お互いのクセをdisる夜。家族の食卓は日々変わってゆく
「あのサー、ぼくサー、学校でサー…」(息子
「サーーーッ!!!」(卓球風:娘
「お母さんがサー、買い物いったらサー」(私
「サーーーッ!!!」(卓球風:娘
「ぼくがサー、喋ってるのにサー!(怒」(息子
「チョレイッ!」(卓球風:夫
「ぼくをばかにしないでよう!(笑」
いつぞやの週末の夕飯の席でのひとこま。
息子の語尾の「サー」が可愛くてサー、つい家族全員で遊んでしまった。
最近、週末の夕飯がものすごく楽しい。そりゃ、今までだって家族が全員揃う食事は楽しかったけれど、二、三年前よりも、明らかに今の方が食卓を囲むことを楽しんでいる。
二、三年前と何が違う?
★★★
先日、建築家の竹鼻さんがこんなツイートを上げていた。
お二人のお子さんが成長し(とはいえ、何歳なのかは存じ上げない)、またさらに小さな赤ちゃんが欲しくなっているという話。
それに答えるハネサエ.さん。彼女は3人のお子さんのお母さん。
八悶着もあるのに、まだまだ産みたそうな気配。
と、すみません。まだ産みたそう、なんて。
勝手にそんなことを言ってはいけませんね。
「八悶着」については、こちらのエッセイを。超おすすめ ↓↓
赤ちゃんは可愛い。2、3歳のイヤイヤ期も、蓄えた知恵や初めての感情を持て余して泣いたり怒ったりする4、5歳も。私の子どもはそこをとっくに駆け抜けて思春期へ向かっているので、そんな時期を懐かしく思う。
★★★
話を食卓に戻そう。
子どもたちが幼い頃、私は彼らの就寝を8時に定めていた。
幼児の育児中、私が「幼い子どもは8時に寝かせるもの!」という何かにとらわれていた気もする。まじめだよ。お母さんはいつだってまじめ。
8時、そこからの逆算で、夕方5時頃から私はソワソワし始める。「食事の支度をし、子どもたちを風呂に入れ、夕飯を食べさせ、後始末をし、寝支度をする」。お尻を8時に合わせると、どうしても5時くらいからソワソワしなきゃなのだ。
あー、私は6時でも余裕だけど?とか言わないで…!言わないでね…!
週末、夫が在宅していれば、午後の早い時間に夕飯の下準備ができたり、夫が風呂に入れてくれたりする場合もあるので、時間が1時間ほど繰り下がるのだが、それでもやはり夕方の喧騒はハンパない。
わあわあ風呂に入れ、着替えさせ、食事の配膳をし、ガチャガチャ食べる。
ガチャガチャ食べる。
前述の
何が違うの? の答え。
このガチャガチャ。
この食卓のガチャガチャが、今は大きく違うのです。
子どもたちが成長した今、週末は外出や私の仕事の関係で、夕飯の支度開始が夜7時を回ることもある。7時からコロッケ…はしないけど餃子なら軽いもんだ。皆で包めば100個も30分たらず。今は8時に寝かせようとは微塵も思わないので、そんなのもへいきのへー。土曜なら10時くらいまでに寝てくれれば良い良い。
そんな風に、生活時間の変化に伴い夕方の喧騒は無くなり、夕飯時のガチャガチャはそれぞれのお喋りに変わってきた。ウイークデーの出来事をのんびり聞いたり、突っ込みを入れたり。夫婦で仕事の話をしていると、息子が「ぼくのわかんない話ばーっかり」と拗ねたり、娘の早口を聞いて、夫が「え?今なんて言った?」と志村けんのおばあちゃんみたいに何度も聞き返したり(後半はわざとだ)。
お喋りが交差して、週末の夕飯にかかる時間は平日の倍以上だ。
お互いの口グセの指摘から始まり、時には「気を付けたほうがいいよ」と目に付く言動を指摘し合うこともある。娘は、ほろ酔いで機嫌のよい父親に、ここぞとばかりに冗談交じりに普段の不満を口する。かしこいやつ。
「だいたいねー、お父さんは怒ると長いんだよ。わかった!って言っても何回も何回も繰り返すじゃん。あとねー、洗面所のか・が・み! 鏡に白髪を貼り付けるのやめて。ほんっとやめて」(娘)
「なんだと!鏡くらい!鏡くらい!(酔)わかったつぅの。そういうなら、キミもねえ。朝いちばんにムスーっとしてるのやめなさいッ。あいさつくらいにこにこしようぜ。お父さんはなあ!それをしなかったことでS子おばさん(夫の姉)と数年に渡る仲たがいを…ッ(酔)」(酔・父)
「あなたの部下にはなりたくないよねー、うん」(ほろ酔・母)
「お母さんは、ぼくの話をきいてない。うんうんって言うのに聞いてない」(息子)
「ふぉ…っ(酔)」(ほろ酔・母)
「あー、お母さんはねきいてないねうん。ウチはあきらめてる。いや、聞いてるっちゃー聞いてるけどね。返事が10秒後くらいだよね。恐竜かとおもうし。息子くんもね、だいじな話は台所でするといいんよ。なんも読んでないから、その時は聞いてる(超早口)」(娘)
「ふぉ…っ」(ほろ酔・母)
「ああ、ミユちゃんは聞いてない。もう慣れたけどね。でもねえそこがいいんだよ。お父さんはB型の人間が大好きだ」(酔・父)
「ウチ、A型よなあ。お父さんといっしょ…」(娘)
「オマエ!なんだその言い方はッ。A型はいいぞう」(酔・父)
「ぼくは!けつえきがたを知らない。いつ調べてくれるのう!」(息子)
以下、エンドレスでカオスなしょーもない話題が続きます。
他愛ない話題や、時に家族内の問題提議。上記はしょーもない話題ではありますが、夫から娘への「朝の挨拶の指摘」は私も常々思っていた事柄。そしてこれを機に娘の朝のムッツリーニがなくなったのですから、ちょっとスゴイ。
もうひとつ。ああ、こういう機会じゃないと話せないなと思ったこともあります。
娘のクラスには「給食の魚を食べない子」がいるらしく、理由はその子が言うに「親が言う環境問題」。娘はそれがどーしてもどーしても気になるので、環境問題ってなんぞや?と、夕飯の席で私たちに聞いてきた。
その子の家庭の事情はわからないので、ヘタなことは言えない。が、「思想」の話はできるということで、夫は宗教やビーガンの話を出して、少しだけ説明した。その上で、環境問題でというのはもしかしたら〇〇〇〇かもしれないねと予想も付け加えた。
「ああ、そういうことね」と、かしこい娘(親バカ)は飲み下す。でも、「思想・信条の自由」の話になると「えっとお母さん、そこまでは面倒かも」と言って急にTWICEの話を始めるのだ。かわいい。
思想の話は、時にジェンダー論だったり政治論だったり。
中学生にもなると、子どもはけっこう色んなことを疑問に持っています。言わないだけで。世の中の理不尽にも、それなりに怒りを持っています。それもいちいち言わないだけで。そんな話題の時に、大人がどう回答するかで心が動いたり動かなかったりするんだから、親ってやはり責任重大。
そんな週末夕飯。
あーでもないこーでもないと、ゆうに1時間はたっている。平日、子どもとロクに話せない夫は土曜の夕飯を楽しみにしているようで、呑みながら喋りながらゆっくり食べられる献立をご所望。
カセットコンロを囲む、鍋、鉄板焼き、水餃子は定番で、今回のnoteのサムネイルのような巻き巻き料理や手巻き寿司も人気。いつぞや、トンカツを定食スタイルで出したら、「今日は普通のゴハンだね」と残念そうだった。
普通って?(笑)
以来、揚げ物も皆で囲むスタイルに。
トンカツのついでに野菜も揚げちゃえ。おすすめは魚肉ソーセージとレンコン。揚げてから爪楊枝を刺すとラクチンです。爪楊枝が刺さっているだけで子どもたちは大喜び。あ、夫も。大阪、行きたいね。
衣も時短で、濃いめの水溶き小麦粉のボウルに材料をドボン、その後にパン粉。楽なうえにカリカリに揚がります。
★★★
赤ちゃんはかわいい。とてもかわいい。けど、成長した子どもとの生活、こんな素晴らしいこともある。寝かせる時間や寝支度なんて気にせず、食事をしながらゆっくり話せるときがきて、それもまた違う楽しさがあるんですという話。
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