まちづくりFACTFULNESS
最近、コロナとオリンピックの話題で持ち切りですが、この話題も日本に勇気を与えてくれていますよね❣
ピッチャーとバッターの両立というのは、最近のベースボールでは存在しなかったのですが、大谷選手の常識を超える活躍が、勝手に思い込んでいた「常識」の根底を覆してくれましたね~
「常識」と言えば、世間ではデジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXで働き方の常識を変えようとしていますよね!
この「DX」とは何かと言いますと、経済産業省では次のように定義しています。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること(経済産業省「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX 推進ガイドライン)」より引用)
確かに、昭和から平成初期にかけて、まだまだパソコンが今ほど普及していなかった時代から比べると、情報処理のスピードは格段に速くなっただけでなく、インターネットから流される全世界の情報がとてつもない量が発信されるようになりましたよね。
情報量が多くなった一方で、一つのコトに対して、色んな情報が発信されることから、どの情報を信用していいのかわからなくなっているのも確かです。
まちづくりにおいても通じるところがあり、いろんな人からの情報が発信されています。今回のテーマは、こうした大量の情報に巻き込まれ、真実が見えなくなっていることをテーマにお話させていただきます。
◆まちづくりFACTFULNESS①~直線本能~
コロナ禍の影響でテレワークなどが推奨されたことから、東京から地方へと人が移り住む傾向にあるという報道がされたことがあります。
しかし、コロナ禍の影響で隣接する県に移動しただけで、地方に多くの人が移り住んでいる状況ではないのです。(画像をクリックするとリンク先に移動します)
「これからは地方の時代だ~」という考えは、楽観しすぎるということです。
◆まちづくりFACTFULNESS②~恐怖本能~
まちづくりでは、お金が稼げない、でも必要な取り組みだから、行政からの補助金で賄(まかな)うべきだという考えをお持ちの方がいます。何度もnoteでこういうお話を紹介させていただいていますが、賄うことが正しいのではなく、うまく利用すればいいだけなんですけど、残念ながら、逆に利用されているパターンが多いですね・・・
タイミングが合って、無理のない事業設計をしていれば、補助金を活用したらいいとは思いますが、きちんとした事業設計を行わずに、補助金の対象になるからと、無理して不要なモノまで買ってしまい、後々、負担が運営の盈虚を及ぼすってことがあるのです。
まちづくりはお金儲けにならないから、いいことをしているのだから、自分たちがその負担をすべきではなく、行政から支援を受けるのが当たり前だというのは間違いです。
◆まちづくりFACTFULNESS③~過大視本能~
よくあるのがこのパターンです。一部の地域で成功した人や、都市圏のコンサルに地域に関わってもらうと、必ずその地域は成功するという思い込みです。
その地域のことをよく知ろうとせず、他の地域で取り組んだ事例と全く同じようなことをさせようとする人は、その地域のよさをつぶしてしまう存在なのです。
そもそもその地域でなければできないことや、味わえないことがあって、その魅力を発信して初めてその地域に訪れるきっかけになるわけですから、わざわざ他の地域での取組をあえてする必要はないのです。
◆まちづくりFACTFULNESS④~単純化本能~
これもよくある本能ですが、他地域で成功したから、同じことをしたら成功するだろうという思い込みです。先ほどの「過大視本能」と似ていますが、成功した事例をよく自分たちの地域でも取り組めば効果が期待できるという考えです。
たとえば、1990年代に一斉に導入された商店街の「スタンプカード」です。効果としては顧客の囲い込みという観点では一定の効果はあるものの、そもそもその商店街にその魅力がないのに、「スタンプカード」をしたところで顧客の囲い込みはできないのです。
他の地域でもしていることをその地域ですると、その魅力や利便性などの勝負となることから、優位にあるところが勝つことが安易に想像できます。
その前に、なぜそういう状況になっているかを分析して、他にはない魅力や利便性などを発信することが成功の早道だと思いますが・・・
◆まちづくりFACTFULNESS⑤~犯人捜し本能~
最後に、これもよくある思い込みですが、失敗したのは誰の責任かという思い込みです。何か始めようとするときは、そのノウハウも、もちろん結果もわからず、手探りの状態で始めるわけですから、「一番ベストの方法」を選ぶことは、そもそも無理なんです。それなのに、失敗したことを誰かの責任にしたがったり、誰も責められなかったら、国や行政の制度の責任にしたがるわけです。
失敗したことが悪いのではなく、「なぜ失敗したのか」「どこが原因だったか」を考え、それを克服することが大事であって、また、失敗しそうな方向に導かれそうになったら、臨機応変に軌道修正をするべきなんです。
加えて、国や行政には、民間と違ったルールがありますので、そもそも民間のルールにあてはめること自体に無理があり、それを頼りにしている側が悪いのです。
◆まちづくりFACTFULNESSを実践する
今回のテーマは、金曜日にVRSにお越しになられた人が「泉佐野が今ひどいことになっている」という発言からヒントに書かせていただきました。
いまさらなんですが「FACTFULNESS]とは、「データを基に世界を正しく見る習慣」のことです。冒頭でもお話しましたが、今日のデータ量が多すぎて、必要な情報が埋没してしまい、何を信用して、何を信用しなくてもいいのかがわからなくなってきているのも確かです。
また、正しい情報も見ずに、自分の思い込みで正しく見れていない状況もあります。
加えて、DXのお話もしましたが、いくら情報発信ツールが充実したところで、先ほどもお話しましたが情報量が多すぎて埋没してしまいます。
もし、情報発信をSNSだけで頼られている方がおられたら、よほどのインフルエンサーでもない限り、そこには限界があるという事実も認識してください。
どんなにデジタル技術が進化しても、情報を受け取る側は「ヒト」なんですから・・・
◆告知
7月13日(火)18時から、VRS設立2周年記念講演会「さの町場DIVER」を開催します。まちづくりFACTFULNESSと通じる講演も聞けると思います。詳しくはVRSのHPをご覧ください。
今回のnoteですが、あえて途中で終わらせています。この内容の続きは、以前から告知させていただいています、こちら⇓ のアカウントで7月11日(日)午後から配信を予定していますので、ご確認いただけけますよう、よろしくお願いします。