渡辺清 『砕かれた神 ある復員兵の手記』 岩波現代文庫
『敗北を抱きしめて』の下巻で9ページ半(88-97頁)を費やして本書が紹介されていた。もう新刊では流通しておらず、Amazonで中古本を買って読んだ。著者を含め、本書に登場する人物は実名なのか、本書の記述は実話なのか、わからない。本書で渡辺は8月15日を横須賀港で出撃準備中の駆逐艦早波の艦上で迎えたことになっている。しかし、本物の早波は1944年6月7日にボルネオに近いフィリピンの島であるタウイタウイの近くで米潜水艦の魚雷攻撃を受けて沈没している。本書の内容が内容なだけに、さ