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鹿の王▶youco

上橋菜穂子著「鹿の王」を読んでいます。
本当は、"読みました"と書きたかったのですが、今まだ4巻の途中です。最終巻の4分の3を読み残してる時点での、中途半端な感想ですが、既読の方も未読の方もしばしお付き合いください。

ご存じの方も多いと思いますが、上橋菜穂子さんは、児童文学系の賞をたくさん受賞されていて、海外でも人気の方です。2014年には、【児童文学のノーベル賞】と称される国際アンデルセン賞・作家賞を受賞されています。

私が上橋先生の作品に出会ったのは、今から10年以上前のことです。(読書記録の管理を始める前なので、残念ながら正確な日付はわかりません。)
“初”上橋作品は「狐笛のかなた」でした。とても面白くて、見事にハマり、すぐに「精霊の守り人」シリーズを読み漁りました。

今回ご紹介している「鹿の王」は、確かに実在はしない世界のお話なのですが、ファンタジーという感じではなく、私が立っているこの場所から地続きの、この世界のどこかで起きていてもおかしくない、と思わせるお話です。

いくつかの国、そこに生きる民、国と国の狭間に生きる民、国を追われた民…。守りたいもの、生きていくための矜持、背負わされた運命(さだめ)…。

それぞれの立場で懸命に生きる中、逃れられない大きな波紋を呼ぶ恐ろしい感染症。コロナというパニックを経験した今となっては、とても他人ごとではありません。

突如現れ、あちらこちらで感染者を出し、人が亡くなる様子は、上橋先生が『近いうちに未曽有の感染症が大流行するよ』と警告してくれていたのでは?と畏れをもって尊敬致すところです。

この物語は、今まさに統一されたばかりの国で起きている出来事をいくつもの場面に切り替えながら進んでいきます。そのどの場面でも重要なファクターとなっているのが【黒狼熱】です。あるときは国を一つ滅ぼし、あるときは野望を実現するための道具となり、あるときは感染した人そのものを変えてしまう…。

全くの門外漢にもわかるように語られる感染症や病の話。人が生まれて生きて死ぬ意味。人の体で起きている仕組みと、一つの国を形成する仕組みの類似。

この本が、児童文学賞ではなく、医療文学賞をとっているのも納得です。(本屋大賞もとっています。)

4巻の初めの方に、「鹿の王」とはどういうものか、という説明が出てくるのですが、その「鹿の王」の有り様こそが、このお話の主題なのだな、と(現時点では)感じています。
なにしろ最終巻の4分の3を読み残してる時点での、中途半端な感想なので、的を外していたらすみません。

以前の投稿にも書いたように、「鹿の王」を読破することは、今年の目標の一つです。
あと4分の3!!(実は外伝が1冊出てますが…)じっくりゆっくり読破するつもりです。読破した暁には、完全版の感想を書けたらいいな、と思いつつ。

皆さまの参加を心よりお待ちしております。
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【投稿者】youco

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