ご来場感謝!立川談修独演【渋谷川酒場寄席〜立冬の会】
旧十月十二日。三日後には二十四節気の【小雪】に入ります。
昨晩は、渋谷のLi-Poにて「Li-PO」「地酒屋ニュー信州」「暮らしのリズム」共催による【渋谷川酒場寄席〜立冬の会】を立川談修師匠の独演で開催いたしました。たくさんのご来場をいただきありがとうございました。
談修師匠は前身の【居酒屋寄席】から数えて11回目の出演。これまでに出演していただいた数多くの落語家の中で最多となりました。とても愛着を感じてこの会に出演いただいています。最近では、演じ手が少なかったりなかなか高座にかかりにくかったりするちょっと地味な噺に取り組む会『談修イン ザ ダーク』を開催するなど、真摯に丁寧に古典落語に向き合っています。今回もそれぞれ異なった趣がある三席をじっくりと聞かせていただきました。
まずは『がまの油』。立て板に水の口上も素晴らしいですが、酔っ払ってから色気を出してもうひと商売しようとする呂律の回らない口上がまた楽しい一席でした。続いても蛙にまつわる『蛙(かわず)茶番』。『素人芝居』とも『舞台番』としても知られるこの噺はちょっと下ネタ。さて高一男子のお客さんはどう感じられたでしょうか?
休憩を挟んでの三席目。漆黒の着物に着替え、会場の照明も落として聞かせてくれたのは怪談噺『妲己のお百』でした。夏目漱石の「坊つちやん」でもアダ名の付いた悪い女の代表例として登場するほど悪い女の噺です。まさに【談修イン ザ ダーク】という陰惨な展開に背筋がゾクゾクッとさせられました。
落語の後は会場を酒場に変身させ、宴の幕開けです。ニュー信州提供の振る舞い酒、創業264年、栃木県真岡市に蔵を構える辻善兵衛商店の「世は満続 吟醸仕込 押切合併」で乾杯。
みちのく青森や岩手から届いた天然きのこなど初冬の味覚たっぷりでみなさんお酒も進んだようです。遅くまでお付き合いいただきましてありがとうございました。
(初冬の肴の一部です。左上から時計回りに:山形の在来種・赤根ほうれんそうおひたし。琵琶湖の小鮎山椒煮。野蕗天然ならたけ煮。天然きのこのおろし和え)
今度の夏、暑〜い夜には談修師匠による怪談噺だけの会を企画したいな、と思いながら帰路につく初冬の深い夜でした。
(渋谷川こんなことになっていました)