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翻訳の質を上げるひと手間。チェックの仕方。(英語以外)翻訳のコツ⑥

今回は、翻訳成果物の提出、納品前に、ちょっと気を付ければ、品質を上げれる方法(英語チェック以外)について、お話しいたします。


翻訳会社では、翻訳者は、互いの翻訳をダブル、トリプルと担当を変えて、チェックします。自分が、ほかの人の翻訳をチェックする、校正、校閲することも、業務に含まれますし、もちろん、自分の翻訳も、ほかの翻訳者、同僚により、チェックを受けます。外注に出した翻訳も、結局、社内で、同じようにチェックします。これらに加え、翻訳会社にはネイティヴも必ず、在籍しているので、その確認も入り、かなり、厳重に、翻訳の適性を確認します。


今回はそうした翻訳における英語チェックのコツではなく、翻訳物の提出、納品前に、最後の確認として、簡単にでき、少しの気使い、手間で品質を上げるコツをお話しします。(翻訳物の英語的なチェック方法は、また、別の機会にお伝えしていきたいと思います。)また、これにより、英語以外のミスも発見できると思います。


翻訳の品質を簡単に上げるコツ、チェック方法



①フォーマット、全体を見る

皆さんが翻訳を行う際、それを成果物として仕上げるフォーマット(エクセル、ワード、PDF)が指定されるはずです。出来上がったものを、拡大、縮小したり、全体をみます。翻訳しているときは、行目線、列目線、箇所目線だったものが、全体で見ることで、バランスなどを確認できます。レイアウトがアンバランスだったり、日英併記の翻訳の場合、訳出語の位置、サイズが原文と不釣り合いだったり、俯瞰してみることにより、各ぺージごとに数時間費やしていたころの近視的な目線ではない観点から、調整できます。


②全文を通して読む(語感の統一確認、訳ヌケを発見)

翻訳量が多かったり、同時に様々な翻訳を行う場合、手がけている翻訳のはじめの方の翻訳は、数週間前にし始めたものだったりします。数週間たち、翻訳の語調、統一感、言葉の選定の雰囲気が、まったく変わってしまっている場合もあります。通して読むことで、そのちぐはぐ感が体感してわかります。よくあるのは、初期の方の翻訳の方が、語調が固い雰囲気になることです。慣れてきて、使われている専門用語にも、慣れてくるに従い、こなれた翻訳になってくるのです。その不釣り合いを調整します。これは、自分が訳した文章を読めば即、わかります。

初期の頃の専門用語の訳出も、翻訳が進むに従い、全体像と照らし合わせると、ふさわしくなかったということも起こりえます。

また、契約書等は、細かい文字になってくると、訳ヌケしている場合もあります。通して読むことで、これら、語感の不統一、、イージーミスである訳ヌケ(訳し忘れ)等を発見でき、トラブルを未然に回避できます。


③指示、指定通りの翻訳書類になっているか確認

翻訳を行う際、必ず、翻訳会社ごとに、指定のフォーマット、指示があります。訳出する翻訳物のタイプにより、おそらく、社内仕様、指定のレイアウト、フォント、文字サイズがきめられているはずです。日英か、英日かでも、それぞれ、ルールみたいなものがあります。原文をつぶして、訳文をかぶせるか、日英併記か、指示通りできているか、再度確認してください。それらが違っていると、翻訳の英語内容以前に、レイアウトミスの指摘を受けることになると思います。僕らが担当した翻訳物は、製品として、納期までに顧客、起業に納品されます。プロの翻訳物として、見栄え、レイアウトがきれいであることは、重要なことです。よくあるのは、スペルミスや、文字サイズが小さかったり、大きすぎたり、指定フォントではなかったりが、起こりがちなイージーミスです。

産業翻訳、雇用されている翻訳者はこうした指示、指定に従い、PCで書類を作れるということも、重要になってきます。連携できること、PCを使い、指定通りに書類を作れること等、事務的な能力も必須となります。英語だけできればいい・・ではなく、英語は当たり前、それらの能力があって当然と、みなされる仕事です。


最後にもう一度、①~③を確認する。

翻訳は、確認に時間をかければかけるほど、改善点が見つかり、良くなります。いち早く翻訳してほしい、とか、納期まで時間がない翻訳でも、提出前、送信前にできるだけ、多くチェックを入れてください。(翻訳物の英語チェック編でも書きますが、最後まで、時間をかけて粘ることが翻訳では、非常に重要です。許せる限り、時間をかける。時間をかけるほどよくなるのが翻訳です)

以上が、英語以前に行う翻訳チェックのコツです。


補完 
初歩的なPCスキル(主office系)は翻訳業務に必須

もし、PCを使用した事務経験がない場合、オフィスの機能を自習するか、商工会議所等のパソコンスクールで、基本を学んでください。(僕は、英文事務以前、肉体労働、PC実務経験なしでしたので、そうしました。)翻訳の仕事と、パソコンの事務処理能力はきっても、切り離せません。

特に、雇用翻訳だけでなく、フリーランスで、翻訳会社に登録する場合、トライアル問題はすべて、パソコンを介しておこなれます、翻訳会社は、対象者の英語力だけでなく、こうしたPC 書類作成能力も、加味し、確認してきます。英語ができても、トライアルの見本通りの書類を再現できない場合、トライアル不合格とされます。初歩的なPCスキルは、翻訳でも、非常に重要だと考えてください。

僕はたまたま、就職活動期間に、パソコンスクールに三か月通い、オフィス、ワード、エクセルの基本機能は習得していました。次いで、英文事務において、それらを使用して、実務を2年経験していました。そのため、翻訳会社の入社した際、フォーマットの指定、書類の再現等は、その日から、なんとなくわかりました。なので、PCスキルは初歩的でいいので、翻訳を目指す場合、必ず、触れておいてください。英文事務経験が、現在の翻訳会社に雇用される際、評価されたのはそういうことです。


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書いてる人
名前:Masa 
職業:通訳(英語)
取得英語検定:実用英語技能検定1級
海外体験:Working Holiday in New Zealand 等、多数


子供の頃から、絵を描くことが大好きです!オリジナルキャラのペン画を制作しています。いい絵を描ける日が来ればいいと思い、日々、制作しています。ニュージーランドにつながるための道としての英語学習、TOEIC900点トライ!も、継続中です。サポートしていただけたら、ありがたいです!!