
秋分の日
2008/09/23
(この記事は2008年のものです)
9月23日。今日は秋分の日だってね。
東京は陽射しが結構暑かったけど、それでもやっぱり爽やかだった。
見上げるといつのまにか、すっかり秋の空。ふん、チャッカリしてるのね。なんて気になったりもする。季節に置いてきぼりにされたような気持ちになると、そんなつまらないことも言いたくなる。
これは母の入院する、中野の病院の前から見上げた、今日の空。
今日の母は比較的まともで、私が来るのを「朝から待ってたの」なんて言う。ああ、重いってば…。
「私のバッグの中に、1000万円の束がある」だなんて言い出すから、ちょっとだけ焦る。
母は明日も、私が来るのを首を長くして待つのだろう。動かない身体、伸びない足と回らない首で。
母の耳掃除をして、フケだらけのどうしようもない髪をブラッシングし、「ああ~、気持ちいい…!」と感動してもらい、顔を拭き、上半身の前面だけ拭き、身体の向きを計3回変えて、「温かいお茶を飲みたい」という母のリクエストにこたえて、売店でお茶を購入し、少しずつ飲ませて。絶えず出る痰をティシュで拭きとってあげて「上手いわね」と褒められ。手にクリームを塗ってやり、膝の裏の筋を擦りながら少しずつ伸ばし、膝裏に枕をあてがってやり。そうね、母にしてあげたことは、だいたいそんなとこかしら。
たったそれだけのことなのに、病院を出ると、身体中に疲れがのしかかってくる。歩くのがやっとという感じだ。これはもう、マックやモスやフレッシュネスバーガーなんかじゃ癒やされない。
そう思って、つい、風月堂の喫茶店なんかに入って、白玉クリームあんみつを注文。
ちょっと元気が出た。