「ていねいな暮らし」を続けるにはズボラ力が大切
土鍋でご飯を炊き始めて早7年が過ぎた。きっかけは海外にいたときに炊飯器が無かったから必死にお鍋でご飯を炊く方法をネットで検索したことだった。白ご飯への熱意がそれを可能にした。案外慣れてみるとそれほど難しいものではなかった。
むしろ、今では炊飯器よりも洗いやすいしいいじゃんってまで思っている。他にも、天然リネンのタオルを買ってみたり、出来るだけ使い捨てじゃないモノを選んで暮らしている。そう、私は「ていねいな暮らし」をもう7年以上続けている。
そう聞くと、皆さんはとても几帳面で真面目な人なんだろうなと思うかもしれない。でも、実際は真逆の人間だ。大雑把で不真面目。出来るだけ楽したいというのが本音だ。じゃあ、なんでめんどくさいとも思える「ていねいな暮らし」を続けていれるのかというと、それは私の「ズボラ力」のおかげだと思う。
完璧なんていらない~ズボラ力のススメ~
例えば、初めて土鍋でご飯を炊くときに水が少なすぎて硬いご飯が出来るとする。普通の人はがっかりする。あー向いてないのかなとか思う。でも、私は速攻水と卵を入れて、大量の雑炊祭りにする。
突然だが、タイとミャンマーの間にワ族という部族がいることを知っているだろうか。彼らは首狩り族として有名だが、今重要なのはそこじゃない。彼らの食生活についてだ。ワ族の食生活は朝と晩の1日2食が基本。その2回とも野菜を混ぜた雑炊を食べるのだ。それを毎日365日食べる。特別なゲストが来たり、なにか村のお祝い事があればその雑炊の中に鶏肉が入る。彼らにとって、ハレの日の料理は鶏肉を入れた雑炊なのだ。
そう、結局私たちがいくら米を炊くのを失敗しようが、ワ族にとっては日常のご飯が出来るだけ。鶏肉でも入れちゃえばハレの日のご飯になったりもする。
お料理に失敗しても、世界のどこかではこれがハレの日のご飯かもなとか思いながら食べちゃえばいい。確かに、完璧に炊いたご飯の方がいいけど、3回に1回ぐらい炊ければいいなと思って日々暮らしている。これが、ズボラ力だ。
過程は丁寧だけど結果には大らかに、それがズボラ力。
楽したいから選ぶ、丁寧な暮らし
私はもう3年程リネンのタオルをお風呂上りに使っている。これも、丁寧な暮らしには欠かせないアイテムだ。初めは憧れから買ってみたものの、今では手放せないアイテムとなった。
私がミニマリスト時代、ユーチューバーさんが紹介していた速乾タオルとかを買ってそれをバスタオルにしていた時期もあった。でも、速乾タオルは早く乾くけど、ポリエステル素材だから繊維の中に臭いを貯め込みやすい性質がある。本当は熱湯消毒したら1発で解決するんだけど、熱にも弱い素材が多いからそれも出来ない。結局数回で使うのをやめてしまった。
そのあと、しばらくは普通のタオルを使っていたけど、すごく嵩張るのが不満だった。その時、運命的にリネンタオルに出会った。リネンタオルは5枚ぐらい重ねて畳んでおいても綿タオルよりも圧倒的にかさが少ないのにびっくりした。
さらに、リネンタオルにはもう一つ嬉しい特性があった。それは、乾くのがすごく早い。普通に洗濯して部屋干ししても早く乾くからイヤな臭いがまったくしない。そして、少し汚れてきたら雑に50度ぐらいのお湯に洗剤と一緒にしばらく漬けておく。これだけで、我が家には3年物のリネンがあるが、それも全く臭いとは無縁だ。
実はリネンの方が雑に扱っても綺麗に維持できるのだった。この速乾性と軽さに惚れて、今でも海外旅行する時には1枚はもっていくほどの相棒になった。
今は企業努力で沢山いい工業商品が出ているけど、それらは機能に比例して雑にお手入れするとすぐダメになったりするものも多い。その点、丁寧な暮らしで使われている道具はある意味原始的なモノが多いから雑に扱っても受け入れてくれる素材自体の強さがある。
楽したいから私は「ていねいな暮らし」を続けているのだ。昔ながらの製法で作られた普通のモノっていうのは中々壊れない。私調べでは世の中そんなに丁寧な人間なんていない。でも、そんな人たちでも何世紀にも渡って使われてきたモノには使用に耐えるだけの知恵や工夫が詰まっている。だから普通の物を使うようにしている。
これがわたしなりの丁寧な暮らし(ズボラ力+)だ。