詩と日記
ひとりで片道二時間かけて 海にきたよ
その時だけは 自分を忘れられる気がして
自分の存在を だれも認知しない
そんな世界に 生きたいね
全てがどうしようもなくいやになって
遠い場所にいきたくて
僕は言葉を書いている
まだ見ぬ誰かが
それを見ていてくれていますように
海に集まる人々の 感情や思考が 海に流れる
波の高さに紛れる 私の気持ち
今なら 人魚に慣なれるかもね
うつ病と診断を受けてから、薬をもらってはや一週間が経過した。昼はわりかし活動的に動けるが、夜になるとてんでダメで、地球上に生物が自分しかいないのでは?という錯覚に陥る。実際錯覚でもないかもしれない。"何かしたいけれど、何も出来ない"という状態になる。
昨日もそんな感じで、ただただぼーっとして時計を眺めていたのだがふと突然、無性に、漠然と、遠い場所に行きたいという衝動に駆られた。
私のことを知らない人達しかいない場所に行きたい。そして唐突に閃いた。
「海に行こう!」
と。天才である。(?)
そして早速、ここからそれなりに近い海をリサーチし、神奈川の海がヒットした。片道二時間程度。ここだーーーー!!!!!
ひとりでここまでの遠出はあんまりしないかもしれない。とりあえず、夕焼けの海を見たかった。
暗がりの海が好きだ。全てを忘れさせてくれるにおい、空気、音がする。(友人に「海に行ってくるね!」とメッセージを入れたら、「飛び込んじゃダメだよ」と返ってきた。)
海に飛び込む勇気さえあれば、きっと私の人生はもっとしあわせだっただろうなあ。
そして当日、14時くらいに海に到着。さすがに暑すぎて動けなかったので、近くの喫茶店で食事をしてから向かうことにした。
大体十分くらい歩くと、海岸が見えてきて、土日のせいもあって人がたくさん。
潮風!!つよい!!すずしい!!海!!
テンション爆上がりである。ひとまず海岸付近の公園のベンチで本を読みながら、この日記を書いている。
(今読んでいる本は、最果タヒさんの「コンプレックス・プリズム」。)
海辺で読む本を選ぶのもとってもわくわくして、遠足気分だった。公園で遊んでいる人たちのことをぼーっと眺めていると、自分が自然と同化していくような感覚がして、頭が冴えた。
ここにいる人たちは、私のことなど気にせず、気づかずに自分の人生を歩んでいる。その事実がどれだけ心地よいことか。
この光景を何時間でも眺められる気がした。
海と同化して、海の一部になりたい。
来世は、海になるのもありかもしれないね。