見出し画像

映画「ソナチネ」エレベーター銃撃戦



疑問点:3人(村川、片桐、上地)の一連の動きについて

銃撃戦が行われたエレベーター。
3人が乗り込んだ瞬間から緊迫している。

これから書くことも全て推測だけれど、
ホテルの11階で村川、片桐、上地の3人がエレベーターに乗り込んだ際、村川と片桐は高橋の気配を察知した。
なぜか。
おそらく高橋の香水の匂いだ。

高橋の香水の残り香

高橋は酒もタバコもやらない(たぶん)、潔癖で普段から香水を使用していた人間かもしれない。
…と仮定すると、村川たちがエレベーターに乗り込んだ瞬間、高橋の香水の残り香を感じた。

(ちなみに、夜の店(クラブ)で村川が電話で話している時、後ろから来て追い抜く高橋を横目で見る場面があるが、この時も村川は匂いや歩き方の音等で高橋が近づいてくることを察知していたかもしれない。)


そこで、村川と片桐の空気が一瞬にして張り詰める。
おそらく、3人の会話で事前に「高橋は香水の匂いがする、派手な色のシャツやネクタイの柄を好む」等と共有されていたのだろう。二人の雰囲気を察して上地も緊張が走っている顔つきだ。

片桐はエレベーターに乗ったときは扉側を向いているが、その後180度回転し村川のほうを向く姿勢に転換している。
高橋が乗り込んできた際にすぐに顔バレしないよう、また村川を隠す意図があるのだと思う。

途中階で開く扉(1回目)

途中階で男性が乗り込んでくる。
村川が乗り込んできた男性を一瞥する。片桐も同様。
このとき、なぜ3人は降りなかったか。
エレベーターに既に乗っている人が敵の可能性もあるからだろうか。
(敵だった場合、降りる際に背中を向けたら死ぬ)

途中階で開く扉(2回目)

途中階でまた扉が開く。
高橋の匂いだ。村川の視界に鮮やかなピンク色も入ってきただろう。
村川は視線を動かさない。片桐が察知する。高橋が来た、と。
すかさず片桐は村川に寄る。自分が盾になるために。
村川と片桐は悟っている。
もう別れのカウントダウンが始まっている。もしかしたら、だから村川の視線はケンが死んだ時と同じようになっているのかもしれない。

高橋の後に続けて入ってきた男の視線に違和感を覚える。
だが、その時点では同乗してきた男は高橋の仲間なのか確信が持てない。

「高橋」と声をかける村川

そこで、村川は敵かどうかを識別するために「高橋」と声をかける。
その際の一瞬の反応で同乗してきた男(ヒットマン)が高橋の一味だと分かる。
が、ヒットマンは間にいる一般人をすかさず撃つ。
続けて、村川の盾になった片桐、上地を撃つ。
村川、崩れ落ちた片桐の空間からヒットマンを撃つ。
上地が覆いかぶさるようにヒットマンの方へ。
上地が時間稼ぎをしてくれた間に、村川がヒットマンに連続攻撃。

村川は高橋を睨みつける。
固まる高橋。


高橋と村川

二人は兄弟分だと思うが、これまでどんな関係性で来たのか。
お互いに良く思っていないことはその前の場面からも読み取れるが(性格も合わなそう)、どんなことがあったのだろう。気になる。

激しい銃撃戦

激しい場面で手に汗を握る展開なのだが、同時に冷静な自分もいて「この人たちが命をかけてまで守りたいものは何なのだろう」と思ってしまった。
村川はケンの仇うちだから分かるのだが、ヒットマンは何故、何のために?そこまでして、、、
と思うのは私だけかもしれないけれど。

一言も喋らないヒットマン

よくよく考えたら、このヒットマンは一言もセリフがない。
しかし、絶大なインパクトがある。
一言も喋らず、表情もほとんど動ず、躊躇なく発砲して命を奪っていくから余計に不気味さと恐怖感を植え付けるのかもしれない。
でも、ヒットマンだって人間だから、ヒットマンを中心に描く物語があったらもしかしたら同情してしまうかもしれない。
例えば、村川に大切な人を殺された過去があるとか?
村川に(間接的にでも)人生をメチャクチャにされたとか?

何にせよ、セリフがない演技って難しいと思う。
エレベーターの中の銃撃戦はそういう意味でも緊張感満載で見応えがあった。



いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集