クリマ

こんにちは、栗麻太郎と申します。昭和生まれ、古稀越え世代です。好きな曲をモチーフに、生…

クリマ

こんにちは、栗麻太郎と申します。昭和生まれ、古稀越え世代です。好きな曲をモチーフに、生成AIを活用しながら、一万字前後のショートストーリーを作っています。平凡な人生を送ってきましたが、作品にはメリハリを持たせたいと思っています。

最近の記事

05 岬の約束 由紀編

 プロローグ 由紀は一人娘の美優と共に、穏やかな田舎町での生活を送っていた。東京に残してきた夫、康介と別居してから、すでに3年が経っていた。美優はすでに、小学校に入学し、新しい環境に少しずつ慣れてきた。毎日、由紀は近所の水産会社で忙しく働き、仕事に追われる日々を過ごしていたが、自然に囲まれたこの町での生活は、思った以上に心地よかった。 別居の原因は複雑だったが、由紀は完全に康介を嫌いになったわけではなかった。それでも、東京での生活はどこか重苦しく、息が詰まるような日々だっ

    • 04 サボテンの花

      1.プロローグ 悠佑の憂鬱 悠佑は、大阪のタワーマンションの一室で一人静かに窓の外を見つめていた。すでに若くはない、しかも未だに独身。東京生まれの彼は大学を卒業してから上場企業に就職し、現在もその企業で働いている。しかし、肩書とは裏腹に、心の中にはいつも重い陰が垂れ込めていた。 大阪の職場では、東京出身であるがゆえに、同僚たちから微妙な距離感を感じていた。大阪弁に馴染めない悠佑は、しばしばその言葉の壁に阻まれ、無意識のうちに孤立していった。東京への転勤願いを出しているが

      • 03 岬の約束

          プロローグ 孤独な生活 康介はマンションの一室で、一人ぼんやりと窓の外を眺めていた。東京の夜景が広がるその窓から、彼の心にはかつての夢と現実のギャップが浮かび上がってきた。大学を卒業し、上場企業に就職した当初は、幸せな未来が待っていると信じていた。しかし、現実は彼の期待を裏切った。 理不尽な上司との衝突が原因で、その会社を辞めざるを得なくなった。今は中小企業で働いているが、給料は減り、まともな退職金もない将来に、不安は増すばかりだった。都心の家賃はバカ高く、将来の

        • 02 涙の捨て場所

          プロローグ  小さなラーメン屋「風見鳥」の暖簾をくぐると、和也はいつもと変わらない暖かな光景に包まれた。店内には常連客の顔と、スープの香りが漂っている。だが、その和やかな雰囲気の裏には、和也の心に刻まれた深い傷が隠されていた。 和也は十年前、最愛の妻・美咲と愛する娘・愛美と共に、この町で幸せな生活を送っていた。美咲は優しく、家庭を大切にする素晴らしい妻だった。そして愛美は、両親の愛情を一心に受けて育ち、和也にとってかけがえのない宝物だった。  だが、ある日のことだった。

        05 岬の約束 由紀編

          自己紹介

          こんにちは、栗麻太郎と申します。 昭和生まれ、古稀越え世代です。好きな曲をモチーフに、生成AIを活用しながら、一万字前後のショートストーリーを作っています。平凡な人生を送ってきましたが、作品にはメリハリを持たせたいと思っています。 現在7編の作品を手がけました。 だいたい1〜2週間のペースで書いています。本当は10編ぐらい書き溜めてから投稿しようと思っていたのですが、お試しに、完成したものから順次投稿することにしました。 01. 故郷の山の見える風景 この作品は、津村紀

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