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休職中に穏やかに過ごすためにはどうすればいいのか

前回は「休職者ってなかなか苦しい状態に置かれているんだよね」という話を書きました。今日はその続きです。

どうやったら休職中の苦しみを和らげることができるのか。どんなことに取り組めば、よりおだやかな気持ちで休めるようになるのか。この辺りについて、経験を元に書いてみたいと思います。

軽く自己紹介すると、30代男性、教員です。メンタルダウンを経験し3年間休職しました。その後復職し、「5年後も再発せず、笑って働いている」を目指しています。よろしくお願いします。

1.コーピングを増やす

何回も紹介していますが、コーピングとは意図的なストレス対処法を指します。

「深呼吸をする」「チョコを食べる」「音楽を聴く」「散歩をする」全部コーピングです。

ひとりで休んでいて、不安感や焦燥感に襲われたら、小さなコーピングを試すことで自分の身を守っていました。

2.日記をつける

認知行動療法において、「観察」と「外在化」はとても大事なものだとされています。

「観察」とは、自分の思考や気分感情の変化、体調や睡眠時間等をモニタリングすること。「外在化」とは、頭の中で考えていることを紙に書き出すことを指します。

僕は紙のノートを使っていました。1日の流れやその日にできたことなどを記録していきました。「午前中二度寝したけど、午後から図書館に行けた」とか「昼から散歩できた」とか。面倒な日は箇条書きでもいいです。

大切なのは、失敗も含めて記録を取ること。記録したことは全部データとなり、次に役立てることができます。「不調な日が5日続いたけど、その後はちょっと持ち直したな~」とか、振り返ることができます。

3.いろんな場所に行く

居場所を増やすってとても大事です。

自分は部屋にいると暗い気持ちになってしまっていたので、場所を変えて気分転換を図ることをよくやっていました。

図書館やカフェ、本屋などで過ごすのがおすすめです。最初はなかなか本を読む集中力もないので、行って、ぼーっとして帰ってくることから始めました。

4.まずは午前中に活動する

休職中に1日活動するってなかなか大変です。大事なのはスモールステップです。体調も悪い中で、いきなり100点満点は取れません。

失敗しながら、少しずつ活動量を増やすようにしていました。

まずは午前中、起きておいて、カフェや図書館にログインする。2時間くらいしたら帰ってきて、家で簡単な昼ごはんを食べる。昼から寝てしまうのは多少はOKとする。僕はこのくらいから始めました。

午前中二度寝してしまって、埋め合わせるように午後図書館に行く日もありました。そんな日も自分を責めず、日記に記録していきました。

5.1日3つ自分を褒める(よかったこと日記)

休職中って無駄に自分を責めてしまうことが多かったです。そんなときは早めに気づいて、気分転換を図るようにしていました。

また、しっかりと自分を褒める習慣を育む必要があります。「散歩に行った」「日記を書いた」「皿を洗った」ほんの小さなことでいいので、1日3つ自分を褒めるようにしていました。

6.趣味を増やす

働ける自分になる前に、まずは趣味を楽しめる自分になったほうがいい。集中力を取り戻すことも復職への努力なんだから、いろんな趣味をやってみました。

読んだことがある漫画を読んでみる、ポケモンを過去作からクリアする、そういったことから始めて、だんだんと本を読む時間を増やしました。

先ほど午前中は図書館に行って、午後は寝てもいいと書きましたが、午後は趣味の開拓に充ててもいいです。とにかく日中の活動を増やす。そしてそれができた自分を褒める、記録する。その繰り返しでした。

7.自分を見つめ直す

生活リズムを整える。趣味や居場所を増やしながら、少しずつ活動量を増やす。それも大事なのですが、休んでいる間に新しい価値観を作り上げるのも大事です。

どうして病気になってしまったのか。仕事の何が嫌だったのか。復帰したときはどんな対策をするのか。この辺りについて、考える時間を確保していました。

趣味に打ち込むことが問題から「逃げる」だとするなら、復職後について考えることは問題に「向き合う」作業です。「向き合う」って結構大変なので、ある程度回復してからのほうがいいです。

この辺りは、また言語化してみたいと思います。

8.家事に取り組んでみる

回復してきたら、簡単な家事に取り組むといいです。僕は皿洗いや部屋の掃除から始めて、少しずつ料理を頑張りました。

集中力を取り戻すという目的もありましたが、料理を作ると家族が喜んでくれるので、貢献感が得られます。自分なんて価値がないと思う日々でしたが、誰かに何か貢献しているという感覚は、とても大切でした。

また、休職中ってやっぱり家族とギスギスしてしまうというか、ケンカとか増えてしまうんですよね。そこでちょっとでも家事をするというのは、家庭円満のためにも大事だと思います。

9.リワークに通う

休職ってひとりで受験勉強に取り組むようなものだと言いましたが、実は塾や予備校に相当するものがあります。それがリワークです。

お金を払う分、居場所や仲間が手に入るので、僕は行ってよかったと思う派です。やっぱりね、ひとりで戦うってなかなか難しいので。よかったら過去記事を読んでみてください。

おわりに

普段の発信のまとめみたいになっちゃいました!

最後にひとつだけ。「結論への飛躍」に気をつけてください。

休職中に何か凹むことがあると、「こんなんじゃ復職なんて無理だ!」という結論に、急にジャンプしてしまうことがありました。

「嫌なことがある→復職なんて無理→不貞腐れてダラダラする」というパターンにハマると、無駄な時間が増えます。そして、ますます自己嫌悪に襲われてしまいます…。

大事なのは、トライ&エラー。小さな行動を積み重ねて、昨日よりマシな1日を積み上げること。そしていい日も悪い日も記録して、次の行動に活かすことです。

実際に復職を成功させるためには、もっと他にやらなきゃいけないことがあります(復職ってホントに大変なんです)。ただ、その前に、まずは穏やかに過ごせるようになる必要がある。

今日の文章が、穏やかな休養のヒントになれば幸いです。

読んでいただき、ありがとうございました。

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