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【 ネタバレ有 】 高橋一生のビジュアル最高すぎて観に行ったら、脚本も最高だった話 【 岸辺露伴ルーヴルへ行く 】

ミナサマ、ハロー

好きな作品の特徴は、現実世界×ファンタジーなkunikoです。

この気持ちわかってくれる方も多い気がしています、現実世界×ファンタジー。いいですよね。

例えば、ハリーポッターがいい例かなと思っていて。
人間界と魔法界があり、人間界の人たちは知らないんだけど、実は魔法界が存在している、みたいな。

そんな癖の私は、2年前に「岸辺露伴は動かない」のドラマを見て、現実世界に潜む、不気味なストーリーや世界観にまんまとハマりました、ありがとうございます(?)

最初見た時の衝撃と言ったら…

俳優陣の演技力の高さ、製作陣のセンスとほどの良さ、とにかく世界観がいい。

現実世界ではあるものの、露伴先生のスタンド能力や、世にも奇妙な物語のような話が抜群にマッチ。ストーリーの流れも自然で、非常に見やすく、不気味。こんなことが現実世界に起こっていたら面白いのに、と思ってしまう作品です。

それと、高橋一生という素材をこれでもかというぐらい上手く表現した作品だった。

これも私の癖なのですが、俳優と演じるキャラクターのマッチ度が高ければ高いほどハマるんですよ。

ライアーゲームの秋山さんは絶対松田翔太がやるべきだったと思っているし、アンナチュラルの中堂さんは絶対に井浦新だったし。

今回も、露伴先生をやるのは絶対に高橋一生だったなと思える作品でした。もちろん高橋一生の演技力の高さもありますが、その魅力を製作陣の尽力もあり、さらに底上げされている感じでしたね。相乗効果ってやつだ。

毎年毎年、短編ドラマで制作されていたのに…
今年はなんと映画化…

いや、見るよね〜

いてもたってもいられず、平日のレイトショーで見に行っちゃったもんね。

そんでもってこちら…

もちろんパンフも買ったよ

揃えちゃうよね〜〜〜

本当はこんなに揃えるつもりなかったんですよ、本当ですよ?
映画鑑賞後に読んだパンフレットのインタビュー記事を読んで、この結果となったんです。

それは、脚本家の小林靖子さんのインタビューページでした。

私、原作を読まずにドラマや映画を見ていたので、元々ある話を全てオンエアしていると思っていたのですよ。

違ったんですわ、これが。

オリジナルストーリーを加え、短編ドラマの縦軸をまとめていたり、映画の内容も整合性が取れるように書き換えている部分が多いと知りました。

そのページを読んだときにものすごく衝撃で。脚本家の小林さんの技術力が光った映画だと感じたんです。

もちろん渡辺監督の絵の力もあるかと思いますが、視聴者に違和感を与えず面白いと思わせるストーリーへと導き、まとめ上げる力に感銘を受けました。

なので、今回は原作も読んでから感想を書きたいと思い色々と買い揃えてしまいました。久しぶりだよ、こんなに資料ちゃんと買ったの笑

それぐらい、俳優陣・製作陣共にやる気や技術の素晴らしさを感じることができた作品だったので、後悔は一ミリもありません!

もはや、この冒頭だけで1000文字ほど書き連ねてしまいましたが、こっから本番です。

01. 映画の率直な感想について
02. 原作について
03. 原作と映画を比較しての感想について

みたいな形でまとめていけたらと思います。
それではレッツゴー!

01. 率直な感想

まず、映画を初めて見た感想を語っていきたいんだけど、、、ちょっと脱線。このビジュアル天才じゃないか…?心を鷲掴みされましたこのポスターに。

ビジュアルブックは、鈴木さゆりさんという方が撮影された写真で構成されていたけど、このビジュアルもなのかな?

ただ、ビジュアルブックにはこの写真出てこなかったから、違うような気もしてしまうんだけど検索してもヒットせず。誰か教えてほしい。この写真は、露伴先生が天才三角形を描いてる最高の写真だわ(?)

ビジュアル良すぎ

さてさて、気を取り直して。
思ったこととして、
・映画のシーンが3本仕立て、体感長く楽しめた
・いつもよりも静寂を魅せている
フランス映画っぽい締めくくり
舞台があまりにも良すぎる
・不気味さを超えてホラー要素も強い
→ 個人的に、くしゃがら・四辻よりもさらに上回ったホラー味があった
・今まの作り方よりもローテンポなので、ドラマに慣れているとちょっと違和感
→ただそのおかげで不気味さやホラー味が強まっていたとも思う
日本画と洋画、どちらも出てくるのでアートに触れることができるといった点でも楽しい。サモトラケのニケ出てきて嬉しかった。
・とにかく映画のビジュアル良すぎる

こんなところを感じました。
ホラー苦手な人はちょっと怖いって思っちゃうかも。ですが、全体的に画の綺麗さに圧倒されます。ドラマシリーズよりも、話の煮え切らなさが強かったです。日本から飛び出し、フランスで撮った作品であることがよくわかる、フランス映画味のある芸術作品でした。

服に関しては、

もうこの作品は、芸術作品です。画がとにかく綺麗。

そんでもってこっからはキャラの話
・奈々瀬可愛いすぎ、ヘルシー×セクシーなキャラクターすぎてビビる
泉くん最強
・若い頃の露伴先生、甘酸っぱい。露伴先生も人間だった。
・大人な露伴先生が見れてよかった、セクシー。
・全体的に服が素敵すぎ
おばあちゃんのメガネは天才

こんな感じでしたね、キャラクターだけで何時間でも語れる感じ。人物デザインがとにかく好きだということ。センスあるよね。
今回目を奪われたキャラクターは奈々瀬。とにかく奈々瀬がセクシーすぎて発狂。私が17歳だったら惚れちゃうよ、ヘルシー×セクシーすぎる…

演じられていた木村文乃さんの演技や風貌も相まって、不気味でミステリアスな女性像を体現されていましたね。

しかもなにがアツいって、あの露伴先生が、ヘブンズドアーをためらった相手なんです。露伴先生人生史上、初めて彼の心を揺さぶった相手だったんじゃないかな。

それもあってか、やっぱり思い入れのある人物だったんでしょうね。哀愁ともまた違うような気がするけど、ちょっと焦ったいような、霞みのかかった記憶に対して想いを馳せる感じが色っぽかったです。

泉くんはいつも通りなんですけど、やっぱり最強でしたね。愛しささえ覚える、友達にあんなタイプいないから面白い。ドラマ版の相棒は泉くんしかいないですね。

ちなみに、みんなが来ていた服。既製服を購入してコーディネートしているのかとも思ったけど、もしや一部製作している…?
柘植伊佐夫さんという人物デザイナーが、キャラクターごとにコーディネートしてくれてるみたいなんだけど、スケッチを描かれているから製作されたのかなとちょっと思ったり。コーディネートするためのデッサンなのかな?

脱線するけど( めちゃくちゃするけど )、柘植さんが他に手がけている作品見ると、もしや私はこの人のセンスが好きか…?となったよ。いつもありがとうございます。

02.

次に、原作について。

引用

以前この作品に触れていたことがあって、以前東京で展示されていた『ルーヴル美術館特別展「LOUVRE No.9~漫画、9番目の芸術~」』という展示会にて存在を知っていました。

米津玄師の古参なんですけど、展示会のビジュアルやテーマソングを米津が手がけていたので足を運んだんですよ。
展示会のテーマも良くて、印象的でした。

諸説はあるらしいですが、フランスにおける芸術の序列として「建築」「彫刻」「絵画」「音楽」「文学(詩)」「演劇」「映画」「メディア芸術」の8つがあるそうです。

その9つ目にBD(バンド・デシネ)=「漫画」と位置付け、ルーヴルでは2005年からルーヴル美術館BDプロジェクトを始動し、ルーヴル美術館を表現する作品の制作を計12名の漫画家(内3名日本人)に依頼、その成果を漫画の国日本で、展覧会という形で公開する画期的な催しだったみたいです。

( 話がそれますが、今回ビジュアルブックにBD担当者のインタビューも載っていてい。このプロジェクト初の映画作品まで上り詰めた作品みたいです、すごいね。)

もう7年前ぐらいになる展示会でしたが、ものすごく印象的だったので覚えています。

原作を読んでみてそういえばこれって…と気づくことができました。
こんな再会の仕方あるんですねぇ。

読んでみた感想として、漫画自体が芸術作品というか、構図を魅せる作品でしたね。

コマ割りももちろんなんですけど、ルーブル美術館に所蔵されている作品と同様のポーズをキャラクターに取らせたりもしてたんですよ。オマージュの仕方が、マニエリスム(先人の手法を学び、その技法を踏襲する芸術様式)みたいともBD担当者は語っていましたね。

ジョジョの原作は知らないですが、よくモデルさんのポージングを参考に描かれているイメージは確かにあったので、言い得て妙だなと感じました。

表紙は劇画っぽい彩度の高い色使いをしていましたが、中の漫画は淡いペールトーンっぽいフルカラーの漫画した。読みやすい色彩で中身を構成したのは荒木先生の工夫の一つだったみたいです。

しかも、いつも白黒で描く漫画をフルカラーで挑み、他のBD作品と足並みを揃えるプロ魂も感じる作品でしたね。

漫画あとがきに、荒木先生へのインタビューもあって
・ルーブル美術館題材であればなんでもOK
トリコロールでカラーを構成
・実際にルーヴル美術館の現地視察をした際に、回ったメンバーや場所を参考にキャラクター構成を行う
・日本の漫画ということを押し出すために、主人公がメインの表紙デザインと話の中に日本要素を取り入れた

などなど語っていて、読んでみて初めてわかることが多かったですね。

シーンごとに使用されているカラーが違っていて、漫画自体も3部構成で描かれていました。しかもトリコロールだったんだこの配色…

これは、本当にインタビュー読まないと気づかなかったなぁ。笑
小林先生も、原作しっかり読まれたり、アニメの脚本担当されている方なので、色々汲み取って制作されたんでしょうなぁ。

原作、もちろん単行本の方も読みました。

引用

2巻の表紙が好き。

原作を読んで感じたのが、改めてドラマの脚本が良すぎるなぁと。短編で描かれた話に繋がりを生み出すことに大大成功した作品になってますよね。

原作の良さや、リアル感潰さずに完成させるには、どのように話に組み替えて、内容をプラスしていくのかを緻密に考えなければならないと思うんですけど、

本当に大成功だよ、に天才的なスキルだと思う。

冒頭にも書いていましたが、絶対に原作からそこまで変えずに制作されたとばかり思っていたんですよね。

脚本家の力って、作品の良し悪しにこんなに左右されるものなのかと結構びっくりした点でもありましたねぇ、脚本家の方尊敬します。

03.

原作やビジュアルブック、パンフレットを通して感じたことを書いていきますね。

・美術のこだわりや、ロケ地のセンスの良さも光っていたんだなと痛感、磯貝先生ありがとう
・日本画の先生の絵がとにかく好き、黒い絵生で見たい
・ルーブル雑学おもろい

・ルーヴルの作品の縦軸もしっかりと通してらして、ざっくりいうと恋愛 / 犯罪の2本だてだった(荒木先生の要望らしい
付け加えたセリフ良すぎ

美術に関しては、今回のパンフレットやビジュアルブックを読んでちゃんと認識したお仕事でした。

美術の方に関係あるか謎なんだけど、露伴先生家って、葉山加地邸っていう日本文化財になったプレーリー建築で撮影されているんですよね。

文化財を残す+利活用するためにホテルへとリノベーションされた建物を使ってるんですよ。1泊20万です、すごいですよね笑

実際のホテル内を見るとかなりシンプルな装飾で、建物にあった家具が際立つインテリアなんですけど、ドラマの露伴先生の家って結構ものが置いてあるじゃないですか。

あの素敵な露伴先生の家、美術さんの力なのかと思うと、作中の雰囲気を左右するものすごく大事なパートじゃん!となんだかテンション上がりました。
本当に好き、露伴先生の部屋、周りのドラマ視聴済みの民たちもみんな言ってました。

今回の映画では、いつもの部屋よりも、もう少しモノが増えていたんですよね。露伴先生がいろんな顔料をかき集めて、自分の作品に落とし込めるか実験している、ちょっとごちゃっとした部屋になっていたんです。

またそのごちゃごちゃ感がいいのよ、魔女の家みたいにごちゃごちゃなんだけど綺麗なの。

あとイカもいた。

あれって、細かく露伴先生の動きを意識して、本物の顔料やイカとか置いてたんかなーと思うと頭上がらない。イカに関しては渡辺監督の鶴の一声っぽい感じもしたけど笑
人の導線やキャラクターの性質わかってないと難しいんだろうなぁ。

あと、日本画家の先生。
宮崎優さん。

名前を見て思ったけど、男性かと思ったら女性の方でした。

この作品で、自分が感銘を受けている部分、大体女性が手掛けてるのすごいな。

うわぁ、感動。技術をものにしてそれを表現できている女性かっこいい。

この方が描いた世界で最も黒い絵。その迫力と禍々しさが本当に好きで。エネルギーを全て持っていかれそうな、儚くもあるんだけど力強い絵なんですよね。観た方伝われ。

制作されている最中も、黒色のみのチャートを作りながら、見えているビジョンに近づけていく作業が苦労した点だったらしい。

その努力があったからこそあの深みなんだろうなぁ。

日本画ってあまり注目してみたことがないんだけど、ストーリーの中で見たっていうのも相まったのか、印象が変わったなぁ。

生成りの背景に淡い色合いで数多くの日本画は描かれているのかなーとも思ったんだけど、黒色の表現でああいった作品を生み出すことのできる技もあることに驚き。そして、日本画の深さを知った。実際に展示されないかなぁ。

その他印象的だったのが、ルーヴル雑学が盛り込まれていたこと。いろんなネタは現地の人から聞いたりして得たみたい。

ルーヴルには日本画がないであったりとか、倉庫からモネの睡蓮がひょっこり出てきたとか。

生のインタビュー、リアリティのあるネタが生きてますし、

「 人が管理できる代物じゃあない 」的なことを露伴先生言ってたんだけど、本当にその禍々しさも映像から伝わってきましたね。

そんでもって最後に一番語りたいこと、今回の脚本の二本軸と、小林さんの付け加えたセリフが良すぎた件です。

まず脚本なんだけど、ルーヴルに行く前の犯罪集団の匂わせ話と、黒い絵の話の二本立てをうまくミックス。両方ともある意味重たい内容だから、ズーンと重苦しくなると思いきや全くそうではなくて。いや、確かに重たいんだけど、嫌な重さではなくて、必要な重さ。物語の重厚感を保ちながら、ストーリーの面白さを持続させるいい仕掛けでしたね。

私絶対にこんな上手く考えれないんだけど、これだと辻褄あうなーっていう塩梅がうまい方なんだなぁって。絵画の裏に本物の絵がある話結構衝撃だったな。

そしてセリフですよ、セリフ。
いろんなセリフを付け加えて、この100分近い作品ができたと思うんだけど、奈々瀬と露伴先生の掛け合いの中で。

「 あの夏も僕にとって必要な過去の一つだ 」

っていうセリフがありまして。
小林さん的には、この映画はズバリ「露伴という人物を見てほしい」という想いが込められているそうな。

今まで触れられていない、露伴先生のパーソナルな部分が盛り込まれた作品でもあり、初恋の淡い思いを懐古する感じというか。ここで精算をしたというか。人生をかけて伏線を回収して、綺麗ではないかもしれないけど心に落とすっていう、このあついセリフ。

さては、最高だな?

そんな初恋がしてみたかったぜ。

04.

今までの映画のことを書いていたりしたんですけど、こんなにも感心しながら書いているの初めてな気がします。

いつもはテンションに任せて、これってどういう意味だったのー!なにー!おもしろーい!と言った形で調べるんですけど、この作品って製作陣や演じられてる方が腹の奥底まで落としてからアウトプットしたんだぞっを前面に押し出している作品になるので、私がとやかくいう作品でもないなと思いました。

ちなみに今まで書いたのはこの記事、テンション高めです。

今回はまずビジュアルが好きだったし、ドラマの話から好きだから見てみたら、脚本家に感服したっていう作品でした。

劇場で見るのももちろん良かったんだけど、雨の降る真夜中、暗い部屋の中でじっとり観たい映画でもある。

これでもしかすると制作終了になるのかなぁ、ドラマシリーズはまたやってほしいけど…他の話もあるし…

小林さんの脚本で、この作品の新しい面を見たいしね。

とりあえず最高だったので、素敵な美術館いきたいなぁであったりとか、ちょっとパリの空気を味わいながらヒヤっとしたい方はぜひ劇場でみてください。本当に、これは映像作品でありながら芸術作品です。

それではまたノシ



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