クリスマスが背中を押してくれるから - Kurasu Small Talk #9
「もう12月か~」
最近、よく耳にするフレーズですね。そして12月といえば、クリスマス。街全体が一気にロマンチックな雰囲気に包まれ、イルミネーションが輝き、赤や緑のセーターを着た人たちが行き交います。そして、すぐに耳にする「今年も終わりか~」というフレーズ。1月になると新年の抱負もあって、フレッシュでエネルギッシュな時期が訪れます。2024年もあっという間に終わり、「ハッピーニューイヤー!」や「明けましておめでとうございます」という言葉が飛び交うことでしょう。
クリスマスキャロルが聞こえてくると、心が少し弾み、まるで誰かと約束をしたかのように、みんながクリスマスの準備を始めます。この時期特有のワクワク感は、大人にとって文化祭のような感覚ですね。
季節を編む手仕事
みなさんは、お気づきでしょうか?
Kyoto Standでは、季節ごとにリースが飾られています。このリースはバリスタのKarinが手作りで一つひとつ編んでいるもので、毎シーズン少しずつデザインが変わります。春には花々が、秋にはシックな紅葉が飾られ、冬にはクリスマスらしい彩りが添えられています。それを見るたびに、「ああ、季節が変わったな」と感じます。もしかすると、Karinさんが季節を操っているのかもしれません。(笑)
日常の中で気づく、ちょっとした季節の変化。「冬だから」とか「クリスマスが近いから」といった、ほんの些細な理由があるだけで、普段しないことをしてみようという気分になります。不思議と、いつものホットコーヒーが少し美味しく感じたり、窓の外に散る落ち葉が目に留まったりします。
クリスマスが近づくにつれて、街中のざわめきが不思議な高揚感を運んできます。イブが目前になると、クリスマスの雰囲気は蜃気楼のようにきらめきます。けれど、ふと当日を迎えた瞬間、期待していた何かとは少し違う静けさに包まれることも。
だからこそ、クリスマスは「当日」だけを待つものではなく、過程そのものを味わうのもまた、クリスマスの一部なのだと思うのです。蜃気楼が見える、その程よい距離感も、また贅沢なのかもしれません。
Kurasuだと、サブスクリプションに含まれる冊子やメールで届くニュースレターの一つひとつが、年末年始の季節感をまとい始めるこの時期。あちこちに感じられる「手仕事」を、ぜひ味わっていただければと思います。
手書きのクリスマスカードはいかがですか?
手仕事を通じて季節を感じながら想いを伝えるのは、楽しいものです。ただ、普段しないことをするのは「ちょっとハードルが高いかも…」と思ってしまうこともありますよね。例えば、今年は誰かに手書きのカードを書いてみてはいかがでしょうか。
手紙なんて難しそうに聞こえますが、実はとても簡単です。
ポストカードに、友人の住所と名前をアルファベットで書く
「AIR MAIL TO ◯◯(国名)」と太めに記す
100円切手を貼ってポストに投函する
これだけで、世界中のどこにでも言葉を贈ることができます。もしクリスマスに届いてほしいなら、今から準備しても早すぎることはありません。年末は郵便が混み合いますからね。
オフィスの隣人には、コーヒーのドリップバッグに「ニコちゃん」を描いて、そっと机に置いてみるのもいいかもしれません。それくらいの「ちょっとした手間」でも、きっと喜ばれるはずです。
誰かの手元に届くまでの時間を想像するだけで、なんだか少し嬉しい気持ちになります。でも、実は一番大切なのは、言葉を書くその時間で、そんな時間を取らせてくれる相手の存在に、こちらが感謝したくなるものです。そんな日々を積み重ねていくうちに、クリスマス当日にちょっとした魔法のような出来事が起きるかもしれませんね。
「クリスマスだから」普段言えないことを伝える
大人になると素直になれないものですが、クリスマスを口実に感謝を伝えるのも良いかもしれません。
アメリカ・サンフランシスコの Wrecking Ball Coffee Roasters では、クリスマスや感謝祭の日にはお店を閉めるそうです。共同創設者のニック・チョー氏は、「祝日は全員に休暇を与えたい」と語っています。スタッフ全員が自由に過ごせる日を大切にする、そんな考え方も素敵ですね。
クリスマス当日、コーヒーショップに行くときは、「メリー・クリスマス」と一言、伝えてみましょう。たったそれだけで、雪が溶けるほど心が暖まります。季節の高揚感を共有し、クリスマスの魔法の連鎖を起こしていきましょう。ラテ片手に過ごすクリスマスも、なかなか悪くないかもしれませんね。
今年は、大切な人にちょっとした手書きの手紙とコーヒーを贈ってみるのはいかがでしょうか。カフェでホットコーヒーを飲みながら、カードを一枚書く。そんな小さな「日常の中の非日常」が、誰かの心を温めるかもしれません。
え、恥ずかしいですか?しかし、忘れないでください。クリスマスは「当日」だけが特別なのではなく、「当日までの準備」も含めて特別なイベントなんです。せっかくのクリスマス、少し背伸びして、いつもとは違うことをしてみてもいいかもしれません。