感動はアイデアのカケラ#2
こんにちは
前回は感動した記憶がアイデアの片鱗となって
発想を広げてくれる。
そのようなお話をさせていただきました。
それと同時に今回のお話しをしたいがための
前置きのつもりだったのですが、
ついつい書き込んでしまい2回に分ける形にしました。
ということで今回は前回からの続き、
奈良にある唐招提寺での体験を綴っていきます。
引き続きお付き合いくださると嬉しいです。
それではさっそく
仕事の冬季休暇を利用して訪れた京都と奈良、
行った先の一つが「唐招提寺」
唐招提寺を訪ねたのは中学校の修学旅行以来、
その当時の記憶は、、、ほとんどなく、
そういえば行ったなぁくらい。
なのでもう一度訪ねてみたかったのと、
あの頃から時間が経った今の自分がどんな風に
感じるのかにも興味がありました。
■唐招提寺という名のキャンパス
唐招提寺の伽藍の中に入ると
金堂、講堂、鼓堂などがあります。
創建から1200年以上も前に建てられた寺院群、
建築も当時の中国(唐)の影響を受けた建築様式に
感じつつ、それらを現代の自分が見れることに
ありがたさと嬉しさが湧いてきます。
▼唐招提寺とは
ボクは概要をサラっと見た程度なので、
詳しい概要は唐招提寺のホームページもしくは
ウェキペディアなどをご覧いただけたら幸いです。
では続けます。
参拝を済ませてから敷地内をフラフラと。
中学以来だけにそのほとんどが記憶にないのが
かえって新鮮な気持ちにさせてくれます。
木々に囲まれた中に建築が点在し坂や階段の上り下り、
砂利、石、土と変化する道を歩くのも楽しいものです。
そばに森がある寺院というのが視覚だけでなく
感触からでも感じられます。
唐招提寺という場所の用途から見ていくと
修練の場という名の学び舎であり、今でいうところの
大学のキャンパス的なところだと思います。
■そこに広がる光景
唐招提寺の伽藍内で鑑真和上の御廟が
敷地の奥にありました。
一見ただの道のようで静まり返った土の道は
講堂があった開けた場所と異なり、
切り離された「別の場所」を認識させ、
くたびれた塀がさらに御廟という場所を
際立たせているように思えます。
この「奥の方」というのがポイントで、
御廟へ向かっていく道のりが、前回のお話でも触れた
目的の場所へ行くための心の準備をさせてくれます。
周囲はすでに木々に覆われた森の中のようなところ。
御廟を囲う土壁の塀は長年の経年でボロッとした状態、
しかし、くたびれ枯れた佇まいが返って
わびさび的な渋さを感じます。
そうして現れた御廟の木造の門は
周囲と合わせるかのように時間の流れを
感じさせる深味のある姿。
その門を潜った先に飛び込んできた光景は、
辺りに木々が立ち並び、地面には
苔が一面に広がっている空間。
まるで緑のジュータンかのような。
さらに木々の間から差し込む日の光が
苔のジュータンを光らせ、さらに風が吹くと
揺れる葉がその光を揺らしキラめいた幻想的な空間。
そうした空間が目の前に現れ、そして
門から中央に一本の道がまっすぐ
鑑真和上の御廟まで突き抜けています。
この光景を見た瞬間、
ぅわぁ~と声にもならないような、なんだここは!
という驚きが胸の内をグルグルしていて、
言葉にならないってこのことだなと思うほど。
ここまで衝撃的な感動したのはいつ以来だろうか。
■圧倒的な「美」
奥にたたずむ御廟へ進む道はくたびれた壁(塀)に
囲まれ中が見えないところに現れた門を潜る、
とそこには
静けさの中に、木々の揺れる音、雲の動きによって
日差しが苔に映り込む時と消える時が行ったり来たり、
そこで目にするのは自然が織り成す優美な空間。
御廟空間で見た光景は先日ご紹介した
インスタレーション「紙木の庭」がまさに
このような空間を目指していたという再確認
と同時に今の自分では足元にも及ばないと痛感。
自然が作り出す圧倒的な「美」に白旗です。
とはいえ、この御廟空間を作ったのは人の発想から。
自然の力に敬意を表した空間を維持していくために、
人が手入れ、積み重ねてきた長い時間の先に、
現代で見れることが出来ています。
そう考えるだけでも、
この場所を残してくれてきた方々に感謝したいですし、
身を置いた感動体験はずっと残ります。
いつかこの感動を何かしらの形にして
少しでも「圧倒的な美」に近づきたい
そう思わせてくれる学びの時間でした。
■おわりに
今回もだいぶ長くなってしまい
#3に、とも考えました。
けれど熱量があるうちにドドッと書くことで
このタイミングだからこそ出てくる言葉が
あると思い、綴ってみました。
何かを見て、触れて、学んで、心が動いた感動を
集めて、ものづくりに活かしていく。
これからも自分の変わらない
ルーティーンワークにしていきたいと思います。
唐招提寺の伽藍は自然に囲まれ
落ち着いた雰囲気ですので、細かいところ抜きにして
フラーッと歩くだけでも気持ちが休まります。
ボク的におススメな場所です。
というところで今回の結びとさせていただきます。
ここまで拙い文章をご覧くださり
ありがとうございました。
それではまた次回に😊
▼インスタレーション[紙木(しき)の庭]
木と和紙の椅子のプロモーション一環で
自然の作る美しさからインスピレーションを
受けた展示空間。
▼KURAMOCO SHOP
プロフィールのストアからもご覧いただけます。