スタッフ・ルームの棚に出現した国宝「松林図屏風」
下の画像は、倉リハのリハスタッフ・ルームにある、カップや水筒の置き場になっている棚で、以前から定点観察しています。ある日たまたま、暖系色のない光景に遭遇しました。
それはまるで、水墨画の世界の様です。
・・そして、そこにはなんと、長谷川等伯の国宝「松林図屏風」が見えるではありませんか!!
まず、屏風の左隻です。「黒い水筒の中の一番左の水筒」、その隣の「黒の短い水筒」が左隻の濃く描かれた松の配置に対応しています。
次に、右隻です。
「黒いカップと、後ろの黒い2本の水筒のグループ」、「右端の黒の水筒2本」は右隻の濃く描かれた松に対応しているのではないでしょうか?
それは、集団の意図が溶け合って形成された光景で、まったく個人の作為はありません。400年余りの時空を越えて一瞬繋がり、はかなく消えて往きました。
画像上でつなぎ留めてみました。
画像を前にして、顔面から前胸部にかけて、多重世界からの放射波を感じました。多重世界の影はそこかしこに潜んでいます。
*竹内清乃・編:長谷川等伯 桃山画壇の変革者. 別冊太陽166, 平凡社, 2015, P94〜104