見出し画像

読書紹介 第10冊 『魔性の子』

『魔性の子』 著:小野不由美

以前十二国記シリーズを読み始めようと思い
見事に失敗した。
読み始めたのは10作目の作品であったのだ。

イカン、遺憾。

それによってこのシリーズの
面白さが損なわれるわけではないが、

なんとなくシリーズがあるなら
1作目から読みたいと思うのが
人情である。

というわけで
図書館にて十二国記のシリーズ1作目とされる
本作を借りた。

舞台は現代から。
教育実習のために母校に戻った広瀬は
配属されたクラスで高里、という生徒が気にかかる。

彼を虐めた生徒は祟られる、という噂に
違わず彼の周りでは
不審な事件が立て続けに起こっていく。

そんな中でも高里を守ろうとする
広瀬であったが…。


ストーリーとしては単純だが
不気味さと後味の悪さは絶妙。

ホラーファンタジー?(そんなジャンルがあるのかは分からないが)
としての完成度は非常に高い。

だが一つ問題点。
十二国はいつ出てくるのだろうか。


というわけで調べてみると
どうやら本作は十二国記のスピンオフ的な
作品であるらしい。
その証拠に本作はずっと現代が舞台であり

あの幻想的な中華風の世界観は姿を見せない。

現実にて人間の残酷さや醜さが
多分に描かれている。

見ごたえはあるが
うーん、罠ではないか。

勝手にこっちが引っ掛かっただけなのだが。






いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集