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新しい興味

今まで、スポーツ観戦というものにあまり興味を示してこなかった私。
小さい頃は朝から晩まで公園で遊び続ける、外遊びが大好きだった子どもで、体を動かすことは今も好きです。
スキー、水泳、テニス、ヨット、乗馬…と様々なスポーツと触れ合う機会があったのですが、どちらかというと個人技のスポーツを好んで選んできました。
そのため、野球とかサッカーといったチームスポーツは外から眺めるだけ。スポーツ観戦をする、というのもあまりピンときませんでした。

ドイツに移り、今住んでいる街のフランクフルトには有名なサッカーチームがあります。Eintracht Frankfurtという超有名チームですが、全くその手の話題に疎い私はここに住み始める直前に知りました。(全世界のサッカーファンの皆様、すみません…)
そして、このチームはとても市民に愛されていて、街のあらゆるお店にサポーターグッズが並んでおり、日常的にもそのグッズ類を愛用する人が多くいることに住み始めてから気がつきました。街ですれ違う人が身につけているキャップやニット帽、キーホルダーにEintracht Frankfurtのロゴがついていて、ファン・サポーターの多さに驚かされます。
あまりにも目にする機会が多いので、サッカーをよく知らない私でも興味を持つのはある意味で当然の出来事でした。何気なく、ウェブサイトを検索し、InstagramやYoutubeをフォローしてみて、フランクフルトの市民と同じ気分になってみることに。しばらくして、日本人の選手がいるらしい、しかも有名なんだとか、ということを見かけ、調べていると長谷部誠選手が所属していることを発見しました。(多分とっても有名な話ですが、知らなかったんです。ごめんなさい…2回目…)

実は私は、サッカー選手としての長谷部選手ではなく、本の著者としての長谷部選手のファンでして、彼の著書「心を整える」は大好きな本の一つです。
ドイツに移る時も、スーツケースに入れて最初に持ち出してきた本で、新しい部屋の本棚に並んでいることにとても満足しています。
この本は、小学校高学年から中学くらいまで続いた私の暗黒期の間を支えてくれた一冊で、飾らなくてシンプルな言葉がすんなり荒んでいた私に染み入った本でした。サッカー選手で日本代表の選手、ということではなく、純粋にその本の内容がとても好きで、何度も何度も読み返して、私の本棚には欠かせない一冊。不安定な自分のメンタルや音楽面、不安定に不安定を重ねていた時に、ぐれることなく自分で次の道を見つけることができたのは、この本の言葉が私にスッと入り、指針となったからだと思っています。
それ以来、長谷部選手は私の中で特別な著者の1人でした。
それだから故に、自分がフランクフルトに拠点を移して、この街に愛されるサッカーチームに長谷部選手が所属しているということは二重の衝撃でした。

サッカーのことはよくわからないけれど、願わくばサッカー選手としての長谷部選手を見てみたいなあと思い始めた、最近。私のInstragramのフィードに流れるようになったEintracht Frankfurtの情報はいつも新鮮に映ります。熱狂的なファンの多いチームとのことで、サッカー観戦超初心者の私はスタジアムに行くことができるのかどうか不明ですが、一度サッカーの試合を観戦してみようという新しい目標ができました。
そして、応援用のユニフォームも欲しいなあ…なんて思ったりして。笑
(背番号も入れたいとちゃっかり考え中)

街の生活に馴染む、街の文化を知ることから見えてくるドイツの生活。彼ら、彼女らの生活を自分にも取り込んでみる。その先に巡り巡って自分の過去とつながることがある。そんな発見とやってみたいと新しく興味を持つことができた。すべて何か一つの糸で繋がっているのかもしれないな、これが縁なのかもしれない。そう思います。
また、新しい興味というのは自分の生活に新しい色を与えてくれるものなのだとも改めて思いました。音楽家で芸術を生業にしているということから、たくさんの世界をみて、音や色を取り入れる生活を意識していますが、「常に新しくいること」には少し難しさを伴います。自分では新しいと思っても、何かと連続している中から見つけた新しいと「本当の」新しさというのは、もたらされる意味合いや大きさが根本的に違います。
この私にとっての「サッカー観戦」「Eintracht Frankfurt」というキーワードはこれまでの生活には全く出てこなかったもので、本当に真新しい響き。ついつい、新しいことをしようと思っても、何かから派生したものに惑わされたり、すでに知っていることを「新しいものだ」と思い込んで、自分に新しいと思わせているかもしれない。「新鮮な出来事」というものを考え直したきっかけでした。
サッカー観戦をすることで何か決定的な衝撃が私の音楽に与えられる、とは限りません。でも、自分の生活や日常に新しい色が加わったことで、前よりも目の前にある風景がより鮮やかに映るかもしれない。その鮮やかな景色がその先にある音に織り込まれていけばいいなあ、そんなことを思いながらEintracht Frankfurtに注目してみたいと思います。

さて、私はいつサッカー観戦に行けるのでしょうか。長谷部選手も年齢的に引退が見えてきているから早めにね、とアドバイスをくれた友人たち。サッカー観戦、スポーツ観戦の初心者ですが、自分の新しい目標を叶えるべく頑張りたいと思います。(何を頑張るんだ…私…)

もし何かアドバイスなどあれば、ぜひぜひ教えてください:)

Bis Bald!

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