世界一優しいプロポーズの言葉
鈴木ダイスケさんがツイッタXでしていた「一日いちKAN」を真似して、これからnoteに「時々いちKAN」として、KANさんの曲や思い出を私なりにいろいろ語っていきたいなぁと思い、今回から始めてみます。
私がKANさん沼に落ちたきっかけはこちらのnoteを読んでいただくとして、「きっかけの曲」を考えたときに、それは漫画の中で初めて出会った「言えずのI LOVE YOU」なのか、友達がカラオケで歌った「プロポーズ」なのか、はっきりと沼に沈むことになったアルバム一曲目の「発明王」なのか、と再び考えたところ、友達が歌った「プロポーズ」。やはりここがターニングポイントだったなという結論に達しましたので、「時々いちKAN」1曲目は「プロポーズ」にします!
学生の頃の私は今よりもだいぶひねくれていたので、世間でいう「ヒット曲」というものにはあまり興味がありませんでした。
もちろん、いい曲だな~と思うし、歌ったりもするんですけど、その頃の私は誰もが知っている名曲よりも、ほとんどの人が知らない隠れた名曲というものを発掘して人に広めるということに喜びを感じていました。
友達と一緒に行くカラオケでも「なにその曲~!」と面白がってもらうことに快感を覚えるややこしい子でありました。
なので悲しいことに、あんなに売れた「愛は勝つ」を、その他のヒット曲と同じようにスルーしてしまっていたのです。
そんな中で出会ったのが「プロポーズ」。
音程が取りにくくて歌いにくい、悔しい、と言いながらも綺麗に友達が歌い上げた「プロポーズ」は、その流れるように美しく優しい曲調にビビビときて、しかもそれが、あの「愛は勝つ」のKANの曲であるということにちょっと驚いて。その時の私が持っていたKANさんのイメージは、「愛を力強く歌う人」だったから。
すごく良い曲だね~と「プロポーズ」を気に入った私に、その友達がアルバムを貸してくれたのがKANさん沼の始まりでした。
でもこの「プロポーズ」という曲。
曲調はめちゃめちゃ大好きだったのですが、実は当時、歌詞を読み、男性の優しさを感じながらも「男ならもっと強引にいっちゃいなよ!」と、この奥ゆかしい男性の行動にいまいち寄り添えなかったんです。(若さゆえ~)
とにかく、優しい。全てが優しい。
そしてめっちゃ公園に誘う。
楽しいときはもちろん、彼女に悲しい出来事があって凹んでるときにも、やっぱり公園に行こうって誘う。
緑の芝生も野球場も噴水もある大きな公園。
そんな素敵な公園がある、僕が住んでる街においでって誘う。
そう、プロポーズの言葉が「結婚しよう!」じゃなくて、「おいで」なんですよ。「おいで」って……めちゃめちゃ優しい言葉よね。
もうね、終始優しいの。穏やかなの。
でも若い頃の私には、この彼がどこか物足りなく感じてしまっていた。
馬鹿だった。
この彼の良さがわかったのは大人になってから。
めっちゃ落ち込んで。
一人で抱えきれなくて。
もう何から話していいかわからなくて。
うまく話せなくて。
でもしんどくて、吐き出したくて。
とにかく話を聞いてほしくて。
でもそれって、聞く方にとっては辛いじゃないですか。
けどそこで拒絶されてしまえば、もうこっちは何も言えなくなるじゃないですか。
別に解決策なんてなくても、その苦しい悲しい気持ちに寄り添って聞いてもらえるだけで落ち着くことってあるじゃないですか。
全部きいてくれるんだって。
まとまってなくていいんだって。
ゆっくりでいいんだって。
そんなふうに、彼女の辛い思いを全部ひとまずまるっと受け止めてくれる彼。
悲しい出来事があったとき、手をつないでそっと外へ連れ出してくれる彼。
へたくそなサキソフォン吹いて、彼女の好きな歌を歌ってくれて。
さりげなく元気づけてくれる彼。
これって、最高のパートナーじゃない?
こんな人と出会えた人は、最高に幸せじゃない?
この歌詞の素晴らしさは、年を取ってから気づいた。
なんて優しい人なんだろう。
なんて優しい歌なんだろう。
しんどい人は、ぜひ「プロポーズ」を聴いて癒やされてね。
本当に優しい歌だから。
▼今日の時々いちKAN:「プロポーズ」
▼私が底なしのKANさん沼に引きずり込まれたアルバム
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