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女性に多い甲状腺機能異常

こんにちは。健康生活アドバイザーのだんごママです。

男性よりも女性に発症者が多い病気があることは、皆さんもご存じだと思い
ます。子宮筋腫や子宮内膜症などの女性だけの臓器に関する病気は当然です
が、貧血も、女性のライフステージによって原因が変化し、健康維持に深く
かかわっている病気です。貧血がひどくなると、めまい、立ち眩み、動悸、
息切れ、疲労感などが自覚されるようになります。特徴的な症状があるわけ
でなく、少しぐらいなら大丈夫と思われがちな病気です。しかし、全身に影
響を及ぼすため、治療対象になるようであれば治療すべき病気です。貧血は
血液検査で簡単に見つけることができますが、同じように疲れやすく、だる
さが続き、健康診断で行われる血液検査項目では見つけることができず、原
因がわかるまでに時間がかかる女性に多い病気に甲状腺機能異常があります。

甲状腺は首の真ん中にあり、大きさ4~5センチ、重さ15~20グラムの小さな
臓器です。甲状腺ホルモンを分泌し、脈拍や体温、自律神経の働きを調節し
ています。いわゆる新陳代謝をコントロールしている臓器です。甲状腺の機
能が低下する甲状腺機能低下症は、疲れやすく、寒がり、皮膚がカサカサに
なり、体重が増えてきます。反対に、甲状腺の機能が過剰になると甲状腺中
毒症(甲状腺機能亢進症)となります。暑がりで汗かきになり、脈が速くな
ってきます。食欲は旺盛なのに、体重は減少し、イライラすることが多くな
ります。甲状腺ホルモンが多くても少なくても疲れやすく、足がむくんだり、
髪の毛が抜けたりします。また、甲状腺機能低下症ではLDLコレステロール
が優位に高値となるため、高いコレステロール値を下げることだけに目が向
けられ、甲状腺の異常が原因だとは気づかれないことがあります。

潜在性甲状腺機能低下症の頻度は、一般人口で4~10%とされ、女性に多
く、高齢になると20%以上になることがわかっています。また潜在性甲状腺
機能亢進症について、日本の調査では2%程度いると言われています。疫学
調査の結果、潜在性甲状腺機能異常で高脂血症、心房細動、骨密度低下や骨
折の発症率が高くなり心血管疾患での死亡率が優位に高くなったと報告され
ています。

コロナでストレスの多い生活を送る中、甲状腺機能異常で緊急入院に至った
女性がいました。20代半ばで仕事が忙しく、職場でのストレスも多い中で体
調が優れず、開業医を受診したそうです。風邪でしょうと言われ、それなり
の薬を処方され仕事を続けていました。半年ぐらいたってから職場で倒れ、
救急搬送。搬送先で甲状腺機能異常の疑いがあるので精密検査を受けるよう
言われたそうです。しかし、仕事が忙しく、急ぐことはないだろうとそのま
ま放置。体調は相変わらず、仕事のストレスでイライラが続き、帯状疱疹を
発症してしまいました。見かねた家族に言われ受診した際に、医師が首元に
少し膨らんで固くなっている部分があることに気付きました。血液検査とエ
コー検査の結果、甲状腺クリーゼと診断され、HCU(高度治療室)に入院し治
療することになりました。甲状腺クリーゼは、複数の臓器が甲状腺ホルモン
作用の過剰な状態に耐えきれなくなり、それらの機能が低下する、致死率10
%と、死の危険が切迫した病態です。甲状腺中毒症の原因となる未治療ある
いはコントロール不良の甲状腺基礎疾患が存在し、これに何らかの強いスト
レスや感染症などが加わったときに発症します。幸い、彼女の病状は落ち着
き、2週間後に無事退院することができました。

甲状腺機能異常は、甲状腺ホルモンと甲状腺刺激ホルモンを測定して診断が
行われます。ネットで「甲状腺機能異常セルフチェックシート」を検索する
と、様々なサイトがヒットします。疲労感がとれない、イライラが続く、動
悸がする、など思い当たる症状があれば試しにチェックしてみてください。
気になる結果が出たら、かかりつけ医に相談してください。病気の早めの診
断・治療に勝るものはありません。

#甲状腺機能異常 #甲状腺ホルモン #貧血 #疲れ

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