あの時使わなかったすべてのマキシムトマトへ
僕はたぶん、ふつーに貧乏性である。
恥ずかしいので、倹約家とか節約家と言いたい。
なんなら、効率重視とか、コスパがいいと言ってもいい。
それでも、どんなに言い換えようが、貧乏性なのだ。
それは、最近読んだ本で思い直したことなのだが、
禁欲的である事に快感を感じる回路の存在だ。
その可能性を自分に認めたときはショックだったが、
自分の実感を見つめて考えてみると確かにある、
僕の場合は快感というか、安心だと思う。
貯めることで、ここぞ!というときに助かる保証がほしい。
そして、それを使う場合は、ピンチであるほど得だ。
いつからかそれが身に沁みていた。
いつからそんな事になったか、いまいち分からないが、
思い返せばゲームのプレイスタイルに顕著だった。
ポケモンのピーピーエイド?みたいなMAX回復も、
スーパーマリオのDSでストックできた氷のやつも、
星のカービィで下画面に貯めれたマキシムトマトも、
すべてストックしたまま使わずにクリアしてしまった。
もちろん、使わなくていいほどの腕前ではなかった。
必要な場面でも、出し渋ってしまっていたのだ。
そして、それは縛りプレイでもなんでもなく、
余って使わなかったアイテムを惜しみもした。
どう考えても育ちや躾が影響しているのわけで、
それなりに大きくなってからは意識的に修正もした。
が、やっぱりなかなか治らないものだ。
治った例を挙げようとしたら、反例ばかり思いつく。
モンハンのアイテムも貯めに貯めては、
使い切ることもなく飽きてしまったし、
デスストでも器材を使わず劣化させていた。
ゼルダにいたっては、マモノ素材はなんか貴重に思い、
強化薬をあんまり作らず、温度系も時間ギリギリを攻め、
なぜか金のリンゴとかも無駄にためこんでしまっていた。
ティアキンになって武器の耐久値が爆下がりして、
あれよあれよと壊れていくストックに心を痛めた。
どうやら修正はあんまり効いてないらしい。
とにかく書き留めておきたかったのは、
かつて使わなかった保険のマキシムトマトは、
いまや何にもならず、悪癖となったという事実だ。
食材や貰い物のお菓子とかでもそうだが、
使ったり消費しなければ意味がない物もある。
それはかつて、兄弟に知られたくなくて、
タンスに隠したデカぐるぐる棒キャンディが、
暑さもあって食えなくなった小1の夏に知ったはずだ。
モノというのは、貯めるだけでは意味がない。
安部公房も、使用にこそ価値があると言っていた。
僕はは冬眠の準備をするリスのようにせかせかせず、
いま享受できる幸せを味わうことを心がけたい。
そういうことを考えて、書いておきたかった。
僕のようなちゃちな人間が、
経済を停滞させているのだろう。
ふと思いついたが、貨幣にも使用期限をつけてはどうか。
僕のようなやつでも、積極的に経済活動をするかも。
名案だと思ったが、楽天のポイント経済圏はそれだ。
そして僕はこないだ楽天の期間限定ポイントを失効した。
それなりの額のポイントが減っていて、愕然としたものだ。
どうやら名案ではなかった。(楽天は失効を通知しろ)
そして、これまでの話もただの怠惰かもしれない。
ともかく、これからの戒めとして思うことには、
いままで使わずに消えたすべてのマキシムトマトを、
少しでも意味のあるものにするためにもどうにか改めたい。