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Karin
2023年12月1日 16:44
「ただいま、シャムちゃん。すぐに夕飯用意するからね」「ニャー」 かすみ草のにおいがする。ご主人様、約束通り、買ってきてくれたのね。「一人で寂しくなかった?」「ニャー」 大丈夫よ、今日はお外に付いて行くのが億劫だったの。ゆっくり、のんびり過ごしたわ。 「そうそう、寂しかったね。このあと、楽しく過ごそうね」 相変わらず伝わってないわね。いつものことだからいいけど。 ご主人様
2023年11月18日 10:45
皆さん、私の事。覚えていてくれて? シャム猫の、シャムよ。 もう、やっぱり、この名前のネーミングセンスは無いわよね。 まぁ、うちのご主人様の続きのお話、ゆっくり聴いていってくださいな。「おはようございます」「あら、絵里さん。今日出る日だった?お休みじゃなかった」 うちのご主人様は週に5回、電車で3つ先にあるハートフル病院で清掃員をしているの。清掃をやらせたら彼女の右に出る者は
2023年11月11日 17:23
たまに思い出す風景がある。 僕の父親は寡黙で、たまに笑うと眼鏡の奥の目がとても優しかった。母は明るくて柔らかい香りのする人だった。 その日は父の帰りが早く、玄関から声が聞こえると僕は喜んで駆けて行った。「おかえりなさい!」と言うと、父は手元に小さな袋を持っていた。「お母さんのところへついて来て」 そう言われ、父に頭を撫でられながら、台所で料理をしている母のところへ向かう。「これ、綺