見出し画像

ER緊急救命室が好きすぎる その5 / ドクター・マルッチ

ER 緊急救命室」は、昔のアメリカの医療ドラマです。
毎回 個人的に好きなドクターにfeatureしていきます。


デイブ・マルッチ/ Dr. Dave Malucci

勝手に語る4人目は、シーズン6からジュニアレジデントとして登場の、ドクター・マルッチ。

この辺りで、マーク先生かカーター先生あたりを取り上げるか?と思いきや、まさかの初期メンバーでもない ドクター・マルッチ?という意外な流れですが、私、このやんちゃ先生嫌いじゃないんです。

なぜこの人がドクターになれたのか?と思った方も多いと思います。
合わせてこの時、「ジュニアレジデント」っていうポジションがあるんだ!と初めて知りました。

成績は悪い、いつもふざけている、子供みたいにいたずらっ子だし、上の指示は守らないし。ドクターという前に、社会人としてどうなのかという。
私が彼の上司だったらきっと毎日爆発!

ドクター達が意外と寛容

基本的にはいいヤツなんだけど、あのルーズでお調子者のところはかなり信用度は低く、威勢の良さだけが毎回目立ちます。

このチャラ男タイプ、きっとウィーバーは絶対嫌いなはずなのに、もちろん毎回注意はするけれど意外と極めつけのお仕置きはありません。
更にあのピーター・ベントンにさえ生意気な口をたたく。カーター君はきっとヒヤヒヤと見ていた事でしょう。

この寛容さは不思議でした。あんなに厳しいウィーバーやベントンが最後にはスルーしちゃう。怒ったほうがいいんじゃないの?と毎回思う・・。

もしかしたら、そこまで憎めない愛嬌みたいなものが彼にはあるのかも?と思ったけれど、まあ最後の最後にはやはりウィーバーは限界突破してしまうんですけどね。

カオスなシーズン6

とにかくこのシーズンは展開が凄すぎて、Dr.マルッチを含め新しい登場人物になかなか集中できず、です。
コバッチュ、クレオ、アビーが入ってきたり、ジン・メイも復帰。そしてゲストにはレベッカ・デモーネイですよ。
(レベッカ・デモーネイがカーター君と従兄弟って無理があるけどw)

そしてそれと同時に、ルーシーの悲劇、キャロルの旅立ち、カーターの更生。めちゃカオスな上に 去る人に未練が残るシーズンであり、この後のシーズンを見続けるモチベーションが下がりそうになりました。

基本展開も早く、各エピソードの幅が広いドラマである事はわかっていますが、キャラクターの入れ替えはファンにとっては大ごとです。
ルパン三世の五右衛門や、ドラえもんの声優さんが変わるくらいの大事件!

しかも初期メンバーですから、なんとなくその気配を感じた時、世界中のファンは不安を抱きながら観ていくのです。私もモヤモヤしながらこのシーズンを見進めたことを覚えています。

それはダメでしょう〜、マルッチ

お叱りレベル満載のマルッチですが、いやいやそれはダメでしょう〜!と思ったシーン。

① 救急車で運ばれてきた患者の担当をコイントスで決める。
これ相手はカーター君だったのですが、受けちゃダメだよね〜と、カーター君もNG。

② 出勤途中のマーク先生を後ろから自転車でどつくシーン。お医者さんってこんなことしないよねえ・・・

③ ドクター領域の治療を勝手にしちゃうパターン。

かっこいいぞ!マルッチ♩

ステロイド中毒にさせられた親子の患者に、チューニーの代わりにスペイン語で対応して、彼らの正義のために頑張るシーンがあります。
この親子に医師でもないのに穿刺した薬局を探しに出かけちゃうという、チャラ男が突然悪に立ち向かうストーリーです。こういう所がピュアで無鉄砲で、なんとも可愛い所なのでしょう。

ERにはスペイン語はマルッチとチューニー。中国語はジン・メイとリリィ。日本語はヨシがいる。多民族国家のアメリカでは普通の事でしょうが、病気になった時に言語対応が問題ないことって大事な事ですよね。患者にとっては何より安心できることです。

東京で、街の小さなクリニックにベトナム語を話すドクターがいます。ベトナムのドクターなので、フランス語、英語、もちろん日本語。簡単な中国語も対応します。
英語に対応してくれるドクターは多いと思いますが、アジアの言葉などで診察・処方をしてくれる先生は東京でも少ないでしょうし、対応可のお医者さんを旅行者が探すのも一苦労でしょう。

旅の途中や在留の方で、母語で医療を受けられるほど心強い事はないですね。私も他の国に行く度に具合が悪くなった時の事が心配です。
短い旅でも行く前に現地の病院をチェックは必須で!

実際このドラマの中でも、移民の患者さんは多いのでスペイン語を話すシーンが度々出てきます。チューニーかマルッチがいる時だと「ああ、よかった〜」と安心しちゃいます。救急車隊員の人たちも喋れる人が何人かいる設定ですし。

ドクター・マルッチの印象的なシーン

13話でルーシーとカーター君が、バレンタインパーティの途中で刺される事件があり、彼らを救うためにドクター達が全力を尽くす。
これは前記のドクター・ロマノの印象的なシーンとしても挙げましたが、同じくマルッチもとても印象に残っているシーンです。

ERでルーシーの応急処置をウィーバーが行なったけれど、出血がひどく危ない状況に。その時オフだったマークとコーディがようやく駆けつけるも、もうすぐに開胸しないとだめだ!となってしまう。

さっきまで一緒に働いていた仲間のルーシーの肋骨を電動ノコで開く事。一瞬誰もが躊躇するが、ウィーバーは医師として開胸をスタートします。
その瞬間、マルッチが目をそらす。

このシーンが私にはとても印象に残りました。医師としてではなく、人間として思わず避けてしまったのでしょう。「見ていられない」という行動を取ったマルッチ。
人間としては深く共感したと同時に、やっぱりドクターとしては厳しいよね、と思ったのでした。

それにしても、コーディが間に合ったのだからコーディが開胸しないの?と思ったのですが、あそはERの領域。だからきっとウィーバーが開いたのでしょうね。
コイントスで患者の担当を決めるように、”領域”というものがはっきりしているんですね。

”領域”という文化を持つ国

ERというこのドラマを初めてみた時、この”領域”とか、”担当”という文化を意識したのでした。
医療もそうだし、言うなればレストランのテーブルとか、何かの順番の受付とかでもそのように感じます。これはアメリカだけの話ではなく、ヨーロッパでも感じる事。

ここは誰々の”担当”ということがとてもはっきり決まっていて、そのことをとても重んじますね。たとえどれほど待たされようが、「ここは○○の担当だから○○を呼んできます」的な。

逆にいうと日本にはあまりそういう文化はなくて、「すみません」と、○○さん以外にも声をかけるし、すると○○さん以外も対応してくれる。
それは特有な文化であると思います。
欧米の国は ”個人”の持つ責任、といいましょうか、そこに重きを置く。
対して、日本は”全体で責任”を持つ力が強い。

どちらも良い点・悪い点もあると思うのですが、文化の違いという事。しかし長い間 皆で責任を持つ文化の中で育ってきた日本人が、今になって急に個人の力を!と求めれているような気がします。

マルッチ、ERを去る

Dr.マルッチはシーズン6をメインに、7にちょろっと出てその後はシーズン8で終わり。シーズン8ではさすがにやんちゃ坊もかなりの成長を感じます。
髪も伸びて、少しふっくらしたかなあ〜と思いながら、息子の成長を見守るような気分でした。

そんな彼も美女を追って乗り込んだエレベーターで活躍するも、救急車でまずいところをウィーバーに見られてしまい、とうとうシーズン8でウィーバーに解雇されてしまう。
そもそもこの前にジン・メイと患者を誤診した事から、ウィーバーの彼に対する評価は下がっていたのでそこに追い討ちをかけてしまった。
この一件にはウィーバーにも原因があるのだけど、激昂したマルッチは言ってはいけない一言を。

このあたりをカーター君あたりから学んでほしかったわねえ、と思いながら、元気なマルッチはERを去って行くことになります。
そして誰もがこの時までマルッチがお父さんであるとは知らなかった、という。。
でも真っ直ぐで熱量たっぷりのパパ、いいと思います!

生きていくのには熱が必要です。火をガンガン焚べて煙モウモウ出して、まっしぐらに突き進むエネルギー。冷静沈着な人が好まれるケースが昨今多いなあと感じますが、ちょっとくらい無茶しても、道がない所に自分の足で道を作っていくぞ!という姿勢、好きです。
真っ直ぐで舗装された道なんて誰も目の前に敷いてくれないから。

ただ、私はマルッチの子供にはなりたいかも!と思うけど、奥さんは嫌かなあ〜w

いいなと思ったら応援しよう!