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さようなら!と言うと高確率で中国人にびっくりされる件
わたしは中国の広東省で日本語教師をしています。
今まで、いろいろな背景を持つ中国人に日本語を教えてきて気づいたことがあります。
それは、大抵の中国人日本語学習者は「さようなら」という言葉の意味を「永遠の別れ」にだけ使うと思っていることです。
授業が終わり学習者(学生)たちが教室を立ち去るとき、わたしが「さようなら!」と声をかけると、かなりの確立で「先生、どうしてさようならですか。また来週会います」と言われます。
確かに三省堂国語辞典の「さようなら」の欄には次のような注記があります。
人によって「もう会わない感じがする」 「目上に使いにくい」などの理由から、「〔親しく〕じゃあね」 「〔改まって〕失礼します」などを多く使うが、「さようなら」も ていねいであり、ふつうに使える。
でも、どうして中国人日本語学習者は「さようなら」を「永别(永遠の別れ)」と理解しがちなのでしょう。
弊社の中国人スタッフに聞くと、中国人日本語教師が「さようなら」を長い別れ、もしくは永遠の別れと教えていると言います。
では、どうしてそういう誤解が生じたのでしょうか。
三省堂国語辞典の注記にもあるように、日本人でも「さようなら」を使いにくいと思う人がいて、その理由が「もう会わない感じがする」なわけですから、あながち中国人日本語教師の指導も間違いではありません。
とはいえ、言葉のニュアンスを切り取って、学習者に押しつけてしまうことは危険です。
さらに、辞書を調べてみますと「さようなら」から転じて「さよなら」という言葉もあります。
この「さよなら」という言葉にも別れの挨拶の意味がありますが、大辞林・大辞泉・明鏡国語辞典・新選国語辞典・旺文社国語辞典・三省堂国語辞典は「別れる」という意味だと説明しています。
例えば「この世にさよならする」(三省堂国語辞典)「これでサラリーマン生活ともさよならだ」(新明解国語辞典)などの例文はわかりやすいです。
恐らく、こういった例文を読み取り、さよならとは永遠の別れだと教えた可能性もあります。
わたしの子ども時代、つまり1980年代頃、下校時に教師から「さようなら」と声をかけられた気がするのですが、最近の先生は児童にどのように声をかけているのでしょうか。
もしかすると、ただ「また明日!」とか「気をつけて帰るんだよ」と言っているのかもしれませんね。
それはさておき、わたしたち日本語教師が日本語を教えるとき、自分の感性の赴くままに言葉を教えるのは危険だと改めて思いました。
そして、外国人が使う日本語の意味が、日本人が思う日本語の意味とズレている可能性があることも考慮したうえで、コミュニケーションをとらないと
面倒くさいことが起きる可能性もあるかなと思ったりしました。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございます。
また明日!
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