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基本をおさえて思い切りトライする

失敗を恐れずにチャレンジするのは大事なことだ。

多くの人は失敗を恐れ、できるだけ安全策を取ることが多いし、できれば失敗したくない。

願わくば「チャレンジして大成功(正解)!」なんて最高である。


最近始めたコーヒー教室のなかで、ときどき僕が実験と称して、多分家ではやらないだろうなぁと思うことをしている。(豪快にドリップするとか、繊細すぎるぐらい丁寧にドリップするとか)

解説のためでもあるけど、自分自身のコーヒーに対する理解を深めるため(再確認のような)でもある。


ところで、正解に辿り着くには、2つのアプローチがあるんじゃないかなと思っている。

ひとつは失敗しないように(大事故に遭わないように)、少しずつ正解に向かう方法。

「チャレンジする前に先人の知恵を借りる」というのがこれにあたる。

コーヒーを淹れるときに粉を30秒ぐらい蒸らすとか、「の」の字を書くようにお湯を注ぐとか。

先人の指南書には、たくさんの挑戦の結果、上手くいったことと失敗したことがまとめられているので非常に有用だし、最初はそこからスタートを切るのがいい。

初めてつくる料理はネットを参考にするし、一度経験してしまえば、あとは自分流にアレンジすることも可能だ。


正解に辿り着くためのもうひとつのアプローチは、あえて極端なチャレンジをしてみることだ。

コーヒーを淹れるときに30秒ではなく1分とか2分蒸らしてみるとか、藤岡弘、氏のように一滴一滴、これ以上ないほどにお湯を丁寧に注いでみるとか。(そして念を込めてみるとか)

実際、そういった思い切ったチャレンジが新しい視点をもたらしてくれることは多い。

先人が「こうした方がいいよ」とアドバイスしてくれた理由がわかったり、指南書に書かれていることが100%正解ではないのだなという発見があったりする。

料理に使う塩の量を10倍にするのは流石に(誰もが予想通りの結果になるので)おすすめしないけれど、それを経験することではじめて気づくというか、理解が一段と深まるというか。


ただし、闇雲に極端なチャレンジをするのではない。

それこそ、コーヒー粉を100g使って1時間蒸らして100ccのコーヒーを淹れるとか。

パスタは茹でない方がおいしいのではないか?ぐらい無謀だ。(それを解き明かすのは車輪の再発明だ)


ようするに、先人の知恵を借りて(基本を押さえた上で)少しずつ正解を探りつつも、大胆に挑戦してみる。

失敗しても、先人の知恵からその理由がわかるだろうし(仮にわからずとも上手くいかない方法を知ることになる)、もっといえば先人の知恵への理解が深まる。

もちろん、コーヒーに限らず、さまざまな事象に対する唯一の正解はない(この味が正解!なんてことはない)のだけど、目指す場所へ向かうためには欠かせないアプローチだなと思う。

教える側に回ってみても、まだまだ気づきがあっておもしろいです。


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