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消雲堂自分史 阿武隈川

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駄目な人間の私が、どうやって生きてきたのかを再確認するマガジンです。自分のためのものですが、興味のある方はどうぞご覧下さい。
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#妻

暗雲を祓ってみせろよ消雲堂

暗雲を祓ってみせろよ消雲堂

本日、かみさんが松戸の病院に入院しました。乳がん手術は明日の午前です。入院期間は1週間の予定です。

この病院はコロナ以降感染症に対してしっかりとした対策を考えていて、患者以外を入院病棟に入れることはしません。今日も入院する病室まで入ることはできませんでした。あ、しかし、見舞いだけは入院期間の1週間のうちに、手術後に僅か1度だけしかも30分の面会時間に設定されています。術後の患者に会うことができる

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シルバー人材日記「転倒と病」

シルバー人材日記「転倒と病」

「施設施錠転倒事件」

昨夜は学校施設施錠管理の仕事でした。

市内の活動施設が工事をすることになり、そこで活動していた市民活動グループさんが、かみさんが解錠施錠管理をしている中学校の施設を利用することになりました。そのために午後7時から9時までの利用が増えました。以前も経験したように夜の施錠は少し危険なので、必ず僕が同行しています。

昨夜も同行して、午後9時に市民活動の方々が退出してから、施設

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災害列島「震災の日」

災害列島「震災の日」

明日のカルチャースクールでは、「東日本大震災時の受講生さんたちの行動を文章にする」という課題の発表をしていただくのです。で、僕も書かなきゃならなくなったんですね。意識的に「ゆるく」書いており、この文章のどこが悪いのかも意見交換していただくのです。誤字脱字などは「文章校正」の実習になるので、そのままにしております。

 2011年3月11日のことでした。

 その日、僕は神奈川県大和市の実家まで出か

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湯河原温泉紀行2

湯河原温泉紀行2

僕とナマコを乗せたバスは15分ほどで現地に到着した。「源泉境バス停」は小さな橋を渡ってすぐだった。バスから降りて橋の上から渓流を見ると、川面にくっつくように垂れ下がったモミジや楓の葉は見事に紅葉していて、真っ赤な炎が川になだれ込んでいるような怪しさに満ちていた。橋の欄干を見ると「ニジマス禁漁」と赤い字で書かれた看板がかかっている。来年はここにフライを振りに(虹鱒を釣りに)来るか? なんて現実味のな

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湯河原温泉紀行(2009) 1

湯河原温泉紀行(2009) 1

乳がんで左乳房を失ったナマコを温泉に連れて行きたいと思った。

手術前にはふたりで温泉旅行をすることも多かったのだが、4年前に手術をした後、ナマコを温泉旅行に誘っても「温泉に行ってもお風呂に入れないから嫌だ」と言って寂しい顔をすることが多くなった。いつかは家族風呂があるとか貸切風呂がある温泉宿に連れて行こうと考えていたのだが、なかなかその機会に恵まれなかった。

最近になって僕は18年勤めた会社を

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死に逝く者「手紙」

死に逝く者「手紙」

以前勤めていた会社の元上司Mから送られた手紙を水道橋の神田川に捨てたことを思い出した。妻が乳がんの摘出手術をする前のことだった。手紙の主であるMは、僕が所属する業界新聞の副編集長だったが、大阪生まれなのに要領の悪い人で、定年過ぎまで長く会社に勤めた後に肺がんを患い、埼玉県にあるがん病院に長く入院した後、あっけなく死んでしまった。

そのMが肺がんで入院したと聞いたが僕は見舞いに行かなかった。当時、

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