マガジンのカバー画像

ナポリ人と暮らしてみれば

18
大阪でナポリ料理レストランを営む僕のパートナーのモニちゃんとその父エンツォはナポリが故郷。ナポリに縁もゆかりもない僕がナポリに長期滞在してナポリ人と暮らしてみた率直な感想を淡々と…
運営しているクリエイター

#ジェラート

【はじめに】ナポリ帰省・前日譚

「イタリア人にタイチみたいな髪型の人はいない!」エンツォは僕の髪型を見てそう断言した。僕はハハハと受け流しながら、肩の下まで伸びた髪を頭上で結んで、エンツォが作ってくれた白インゲン豆のパスタをスプーンですくってハフっと頬張った。 エンツォが主語を「イタリア人」にして話すときは脳内で「“ナポリに住む”イタリア人」に変換しなくてはいけない。彼にとっては地元のナポリこそ真のイタリアなのである。 同じく白インゲン豆のパスタを食べた僕のパートナーのモニカ(以下、モニちゃん)はエンツ

ナポリ式サマーバケーション、夜の市街地でのお楽しみは情熱ダンスと禁断のジェラート

ナポリ東端のサマーバケーションのメッカ、アグロポリ滞在2日目。この日はモニちゃんと叔母のマリア、叔父のジジ、僕の4人でアグロポリの市街地を観光しながら食べ歩きをすることになった。市街地に到着してすぐ目についた屋台には大量のレモンとホルモンらしき肉がディスプレイされていて、マリアは見るなり「懐かしい。オムスだ」と言って目を細めた。 なんだろうと思って屋台を覗き込むと、店主はサーベルのような包丁で豚足とセンマイを一口大にカットして、プラスチックの容器に移してから大量の塩をふりか