寄居町貧乏移住体験記 #27
2024.11.4(月・祝) その2
(前回のつづき)最初のみかん園の看板が見えた。波久礼(はぐれ)駅を出て50分は経っただろうか。これは目的地まで1時間かかるな。そう思いながら、軽く汗ばみつつ歩を進める。そしてちょうど1時間ほど。目的地の横手園に到着!「無農薬」の看板が出迎えてくれる。
ここは寄居が生んだプロレスラー・桜戦士セレジェイラさんが訪れた記事を見て以来、ずっと行きたかった場所。寄居のみかん園で唯一の無農薬のみかん園。
私が一番乗りだったとみえて、園長さんは家の前に並んだ椅子を勧めてくださった。山のてっぺん。快晴。とても見晴らしがいい。「歩いてきました」と言うと、「どうぞ食べなさい」とみかんをくださった。乾き切った喉に染みていくみかんの旨いこと!
Instagramを通じて、今日朝一番で訪ねることを伝えていた。園長さんはInstagramを見ながら「あなたがくりたまさんか」と仰った。「寄居に移住したいんです」と話すと「どうぞどうぞ。いいとこですよ」と破顔一笑。そして、若い頃の東京での思い出話をたくさん語ってくださった。びっくりする話がいっぱいで、お若い頃は相当華々しくご活躍されていたことが想像された。
「ここは寄居の名水の日本水(やまとみず)が水道管から出てくるんですよ」と笑う園長さん。「これに汲んでいきなさい」とペットボトルを手渡してくださった。ありがたく頂戴し、大切にリュックにしまう。
「みかん狩りはされていきますか?」となぜか少し遠慮がちに話される園長さん。「もちろんです!」と料金を支払い、かごとはさみを持っていざ農園へ!
説明の終わり頃にお客さまが来園。「摘んでてくださいね」と駆け足で戻る園長さん。速い!その健脚ぶりにびっくり。
その後は次々にお客さまが訪れる。あっという間にみかん園がにぎやかになった。夫婦やファミリーに混じって、黙々と一人みかんをいただきながら摘んでいく(みかんは食べ放題)。お裾分けする人の顔を思い浮かべながら、枝にはさみを入れていく。
画像は「ふくれみかん」という、寄居に400年伝わるという特産のみかん。とても小さくてでこぼこしている。味は酸味が強めで、持ち帰った際、夫は「レモンみたい」と言っていた。他のお客さんは、ふくれみかんに目もくれなかったけれど、私はずっと気になっていたので、ふくれみかんも摘んだ。
みかん狩りを終えると、園長さんは高枝はさみの手入れをしておられた。お礼を伝えると、再び雑談に花が咲く。お願いしてツーショットも撮っていただいた。
これまで会ってきたどの方も、「寄居に住みたい」と話すと親切にいろんな話を聞かせてくださる。寄居の方々は本当にいい人ばかり。通りすがりの人が「こんにちは」と挨拶したり会釈したりしてくれるのには驚いた。
別れ際に「これからmujaqui(むじゃき)さんにランチをいただきに行くんです」と話すと、「あそことは取り引きがあるんだよね。じゃあ、これを持ってってほしい」と、きれいなゆず2個を託される。そして、私にもゆずを2個分けてくださった。
深々と頭を下げて横手園を後にする。園長さんは新社会人時代に25分で山を降りたと仰っていたが、私は40分かかった。しばらく列車を待ち、Yotteco(よってこ)へ寄ると、いつもお世話になっている街おこし協力隊員のMさんがカウンターにいらした。Mさんにもmujaquiに寄ることを伝えると「12月のイベントの件よろしくお願いします、とお伝えください」とこれまたお使い(笑)。
さて、今回最後の目的地、「泊まれるオーガニックレストランmujaqui」へ。
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