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失恋日記 思い出がスパイスになるまで

彼氏に振られてから、一ヶ月と2週間近く経った。前回のnoteでは、もう泣けない、と題して、それまでの一ヶ月とは違って、最近はもう大泣きしたりするほど、失恋の傷が新鮮なものじゃなくなった心境を綴った。

もう泣けないなんて言ったけど、普通に昨日泣いた。お酒を飲むとどうしても感傷的になってしまう。もう彼と戻りたいなんて思わないし、2度と会わないこともわかってる。でも、昨日帰りの電車でふと、いつから彼は私のことが好きじゃなくなったんだろうと答え合わせをするように記憶を辿って、あの時、ああいうふうに伝えていれば何か違ったのかな、など考えているうちに脳内で彼を会話をしていた。私はよく脳内で他人との会話をシミュレーションしてしまう。こういうことを伝えたくて、こう伝えたら向こうはなんていうかな、というのを脳内で一人芝居してしまう。そんないつもの癖で、当時こう伝えていたらという会話を頭の中で行なっていて、ふとした瞬間に、私なにやってんだろ、そんなことをやったって、今更なーんにも意味ないのに。と思ったら、まだ彼のこと好きなんだなって思って、涙が止まらなくなった。

今日は、ブックオフに行ってNANAを買おうと思っていたのに在庫がなくて、目に入った東京タラレバ娘を気がついたら買ってしまったのは偶然ではなさそう。あの時ああしていれば、もっとこうだったら、人生はそんなタラレバをあと何回繰り返せば、取り返しのつかない失敗をせずに、誰かとの幸せを手に入れられるんだろうか。

タイトル回収になるが、最近久しぶりに林真理子のエッセイを読んだ。シリーズものの最新作の『いいこと考えた』である。この本の中で、真理子は夫とあまり仲が良くない様子を語っていた。言い合いをしたり喧嘩になったり、なんでわかってもらえないんだろう、そんな不満を感じた。そんな時に真理子は過去の男を思い出すと言っていた。過去の男たちとのときめく日々や、大切にしてもらった思い出を思い出すと今でも胸がキラキラして、自分が女として大切にされたことへの勲章というか、明日もまた頑張れる気持ちになるのだろうか。そんな複雑な心境を読む中で、いつか私のこの傷の痛みも、今を生きるためのスパイスみたいになるのかな、そんなスパイスになったらいいな、と思った。

まだスパイスにするには痛みが強くて、味が鋭いみたい。

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Anna
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