、最近ハマってる絵描きさんを紹介させてほしい。
『ぼっち・ざ・ろっく』の絵描きさんとして僕は認識してるんだけど、この人が描く「激重喜多ちゃん」シリーズがすげぇ好き。
夢の無い話をするが、こんな激重さんが現実にいたら怖すぎる。
だけど、これが創作の話であり、重くなる対象がぼっちちゃんだからこそ「他人事」として楽しめる。
そしてめっちゃおもしろい。
だからこそ、ここで紹介して読者さんとおもしろさを共有したかったので名前を出させていただいた。
先ほど「現実にいたら怖いよね」と言ったが、人は特定の条件下で”重くなる”ことがある。
例えば上で紹介した『激重喜多ちゃん』のような恋人関係の時。
恋人は原則一人である。
そして「恋人」という関係は「結婚」のように法的な手続きが無く、いわば当事者同士の口約束である。
なので破ったとしても罰則は無いし、社会的に立場がある人でなければ大事にもならない。
そして「罰則」というものは「しちゃダメ」というものでは無く、「したら罰を与えるよ」というものなので、罰則をハンデと思わなければなんの効果も無いものである。
つまり、「やっちゃいけないこと」って基本的に無いのよね。
だけど人と人との関わり合いは、秩序が無ければ崩壊する。
「人は独りでは生きられない」という言葉があるように、生存したいのならある程度のルールには従わなければならない。
「恋人は原則一人」もルールみたいなもので、複数いるとトラブルが相次いでダルいから一人までという暗黙の了解なのだ。
で、この「複数いるとトラブルが相次ぐ」原因が、激重喜多ちゃんの大量発生である。
浮気をした恋人をとがめるのか、恋人の浮気相手をぶん殴るのか、はたまた浮気された自分を恨むのか。
なんにせよ「浮気」を取り締まらないと、争いの種が芽吹きまくるのである。
だから「浮気はダメ」と言われている。
が、「浮気」ってどこからなんだろうね。
『かぐや様は告らせたい』の柏木さんが生徒会女子メンバーに相談しに来た回で、「浮気はどこから?」的な話をやっていたが、明確な答えは出ていなかった。
「二人で出かけたらアウト」もあれば、「イくとこまでイっても情が移っていなければOK」など、色々な価値観がある。
巴イユさんの『おばけ屋敷回』で、ぼっちちゃんに助けられた虹夏ちゃんが「ドキッ」としてるのを激重喜多ちゃんに詰められるマンガを読んで、「おもしれぇ」と読んでいる僕は「これは過剰反応よ」と思っているんだろうね。
つまり恋人に「ドキッ」とした相手を僕はとがめない。
でもこれを「当たり前だよね。変な虫は駆除しないと。」って読む人もいるだろう。
「浮気」のラインがどこにあるのかを、ここで規定することはできない。
ここでできるのはあくまで「こうありたいね」という理想まで。
僕は何をされてもとがめない人でありたいな。
これは「浮気の肯定」ではない。
さっき書いた「浮気をした恋人をとがめるのか、恋人の浮気相手をぶん殴るのか、はたまた浮気された自分を恨むのか」で言うと、「自分を恨む」という選択を取る人でありたいってことだ。
「浮気をされる」ということは、それほど相手に価値を与えられていないということである。
価値のないものを買う人がいないように、価値のない人と付き合い続ける人はいない。
相手の中で「くろだ価値ないな」となったのなら、そういう事実はさっさと受け入れた方が時間を有意義に使える。
「別れた方がお互いのためだね」という決断を、子どもの頃は理解できなかった。
「一緒にいた方がいいでしょ」と、子どもらしいことを思っていた。
が、今ならわかる。
「別れた方が互いのためになる」
相手はより価値のある相手と関係を持てるし、僕は時間のゆとりができる。
昨日も書いたが、「僕を選ばないなんてセンスが無いな」の精神である。
そうやって胸を張れるように、空いた時間を使っていけばいい。
これが僕の「浮気」に対する理想的な対処である。
今更だけど、ギャグマンガに対してここまでマジになって話すのって無粋よね。
「浮気は絶対に許さない! ひとりちゃんは私のもの。いや、私はひとりちゃんのもの♡」
そんな”激重喜多ちゃん”だからおもしろいのである。
そしてこの物語を笑っていられる僕は、これを「他人事」として読んでいる。
つまり、僕に恋人はいないのである。
だからこそ、あんなに綺麗な理想が描けるし、ある意味”重い”思想を持てる。
そんな独り身の戯れ言には耳を貸さず、みなさんは幸せになってくださいね。
以上!くろだでした。
読んでくれてありがとうございました。
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ではまた👋
【あとがきという遺言】
これって激重喜多ちゃんに対して「ぼっちちゃんに価値与えられないなら別れた方がいい」って言ってる風にも捉えられるよね。
大丈夫かな?
なんか背中がゾワゾワするんだけど。
明日、投稿がないとしたら、そういうことです……。
【あとがきという感謝】
巴イユさん、掲載許可ありがとうございました!
許可取りが初めてで、無礼や至らない点は多かったと思いますが、許しをいただけて嬉しかったです。
これからひっそりと、あなたの作品を見ていますからね。(ニヤッ)