心の断捨離|脳のオートパイロットで望む未来へ
スピリチュアルってちょっぴり苦手です。スピリチュアル系の、なんだか妙にポジティブで地に足ついていない感じが苦手というのでしょうか。でも、スピリチュアルな話を聞くのは好きなんですよね。占いとかつい見てしまいますし。ついでにいうと、スピリチュアルなことを話し出すと止まりません。だから結局、大好きなんでしょうね。
10年以上前ですが、オーラソーマについて学んだことがあります。申請していないのでプロ活動はできませんが、全過程学んでいるので多少の知識はあります。
最初は思った以上にスピリチュアルで驚きました。そのときは、前世とかタロットとか、苦手というか「全く考えたことがなかった」んですよね。だからそんな話をまじめにされて、度肝を抜かれたというのが本音でした。もっと心理学的なものだと思っていたのです。プロ申請しなかったのも、あまりにもその世界が深くて未知すぎて、そこで活動していくことにひるんでしまったからでした。
でも、私はネクラで深く自分の内側について考えたがるので、わりとスピリチュアルな世界とは相性が良いのです。脳科学などについて考えているうち、スピリチュアルな地点に到達してしまうことも多くあります。あれから10年。うまい具合に自分の中でスピリチュアルが熟成され、ライフスタイルにも自然となじんでいるのを感じます。
■脳のオートパイロットで、望む未来に行ける
今は「引き寄せの法則」という言葉をよく聞きます。強く望めば夢は叶うという、なかば魔法のような世界。
でも、私もこれは実はあるんじゃないかなと思っているんです。
20歳前後だったとき読んだこの本は、今でも私のバイブル。私の根底のもう一つの軸がここにあります。
といっても2005年の本なので、ジェンダー観などだいぶ時代錯誤だなと感じる部分も今ではあります。「女の子は愛されてナンボ」みたいな雰囲気は、今だとちょっと違うような気がしますね。そういうジェンダー観に耐えられないという方でなければ、一度読んでみると面白いと思います。もしかしたらすごく前向きになれるかもしれません。ちなみに、おおたうにちゃんの挿絵がとてもカワイイですよ。
こちらの著者、佐藤富雄先生の言葉は、当時学生だった私にガツーンとクリーンヒットしました。それが「脳のオートパイロット」。
大型旅客機は、人間であるパイロットではなく、ほぼすべて自動のオートパイロットで目的地までたどり着きますよね。人間の脳にも、同じような機能が備わっているというのです。
私たちには、古い脳である「大脳辺縁系」と、新しい脳である「大脳新皮質」があります。新しい脳は意思を決定したり物事を考えたりしますが、古い脳は自律神経系など、いわゆる「無意識」の部分を司どっています。
私たちは、この「新しい脳」で処理した内容を「古い脳」が受け止め、そこから体全体に指令を出すことでコントロールされているのだそう。でも、この「古い脳」は、「本当」と「想像」の区別がつけられないというのです。
有名なところだと、レモンのことをイメージするだけで、口の中が酸っぱいような気がして、唾液が多く出ることがありますよね。このように、「レモン」について考えるだけで、無意識に体は反応するわけです。プラセボ効果のように、そんな成分など実際ないのに、体調が回復してしまったということもあるでしょう。思い込みの力とはすごいものです。脳をだますことは、意外と簡単にできてしまうことが分かります。
古い脳と新しい脳は、イメージによってつながっているそうです。イメージを強固にすればするほど、それが古い脳に伝わり、無意識ではその世界が現実になっていくのです。すると、「脳のオートパイロット」機能がオンになり、無意識のうちにそれを実現するために体が動いていくようになります。今まで通り過ごしていたチャンスに気づけるようになったり、発信することで誰かから有益な情報をもらえるようになったりと、まるで自分で引き寄せたように、思いが実現していくのです。
そういえば、私も強く思ったこと、根拠はないけど「絶対こうする」と言葉に出して言ったことは、現実になっていることが多いんです。これは「引き寄せ」が流行りだすずっと前から感じていました。しかも、それは2~3ヶ月で達成しているわけではありません。20年越しとかで叶ったりしているのです。身の丈にあわない大きすぎる夢の場合は、若干コンパクトになったりしていますが。
だから、これはいわゆる「言霊」なのだと思って、「本当になってほしいことだけを口にしよう」「悪い言葉は使わないようにしよう」ということをマイルールにしています。
どうせ引き寄せるなら、良い未来がいいに決まってますからね!
■口ぐせが表情を変える、行動を変える
この本のとても興味深かったところが、「口ぐせ」で世界が変わるというところ。
「大丈夫」
というだけで、なんだか大丈夫な気がしてくる。そんな気がするだけで、体は大丈夫な状態になるように働きかけてくれる。古い脳は言葉を受け止めて、それを実現するように動いてくれるというのです。
しかし、脳は主語を判別せず言葉を受け取るため、悪口を言っていると、脳は自分が言われたと思い込むそう。そして、それを実現するようにどんどん不幸せな顔になっていく……
顔は表情筋という筋肉でできているので、不幸せな顔ばかりしているとその筋肉ばかり強化され、笑顔ができなくなっていくというのです。逆に、いつも笑っている人は笑顔の表情筋が鍛えられ、通常時でもなんだか「雰囲気のいい」表情美人に見えるというのです。
でも、たしかにこれは一理ありますよね。私も最近笑うことをしていなかったので、鏡の前で笑顔を作ってみたら、左右の頬の上がり具合が全く違ってびっくりしました。確かにここしばらくはちょっとメンタルも落ちて、いい言葉を使っていなかったんです。
逆に、いつもポジティブな言葉を口にする人は、身も心もポジティブにシフトしていき、自然と笑顔をつくることができるというわけです。だからこそ、口ぐせのように何度も言葉にすることが大切になるのですね(ここに、スピリチュアルにハマる人たちの「妙にポジティブ感」があるのではないでしょうか)。
■こころもおうちもすっきりと
この本では、心をすっきりさせることを部屋の掃除にたとえています。
自分自身を家だと想像し、「この家に、いろいろな人を招き入れたいですか?」と問います。自分を好きな人なら、どんどんお客様を招き入れるかもしれませんが、「どうせ私なんて」「結局私はダメ」などのコンプレックスを抱える人は、部屋の中を見せるのに躊躇するのではないでしょうか。そのコンプレックスは、いわゆる「心のガラクタ」。では、そのガラクタを処分すれば、風通しも良くなり、新しい家具をそろえて気分のいい家をつくることができます。その「心のガラクタ」を処分して心をセルフリフォームするための簡単な方法が、「まず口ぐせを変える」ことなのです。
私、この考え方がとても好きです。そして、これは実際のおうちでも同じだなと思います。おうちの中をすっきりさせることで、なんだか心も軽くなったような気がすることはないでしょうか。
私もコンプレックスが多い方ですが、根底には「自己肯定感の低さ」があることに最近気づきました。でも、お片付けだと「引き出し1つをきれいにしてみる」といった小さな目標から始めて、わりと簡単に達成感を得ることができるのです。小さいところからはじめて、じゃあ次は押し入れいってみよう!と少し大きな目標に進む気になることも。
これってもしかしたら、筋トレにハマる人たちと同じような脳の働きがあるかもしれないんじゃない??と思っています。多分エンドルフィンとかドーパミンとか出てるんですよ、これは私の勝手な想像ですけど。断捨離にハマる人たちがこれほどまでに多いのは、そういうことも関係していると私は思っています。
私、エステティシャンとして働いたり、オーラソーマを学んだり、心のどこかで「誰かを癒したい」という望みがあるのだと思います。
もしかしたら「誰かのお片付けを手伝うことで、心のモヤモヤを晴らすお手伝いができるかもしれない」と気づいたことも、お片付けや掃除の勉強をしようと思ったきっかけのひとつでした。お片付けを通してなら、それができるかもしれない。だからもう少しいろいろ勉強して、そして実践していきたいと思っています。多分、私にはそれができます。
ちなみに私は心の中にモヤモヤを抱えているとき、とりあえず「あんたなら大丈夫だよ、ぜったいできるよ」と根拠のない励ましを自分に送ります。その言葉があれば大丈夫だと信じるだけで、きっと大丈夫なんですよ。
結局、「信じるだけで大丈夫」みたいなスピリチュアルな着地になってしまいました。でもいいんですよ、自分が元気になれるのなら。