
私の仕事|お部屋づくりは「ダイエット」に似ているし、「お料理」のようでもある
私は新卒でエステティシャンになりました。
なぜかというと、私自身すごく肌が弱くて、ずっと困っていたから。
成人式の1週間前、肌がものすごく荒れて化粧ができなくなってしまったんです。きれいな着物を着て、同級生たちにも久しぶりに会うのに……泣きそうな心を抱えて、当時通っていた化粧品専門店の小さなサロンに駆け込みました。
私の肌を触った担当の方は、「これは大変…」といつもより効果の高い保湿マスクを使ってくれ、そして私の年齢層よりちょっと上の高級な試供品をたっぷり渡してくれて、「これを一週間使えば、大丈夫だから」と笑顔で送り出してくれたのです。
あのときの、「救われた」という感覚といったら……
いわれたとおりに試供品を使い、1週間後にはなんとか化粧ができるくらいには肌が回復していました。
悩む人たちを助けたい。自分に自信がなく困っている人たちを、心から回復させる手助けがしたい。自分で「もう大丈夫だ」と感じてもらえるようにサポートしたい。
それが私の当時から続く「人生の目標」になりました。
■ダイエットは目的を持つことが大切
エステサロンにいらっしゃるお客様は、だいたい「痩せたい」といった目的を持って来店されます。
でも、ただ「痩せたい」といっても、その人の思い描くゴールは千差万別。
「夏までにくびれをつくって水着をきれいに着こなしたい」
「半年後の結婚式までに全体的に痩せたい、二の腕を細くしたい」
「お腹の脂肪を減らして、ほどよく筋肉をつけたい」
ただただ体重という”数字”を減らしても、たるみが出てしまったり、思ったようなプロポーションにならなかったり……
目的がはっきりしていればいるほど、「くびれをつくるためのアプローチ」「二の腕に特化したマッサージ」「筋肉運動マシン」などをどう組み合わせていくかが分かりやすく、経過を見ながら「もうちょっとマッサージの回数を増やそう」といった軌道修正もしやすくなります。
これは、お部屋を片付るときも同じ。ただものを減らすだけでは、満足するお部屋にならないのです。
だからこそ、私は以前エステサロンでカウンセリングをしていたときのように、「どんな理想があるの?」をさまざまな方法でお聞きしています。
もちろんあまり考えすぎたり、思い悩まれたりして欲しくはないので、楽しくコミュニケーションしながら探る方法をたくさん学びました。
これ、私自身も楽しいのですよね!やっぱり、暮らしのことは楽しまないと!
■私が「レシピ」という言葉を使うワケ
私は自分のお部屋づくりを、「五感が喜ぶお部屋づくりレシピ」と呼んでいます。なぜレシピという言葉を使うのかというと……
私はルームスタイリスト。インテリアコーディネーターさんのように、消防法などに精通していたり、躯体についてアドバイスしたりすることはできません。だからリフォームではなく、あくまでも模様替え。
すでにお部屋という『お皿』があり、家具という『食材』もある。
それをどう使い、どう見せるかで、その人が『おいしい』と感じる一皿になるのか……そのためのレシピをいっしょに考える。
というのが、私の立場だなぁと感じているのです。
私が「これがおいしいんです!間違いないからこれにしなさい」という一皿を仕上げるわけではなく、あくまでのそこに住まう人の「おいしい」を基準につくっていく。そのための知識だと思っています。
ー--
実は、私の夫は料理人。若い頃、次世代の料理界を担う人材を発掘する、あるコンテストに参加。夫は見事、最終審査まで残りました。
最終審査は、人里離れた山のホテル。そこにファイナリストたちを集め、あるテーマが言い渡されました(これだけ聞くと、今からバトルロワイヤルが起きそうな雰囲気ですね笑)。
この地域で手に入る食材を使って、審査員たちを喜ばせるコース料理を全員で作りなさい。
フレンチ・中華・和食、海外で活躍するシェフもいれば、日本で店を構える店主もいます。さまざまな得意分野をもった料理人たちが力を合わせ、その場でコース料理を組み立てなくてはならないのです。
でもみんな、自分が優勝したいんだという思いが強く……なかなかうまくかみ合いませんでした。
その中で、統率力や発言力があり、優勝候補と目されていたあるシェフが言ったことがあります。
「ここにある食材では、イメージする味がつくれないから仕方がない」(若干記憶が曖昧なのですが、こんなニュアンスでした)
結果、優勝したのは彼ではなく、あまり目立っていなかったシェフでした。
優勝した彼は、まわりがバタバタしている中で黙々と食材と向き合い、そのとき持てる技術で一番の味を引き出したことが評価されたのです。つまり、彼が担当した料理が一番おいしかったわけですね。
(夫の結果がどうだったのかは、さておき…)
ー--
でも、仕事をするということはこういうことなのではないでしょうか。
どんな環境に置かれても、自分のもてる力を精いっぱい引き出し、目の前のお客様に対して100%の最善を尽くす。
私なんて実際の活動がまだ1年くらいですから、キャリアと言ったらまだまだです。でもほかの人と比べて「できない」といっても始まらない。私は私の持てる力、今まで肌で学んできたことを100%使うだけです。
なんでエステティシャンやめてしまったのかというと、超大手だったので、営業面が強くてメンタルが疲れてしまったからですね……
ニキビを治したくて、少ないお給料からお金を捻出して通っている方にまめに声をかけて様子をうかがっていたら、先輩に「あの人はもう追加コース取れないから、時間かけなくていい」といわれ……そこから、徐々に体も心ももたなくなってしまいました。当時は先輩の言うことに素直に従うしかなかったんですね(そういう教育受けてから入社しますし)。
エステの仕事は大好きで、一生やりたいと思っていました。でも、今はその環境に身を置くと、まだちょっと……。
でも、私のやりたい「悩む人たちを助けたい」はどんなふうに形を変えても、できることがあるのです。
だから今、お手軽にお片付けやインテリアについて学べる講座を一所懸命つくっています!私は、私が楽しいと思えることで、周りを巻き込んでいきたい。できあがったら、noteでお知らせしますね!
今日は長々と自分語り。ここまで読んで下さった方、本当にありがとうございます。
せっかくなので、よかったら公式LINEも登録してくださいね!まだ準備中のところはありますが、頑張って作ってるので見てほしいです~!
いいなと思ったら応援しよう!
