大人のいないないばあ。
赤ちゃんは生後間もない頃、「いないいないばあ」で大人が顔を隠すと、本当にいなくなったと思うらしい。これは私が適当に言ってるわけじゃなくて、ピアジェっていう偉い学者が提唱している「発生的認識論」の一説だ。
ところが、最近思うのは、大人になっても同じような人がいるんじゃないかということだ。例えば、問題が消えてなくなったわけじゃないのに、表面的に見えなくなるとそのまま放置する人たち。あだ名禁止や容姿イジリ禁止の議論なんて、まさに良い例だ。
表面的にはやらなくなっても、裏でいくらでも続けられている。SNSをちょっと覗けば、その実態がすぐに分かるだろう。それでも、こういう対応をすることで『私たちは対策しています』という大義名分を手に入れるんだろう。実際、簡単に解決できる問題ではないのは確かだ。
とはいえ、問題を隠して見えなくしただけで解決したつもりになるなんて、赤ちゃんの「いないいないばあ」と変わらない。そんな人たちには、大人を名乗ってほしくはないものだ。まあ、良いふうに考えるなら、彼らはまだ初心を忘れていないとも言えるのかもしれないけどね。