たくさんのコーヒーを一度に淹れる
店内で同じコーヒーの注文が3杯。
コーヒーを淹れている間にもいくつか注文が入る。
それが終わった後にテイクアウトコーヒーが3杯。
お店あるあるだが、最大瞬間風速を見越した動線を用意しておくのは必須だ。
コーヒー屋としてはコーヒーの注文がたくさん入るのはありがたい。
コーヒーの淹れ甲斐がある。
ただ、もう少しタイミングはどうにかならないのかと思うことはある。
といっても思ったところでどうにもならないので、いかにクオリティを落とさずにコーヒーを落とすかを考えたい。
今回はたくさんのコーヒーを一度に淹れるときのポイントについて。
コーヒーの本には、こう書かれていることが多い。
『一度に淹れるコーヒーは2杯分まで』
3杯の場合は、2杯と1杯で淹れるのがいい、と続く。
はたして自宅で3杯分のコーヒーを淹れることがあるかどうか…。
家族全員がコーヒー好きだとか、急なコーヒー好き3名の来客があるとか、突然衝動に駆られて3杯分のコーヒーを淹れたくなってしまったとかいうシーンにはいいかもしれない。
3杯分以上のコーヒーをドリップするときは、1〜2杯分に使うよりも粗挽きの粉を使うのがいい。
コーヒーを淹れる抽出時間に注目すると当然、1杯分よりも2杯分、2杯分よりも3杯分の方が長い時間を要する。
時間が掛かるほど、コーヒーの雑味成分まで抽出される。
たとえば、水が粘土の層(細挽きの粉)を通るか、砂の層(粗挽きの粉)を通るかを想像すると、砂の層の方が水抜けがいい。
水が抜けるまでに要する時間は、コーヒーの抽出時間と同義だ。
だから、粗挽きの粉を使うのがいい。
厳密に考えると、3杯以上は粗挽きというより、淹れる杯数(つまり、使う粉量)に応じて粉の粒度(メッシュ)を調整していくのが理想的。
もし、普段から一度にたくさんの杯数(3杯分以上)をドリップしているのなら、メッシュを見直すとかなり雑味を抑えられるはず。
日頃から粉で購入する人は、(可能なら)店頭で「粗挽き」にしてもらうのがおすすめ。
【補足】
杯数が増えるとドリップの際のお湯の通し方にも注意が必要になる。
増えた粉全体に均等にお湯を通せないと大味(どこか抜けたような味)になりやすい。
このため、コーヒーの本では『一度に淹れるのは2杯分まで』という記述が多いし、実際にもその方がおいしく淹れやすい。
そうであっても、一度に3杯分以上を淹れなければならないときは、粗挽きで。
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