土地は無垢なものです
「土地は無垢なものです。人の利用の仕方によってしか、汚されることはありません」ルアルドはそう言った。たしかにそうだ。土地だけではない。知識、さまざまなわざ、強さなど、そのほか多くのものも人の使い方しだいで汚されるが、それ自体は無垢のものなのだ。(修道士カドフェルの考察)
この文章は、エリス・ピーターズ 修道士カドフェルシリーズ17『陶工の畑』大出 健訳 光文社より
12世紀 修道院を舞台に起こる歴史ミステリーです。
ルアルドは元陶工で現在は修道士。彼が以前陶工の仕事をしていた土地で女性の遺体が発見され、疑惑を向けられた時に答えた言葉です。
土地について無垢であると語り、修道士カドフェルは土地だけでなく知識、技、強さ、その他使い方次第だと考察しています。
今の日本での土地の問題も、豪雨での土砂崩れなどは木の伐採や開発が元になっている可能性もあります。また現代の先端技術は軍事技術から派生したものが多いと聞きます。知識や技も使い方次第で毒にも薬にもなることを改めて考えながらこの本を読んでいます。こうして知識をどう使うか、人間次第で未来が変わるのであれば、よいほうに向かって欲しいものです。
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