お花屋地政学(その4)
続いてアジアについても触れてみたい。
昨今アジアを旅していると、おしゃれなお花屋さんが増えだしていることを感じる。
例えばこちらはベトナム・ホーチミンシティで出会ったお花屋さん。
シンプルで美しく、素敵である。
でも、
”アジア全体におしゃれ花文化が進んでいるか”
というとそうでもない。
そして、アジアを廻っていて気付いた点があった。
(そうか、おしゃれ花文化が進んでいるのは儒教の国だ・・・)
こちらの写真は中国・広東省東莞市のお花屋さん。
こう言っては失礼だが、東莞にすらこんな素敵なお花屋さんがあることに衝撃を受けたものである。
ベトナムしかり、中国しかり、そして韓国だったり、いわゆる儒教思想の国家では、おしゃれ花文化が進んでいるのである。
いや、この表現は正しくない。
正しく表現すると、敬虔な仏教文化の国ではおしゃれ花文化が進んでいないのである。
分かりやすい例が、現代の東南アジアをリードする国、タイ。
敬虔な仏教国として知られるが、バンコク中心部にあるパーク・クローン花市場をはじめ、とにかく、
「花=祈りをささげるもの」
この図式が崩れない。
そして、ミャンマー・ヤンゴンでも裏付けられた。
ミャンマーでも、もちろん、”花=祈り”であるが、更に、生まれた曜日に応じて捧げるお花も変わってくる。
バラのような洋花も含めて、である。
誤解のなきように記載するが、どちらの文化が良い・悪いということを述べているのではない。
宗教によって花に対する接し方に顕著な違いが見えつつある場所、それがアジアなのだ。
そして、これは、実際にビジネスを行うにあたっても頭の片隅には入れておいたほうがよい知識だと僕は思う。
<続く>
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