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椎名林檎と椎名林檎

このところずーっと、ほんとにここ2か月くらい、椎名林檎しか聴いてないんじゃないかってくらいボクの脳髄面は彼女の音楽にビッタビタに浸されていて(こんなことは30数年前にRed Hot Chilli PeppersがBood Sugar Sex Magikをリリースしたとき以来かも)、ついに「この椎名林檎ってひとは、椎名林檎を演じてるのかそうじゃないのか」とかどうでもいいことまで気になるようにまでなってきました。

いや、どういうことかというと、

・椎名林檎は、椎名林檎が持つべき役割と責任のようなものを客観的に整えて彼女自身に与えていてそれを演じてる?
・そうではなく、椎名林檎は椎名林檎なのであってスーパーナチュラルに彼女の内側から染み出てくる想いや感情、それを表現する方法のひとつとして彼女の音楽があるだけ?

もし本人に会えるような機会があるなら、この疑問を左側からぶつけてみたい(実際会えるならこんな疑問よりも音楽のこと話したいわけだけど)ということで妄想スイッチON。


ボク:あのーユミちん、あ、いやリンゴちゃんはあれですか、「椎名林檎」を演じてるんですか?なんつーかリンゴちゃんが「椎名林檎はこうあるべき」というようなことをイメージして、そうなるためにはなにをどうするべきかみたいなことを考え実行する、とかそういうことですか?つまりいまの椎名林檎はリンゴちゃんが作り上げてきたものなんですか?それとも無意識に自分から染み出てくる言葉に音楽をつけるってことを積み重ねてきた結果が椎名林檎なのであって、リンゴちゃん=椎名林檎なんですかね?

リンゴ:。。。そうおっしゃるアナタはどうなのでしょうか。

ボク:え?

リンゴ:アナタが持っていらっしゃるお仕事においては、アナタが会社から与えられた役割と責任を客観的にお見つめになり、その役割と責任を全うするお姿はこうあるべきだというようなことをお考えになり、そうあるためになにをどうすべきかをお考えになりながら実行されていらっしゃるのでしょうか?それともアナタの内面から染み出てくる想いや感情を表現する手段としてのお仕事なのでしょうか。

ボク:あ、いや。。

リンゴ:ワタクシは前者です。つまり、椎名林檎が現在もこれからもどうあるべきかをイメージし、それに近づくために創作活動やパフォーマンスをしております。つまり自作自演家としての自分が自分に与えた役割と責任を全うしようとしているのです。

ボク:。。はい。

リンゴ:役者さんなんかは顕著な例です。文字通り与えられた役を演じる、そのためにやれることを全てやってらっしゃるわけです。少しでも役に近づくようお話しのされかたを変えることはもちろん、髪型や体形、ケースによっては抜歯されたりもするわけです。すべて与えられた役を全うするため。この場合、監督さんが役者さんに「役目」を与えてらっしゃるわけです。これを例にとって「椎名林檎」を説明するなら、監督としての椎名林檎が役者としての椎名林檎に「役目」を与えているというわけです。感じること・思うことを何の制約も受けずに音楽を作る、それだけでいい、という極めて動物的なアプローチを取れるならそれはそれで幸せだとは思いますが一応ワタクシは動物でなく人間なわけですから。

ボク:まあそりゃ。。そうですよね。じゃーんなことさておきリンゴちゃんの好きなスナックでも行きますか!

リンゴ:・・・ム。


はっ!っと妄想スイッチOFF。

へぇ。。ってことでリンゴちゃんが言うところの監督と役者のくだり、もう少し深掘りしてみよっと。


映画をつくるひとたち
・プロデューサー(総責任者)
・監督(クリエイティブ総責任者)
・脚本家(シナリオ制作)
・俳優(演じる)
・撮影・照明、録音・整音・音効・音楽、ヘアメイク・特殊メイク・衣装(世界観を作る)
・美術、小道具(舞台を作る)

映画をみせるひとたち
・配給会社(作品と上映場所を繋げる)
・宣伝会社(作品の存在を知らせる)
・劇場、映画館(上映する)


映画の世界の登場人物は多分こんなカンジなんだよね。
で、これをボクらビジネスの世界にムリヤリ置き換えると。。


商品・サービスをつくるひとたち
・プロデューサー➔経営者(総責任者)
・事業責任者(ビジネスモデル責任者)
・事業戦略担当(戦略・計画策定)
・実行部隊(運営運用)
・ブランディング(世界観を作る)
・バックオフィス(運営運用基盤作り)

商品・サービスをみせるひとたち
・サプライチェーン(商品・サービスと提供場所を繋げる)
・プロモーション(商品・サービスの存在を知らせる)
・デリバリー(提供する)


のようなカンジ。映画では登場人物や要素がひとりでもひとつでも欠けてしまうと成功には至らない、これは当然ビジネス界隈においても同じでしょう。

つまり、
・経営者がどうなりたいかの将来の明確なイメージを描き、そのイメージに近づくためのビジネスモデルの枠組みを作り、
・事業責任者がビジネスモデルやそれを構成する要素全てをキラキラでヘルシーな状態に磨き上げ、
・そのビジネスモデルの中でどう振舞うかのシナリオとしての事業戦略・計画を事業戦略担当が描き、
・その計画を実行部隊が実行することと並行して、キラキラなビジネスモデルの特徴や優位性をブランディングで高める。
・そしてこれらの活動の舞台をバックオフィスが整える。
・さらに、このビジネスモデルを通して出来上がる商品やサービスをユーザーに届けるためにサプライチェーンがデザインされ、
・その商品やサービスの存在をあらゆるチャネルで宣伝し、提供する。

どれが欠けてもダメ。ってことはですよ、それぞれがそれぞれの役割と責任を全うしないことにはビジネスモデルは「動かない」。
例えば、戦略や計画がなければ、なにをなんのために実行するのかは意味不明。つまりシナリオとしての戦略がないのに、演者としての実行部隊がなにかを演じる(実行する)ことが求められているなら、それはなんのためなのかわからない、どういう準備をすればいいのかもわからない。的外れどころかそもそも的がないわけなのだから。

リンゴちゃんがビジョンを持ち、そこに到達するための戦略としての創作活動があるように(ボクの妄想だけど)、ボクらだってどうなりたいかのビジョンを持ち、そこに到達するための戦略を描き、それを実行する計画を作り、その中でのボクらの役割・責任を実行する、というツナガリがあって然るべき。

そう、もし、もしもアナタの役割・責任が不明瞭だとするなら、上下左右にいる人たちと話をしよう。「あれ?なんだっけ?」がトリガーで構わないから。そして、役割・責任をクリアにしたうえで、そのためにやるべきことをやるようにしたくない?

「役割や責任をはっきり示してくれないんですよねぇ・・」

そうね、その場合アナタの上司やその上の人たちがしっかりとしたシナリオを描いてないか、描いているけどその内容をアナタに説明していないのかもしれない。もちろんそのことは望ましくないわけだけど、だからといって「示してくれない」といつまでもインアクティブになっていても仕方ない。一歩踏み出して「ボクの役割や責任をはっきりさせたいんですよね。だってちゃんと事業や会社に貢献する仕事をしたいから。」というようなコミュニケーションをとってみるのはとても良いことだと思います。

それぞれがこういう動きをすることで、前後左右がガッチリと繋がり、ビジネスが思い通りに動くようになっていく。ああいーじゃないのそーゆーの。

そんな妄想を抱きつつ、副交感神経優位にまたまたリンゴワールドにダイヴ。

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