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暮らしと祭り。祭りはメンタルに効くことが論文から分かった。

秋になると、だんだと日の出の時間も遅く。気分が上がらなくなってくる。そんな人も多いはず。実は私もそう。フランスに留学してた時は秋になると朝の7時とか8時でも真っ暗で初めて季節性の鬱みたいな状態になったこともある。だから秋になると出来るだけ外に出て憂鬱な気分を吹っ飛ばしてる

そんな時、偶然だけど祭りに出会った。身体に響くドンドンという太鼓の音とハッピを着た人たちの掛け声。祭りを見ているだけで自分でもテンションが上がってくるのが分かった…

お祭りはメンタルに効くらしい

お祭りとメンタルに関する論文を読んでいると、次のようなことが書かれていた。

被験者全体では,祭り後に抑うつが有意に軽減していた.

福島明子「高千穂夜神楽にみる祭りによる抑うつと活動の変化ベック抑うつ尺度(BDI)と快 適 活 動スケジュール(PES)を用いて」『民族衛生』2000 年 66 巻 5 号 pp. 202-215

(これは現状鬱に悩んでいる人などを対象にしたわけでないので、祭りで治療ができるというわけではないので注意。)

この論文の面白い点は参加の方法によって効果の差はあるかどうかを検証したことだ。お面をかぶって演じている参加者だけではなく、自宅にお客さんを招待した、準備を手伝っただけの人まで対象としている。

論文によると、準備を手伝っただけでも演者と同じぐらい同じぐらい抑鬱効果があるらしい。

すごく面白い結果だと思う。何も祭りは大舞台の中心で演技したり、重い神輿を担いで大声出すだけじゃない。裏方として参加していてもそれだけで冬の憂鬱な気分に効果があるみたいだ。

踊る阿保に見る阿保、同じアホなら踊るがとくじゃ

祭りって聞くと、なんか大変そうだし、都会に住んでたりすると自分とは全く関係のないことな気がする。でも、日々の暮らしにちょっとしたスパイスとして祭りに少し参加してみるというのも良いのかもしれない。でも、この記事を読んでいる頃には地元のお祭りは終わっているかもしれない。心配ご無用。

昔の日本人は暮らしの中にたくさんのトクベツ感ていうものを持ちこんでいた。最近、暮らしの雑誌とかでよく「ハレ」と「ケ」という言葉が使われているが、これもざっくりというと「祭り」と「日々の日常」だ。「ハレ」っていうのは何も大きな秋祭りとかだけじゃなくて、ほぼ毎月ある年中行事にも使われたりする。だから探せば毎月何かしらの「ハレ」があったりする。

「ハレ」のトクベツ感っていうのは、今の私たちが良くやるご褒美とはちょっと違う。自分のために良い服を買うとか、いいワインを買うとかじゃない。人と何かトクベツな事をするってところがポイント。

これは今の私たちの生活にも取り入れれるはず。

ライブが好きな友達とグッツを揃えて観るライブは現代の祭りとも言えるだろうし、たこ焼きパーティーも大学生のお祭りだ。ハロウィンのコスチュームを子供に作ってあげるだけでも、お祭りに参加したことになる。探せばあまり知られていない祭りや、みんながやってるオリジナルな祭りが見つかるかもしれない。

シンプルライフ(ミニマリスト)と祭りは共存できる

私は基本的にミニマリスト的で、あまりモノを持たない。今はある程度モノがあるしシンプルライフとミニマリストの間ぐらいかもしれない。そんな生活をもう7年以上続けているから、いきなりハロウィンのためにコスプレ買いに行って家に置いておく。それは自分のライフスタイルと違う気がする。

やっぱり「ハレ」のときにはそれなりに象徴的なモノも必要だったりする。例えば、こいのぼり、コスチューム、お重、はっぴなどなど。かといって年に1回しか使わないものを家においておくのはやっぱり嫌だ。

そんな風に思っちゃうと、なかなか祭りに参加できない。それだと日々の暮らしは整うけど、同時にすごく効果のある祭りまで逃してしまうのはモッタイナイ。そこで考えたのは、さっきの論文でもあった、裏方でも効果があるってポイントだ。要するに人の役に立てばいい

別にたこ焼きパーティーをするためにタコ焼き器を買わなくていい。誰かがそんなイベントを開こうとしているなら、粉を買ってきて、お酒でも買っていけばいい。お祭りも担ぐほうじゃなくて、差し入れをしたり、提灯をかける手伝いをしたりすれば別にモノを買う必要もない。友達の仮装を手伝ってあげたりもいいかも。

実は「ハレ」の日はすごく準備が必要。それに参加してしまえば、何か買って家にいっぱいおいておく必要もないし、参加者と同じ空間を共有出来て同じぐらい楽しい。

日々の暮らしを整えることも大切だけど、同じぐらいハレの日を楽しむってことも大切にしていこう。



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