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久遠堂の製作覚書④「伝わってくれ、この想い」

私がボードゲームを作っているのは「ボードゲームを知らない女の子にもっとボードゲームを知ってほしい、遊んでほしい、そしてあわよくば私をチヤホヤしてほしい」から、というのはそろそろ周知されてきたことと思う。

今回は私が気をつけている説明書の書き方について、ちょっと書いておこう。

これはもう散々言われていることだが、ボードゲームを知らない初心者はまず、専門用語が分からない。そして、説明書を読んでくれない人も多い。「なんか難しそうで面倒っぽいから」だ。

私が「スタバでの注文が呪文みたいで難しくて分からない」とスタバを避けていたように、私がゲームで普通に使う単語、例えばデッキ、シャッフル、ディスカード、ドロー、ターン、フェーズ、ラウンド、これらが全て「よく分からない難しそうな呪文」であり、ゲームを避けられてしまう要因なのだ。

初心者女子に遊んでもらいたいなら、彼女たちに伝わるような説明書を作らなくてはいけない。

今から出すのは少々極端な例だが、
「1ゲーム中に3ラウンド行い、1ラウンドはドロー・プレイ・ディスカードの3フェーズで構成される」とか「カードをシャッフルしてデッキにする」
こういうのは初心者には伝わりにくい。

私がスタバ5回目で「ショートモカフラペチーノ・ノンホイップ、ソイミルクで」をやっと覚えたことを考えると、理解してもらうまでには詳しい人が口頭で5回は説明する必要があるだろう。

ではどう書くのが良いの? というと、こうだ。
「このゲームでは、カードを山札から引き、使い、いらないカードを捨てる、を合計3回繰り返し、得点を競います」
「全部のカードを裏向きにして、よく混ぜて、一つの山にまとめてテーブルの中央に置きます。これを山札と呼びます」

こんな慇懃な言い方ではむしろ嫌味じゃないか、バカにしてると思われるんじゃないか? と思うかも知れないが、むしろこれくらい丁寧に説明しないとダメ。これでやっと「モカフラペチーノを一番小さいサイズで、クリームいりません、豆乳に変えてください」が理解できる。

裏面が全部同じ柄無地カードとかならまだしも、裏面も何種類かあったり、効果があったりすると、まずカードの裏表がどちらかすら分からなかったりするから、初心者さんに遊んでほしいなーって思ってる製作者さん各位はちょっと気をつけてあげてほしい。
最近は説明書にイラストの図解でカードの裏表とか載せてる人が増えて、いいぞいいぞーって思ってる。

イラストで手順のフローチャートがあったりするともっと親切なんだけど、説明書のサイズによってはそこまで載せられないことも多いだろうし、その辺は各自できる範囲で。

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