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note版 哲学ダイアグノーシス 第十六号 アリストテレス
<note版>
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<哲学ダイアグノーシス>
第十六号 アリストテレス
今回は、企業におけるスタッフの人柄の問題、といったことについて、哲学者の考え方にヒントを求めてみます。
まずは質問からはじめさせていただきます。
1 企業は、スタッフの人柄を重視するべきでしょうか?
2 企業にとって、スタッフはどのような人柄の人であってほしいのでしょうか?
3 企業は、スタッフの人柄がより良くなるような配慮や工夫をするべきでしょうか?
ところで、いわゆるおもに社会哲学や政治哲学において、「共同体」について論じられることがあります。哲学の考え方の中には、「共同体論 コミュニタリアン」という考え方もあり、少し前に日本でも有名になったマイケル・サンデル氏はこの考え方に立つ人物です。共同体とは、一般的には、同じ目的や利益を共有する人々の集まり、といったように考えられているようです。そういった意味では、企業もまた共同体であると考えることができるのであり、スタッフと企業との関係は個人と共同体との関係として考えることができます。
そういった次第で今回は、まさに個人と共同体との問題について考えた哲学者、さらにいえば、共同体論の生みの親であるアリストテレス(BC384年~BC322年)の哲学についてお話しましょう。
アリストテレスは「万学の祖」と呼ばれ、その研究分野は非常に多岐に及びました。そのため、一度や二度取り上げただけでは、とてもとても紹介しきれません。アリストテレスについては今後も何度かお話させていただくことにして、今回は、最近このエッセイで話題にさせていただいている「部分と全体」という観点からアリストテレスの哲学についてお話しましょう。それはまた、「部分」としての「スタッフ」と「全体」としての「企業」との関係やあり方を考えるうえでの、大きなヒントになることでしょう。
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