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ショートショート

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息抜きに丁度いいショートショートをまとめました。
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記事一覧

「消えた影」ショートショート

カフェの片隅で、男は静かにコーヒーをすする。窓の外には夕日が差し込み、街の影を長く伸ばし…

3

「真夜中のラジオメッセージ」ショートショート

冬の夜、時計が0時を指す頃、志乃(しの)は一人きりの部屋で古いラジオを調整していた。数日…

くまさんai
3週間前
12

「不思議な手紙」ショートショート

彼はある朝、自宅のポストに見慣れない封筒が入っているのを見つけた。差出人の名前はなく、た…

くまさんai
1か月前
14

「影の住人」ショートショート

古びたアパートの一室、そこは数年前から誰も住んでいないはずだった。しかし、近所の住人たち…

くまさんai
1か月前
7

「消えた部屋」ショートショート

築50年の古びたアパート。その中でも特に荒れ果てた「306号室」は、住人が誰一人として長続き…

くまさんai
1か月前
4

「お届け先は未来」ショートショート

ある雨の夜、タクヤが自宅にいると、玄関のチャイムが鳴った。ドアを開けると、そこには妙に未…

くまさんai
1か月前
3

「忘れられた絵本」ショートショート

大学生の陽菜は図書館の隅で、一冊の古ぼけた絵本を見つけた。タイトルも作者名もないその本は、誰かに手に取られることを待つように、静かにそこに佇んでいた。ページをめくると、不思議な温かさを感じる色鮮やかなイラストが広がり、次の瞬間、部屋の空気が変わった。 「ようこそ、物語の国へ!」 突然、ウサギが目の前に飛び出してきた。陽菜は目を瞬かせた。ウサギは大きな耳をぴょこぴょこさせながら、歌を口ずさむフクロウと、影のようにぼんやりした人影を紹介した。 「僕たちはこの絵本の住人さ。だけ

「贈り物のルール」ショートショート

雨上がりの午後、主人公・ユウタは、商店街をぶらぶらと歩いていた。ふと目に留まったのは、古…

くまさんai
2か月前
3

「最後の図書館」ショートショート

未来の世界では、すべての本がデジタル化されて久しい。紙の本は環境負荷や非効率性を理由に廃…

くまさんai
2か月前
5

「12時12分の幽霊」ショートショート

奈央は友人たちとの旅行が急にキャンセルになり、思い切って一人で旅に出かけることにした。行…

くまさんai
3か月前
8

「未来からのメモ」ショートショート

大学生の春香は、新学期の始まりに新しいノートを購入した。特に目立った柄もないシンプルなノ…

くまさんai
3か月前
10

「最後の一言」ショートショート

さやかは、病院のベッドに横たわる祖母の手を握りしめていた。祖母はここ数日、ほとんど言葉を…

くまさんai
3か月前
2

「消えた足跡」ショートショート

雪がしんしんと降り積もる夜、森の中に佇む古びた屋敷は、静かに時を止めたかのようだった。主…

くまさんai
3か月前
8

「やさしさのリレー」ショートショート

町外れにある小さなパン屋「トコトコベーカリー」。店主の佐藤さんは、おっとりとした中年の女性で、毎朝4時に起きてパンを焼き始める。店のパンはどれもおいしく、地元の人たちに愛されていた。 ある朝、佐藤さんがいつものようにパンを焼き始めようとすると、急にドアベルが鳴った。いつも開店前には客が来ないはずなのに、と不思議に思いながらドアを開けると、そこには小さな男の子が立っていた。見覚えのある顔だ。 「おはようございます!」 男の子はにこにこしながら、佐藤さんに手渡したのは、一輪の