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透明少年という話。
今日も今日とて、最近ハマっている、本当のような嘘の話。
僕は透明少年。
誰も僕のことを見ていないんだから。
お友達も、先生も、お父さんやお母さんも、誰も僕のことを見ていない。
だからといって、悪いことはしないよ。
僕は健全な透明少年なんだ。
とはいえ、たまには友達と遊んだり、お話したりしたい。
これまでも何度かみんなに気がついて貰おうと思って、肩を叩いたり、大声で呼んだりしたんだけど、気づいてもらえなかった。
でも、今回はきっと気がついて貰えると思う。
ワクワクしながら学校についた。
僕が学校に着くと、人気者のAくんがいた、こりゃいいと思い、僕はAくんを刺した。
僕に注目が集まったかと思いきや、みんなAくんの心配ばかりしてる。
あーあ、今回こそみんなに気がついて貰えると思ったのになぁ。
あまりのショックに、僕は帰路についた。