バック フロム ザ フューチャー
過去を振り返ってみると、「ああ、あれはちょっと判断ミスったなあ」って後悔することがまぁホント、いくつもある。
そのサイズが最も大きいものに絞ってみるなら、40年前・30年前・10年前の3回。よく映像作品や小説などで描かれることだけど、もしタイムマシンが在ったなら、サクッと時空を飛び越え、その時の自分に「オイ、違うだろ」と襟首を掴み、ブンブンと前後左右に揺さぶりながら声が枯れるまで全力で忠告したい。
じゃあイマの自分はどうなんだろうね。
もし同じようにミライの自分がイマの自分を見たときに、大きいサイズの後悔をさせるようなことになってないのかな、って思ったりね。
ーーー
例えば、アナタは現在35才、とある企業の係長。割り当てられた役割や責任、仕事の内容、同僚や上司・部下との関係に思うことはいくつかあるが大きな不満はない。差し当たりこれからどうしたいとか思い描く夢のようなものは無く、基本的には思考停止。オートマティックモードで日々が過ぎていってる。
ーーー
さあ、5年後の40才のアナタを想像してみて。
「まだ係長のまま。当時部下だったメンバーはいまや別の部の課長。まわりはドンドン変化しているのに自分はサラリーもジョブタイトルもなにも変わっていない。変わったことは年を重ねたことくらいか。」
これがアナタの40才だとしたらどう思う?実際にそうなってしまったら?
「ああ、5年前の35才に戻れるなら〇〇するために△△するのに。」
とボクのように大きめの後悔をしちゃったりするんじゃあないですか?
5年後もイマとまったく同じで何の変化も起きてないミライ、それが誰にとっても望ましくはないとまでは言わないが(変化がないことが正しいとされる世界もあるわけなので)、少なくとも面白くはなさそうだし、嬉しくもなさそう。そうならないように、5年後の自分、つまり5年後の自分にどうなっていて欲しいかのビジョンを描き、それに近づくためには何をやるべきかを企むくらいの余力はどんなに忙しくたってあるでしょう?
ーーー
目標設定のフレームワーク、つまりミライを描くことを助けてくれるツールは、SMARTだとかGROW、HARDやマンダラなど世の中に無数にある。そういった類のものの中に自分にフィットするものがあるならそれを使ってミライを描くのはひとつの方法。でも、そういうフレームワーク自体も自分で作ってしまうほうが、自分のミライを描くにはベターなのかもしれん。
例えばボクは「ミライインタビュー」と名付けた方法でミライを描くようにしてる。インタビューアーは誰でもいい。2年後位の近いミライなら友達や同僚、10年後のミライなら実在するメディアからインタビューを受けることをイメージし、そのやり取りをできるだけ具体的に文字に起こす形でミライを思い描く。
・まず、x年後に「こうなっていたい」という自分の状態、ミライを描く
・その状態にどうやって到達したか、ということを中心にインタビューアーに質問してもらい、それに回答していく建付け
・到達するのにどういう問題や障害があったのか、それをどう乗り越えたのか、誰の協力を得たのか、などできるだけ細かく
このインタビュー記事は、そのミライの時点では「どうやって描いたミライに近づき実現したのかを示すもの」だけど、それを「イマ」見ると、「どうやって描いたミライを実現するのか」のステップを示すチートシート、もとい、ナビになる。
そして(ちょっと変なヤツだと思われてしまうかもですが)このインタビュー記事を時折読み返すことで、「あ、そうだった!」とミライへのステップから逸脱しそうになっていることを気付かせてくれるリマインダーとしても機能する。けっこうオススメ。
ーーー
面倒だとかなんだとかいろんな理由をつけて、ミライを描くことを放棄したり、描いたとしてもそこに近づく努力を怠ることは、ミライの自分が「こんなはずじゃなかった」自分になっていることに対する責任を、ミライの自分になすり付けることになるような気がする。本当はイマの自分のせいなのに。
世界は煩悩菩提、迷うからこそ悩むからこそ道が開ける。
ミライインタビュー書いて、そのミライに向かおうともがいてみて、それでもそのミライを100%実現することはできなくて、ボクのイマはこんなもん。もしミライを描こうともせず、オートマティックモードでずっと過ごしてきてたらどんなイマになっていたのかと考えるだけでゾッとする。
描いたミライに近づくための努力、それは自分のスキルや知識を増やしたり強化することが最も重要なことじゃなさそう、ってことはなんとなく経験から学んでる。最も重要なことは、自分が描くミライを周りの人たちに共感してもらうこと、そのためにはどうすればいいか?このことに優先的に取り組むことだと思ってる。
「〇〇部門に異動して△△に取り組みたい」「〇〇を実行するため新たな部門を設立したい」「アメリカに拠点を移し、△△を学びたい」、こんなカンジでボクが描いてきた少し先のミライ、すべて当時の上司や同僚、友人が実現してくれました。本当に。ボクはただ、自分にできることだけをやっただけ。足りない部分はすべて周りがサポートしてくれた。とてつもなく感謝してます。
ーーー
描いたミライをしっかりと持っているアナタを上司や同僚、友人は必ずサポートしてくれる。だけど、BTTFのマーティのようにタイムマシンを開発できるような上司や同僚、友人を持っている人はそうはいない。
マーティは、デロリアンに乗って過去に行き、オヤジさんが抱えていた30年前の後悔を、(意図的にではなかったにせよ)見事取り去り、そしてイマ、つまり30年前から見たミライを変えた。
こんな風に過去に戻ってイマを修復することはボクらにはできない。
であるなら、ミライの自分の後悔レベルができるだけ低くなるように、イマの自分の思考をミライにトリップさせ、そのミライの自分の状態を想像して、そしてそのミライからイマに戻って、描いたミライに近づくように、そのミライに共感してもらうことに力を尽くすしかないじゃんか。って心の底から思ってます。