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2024年

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記事一覧

たまに短歌 大晦日

大晦日巡った先に今があり 見てきたような見たことない日 おおみそか めぐったさきに いま…

熊本熊
1か月前
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梶川信行 『行間を埋める旅』 - 去来草の会 編 『論集 上代文学の明日を拓く』 翰林…

ときどき拝読する仁の音さんのnoteに本書のことが紹介されている。これは読まないわけにはいく…

熊本熊
1か月前
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続続 『宗教の起源』

通勤に京王線、都営新宿線、都営三田線を利用している。都営三田線の大手町駅で下車して改札へ…

熊本熊
1か月前
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続 『宗教の起源』

人が何かを信じるとき、そこには何かしら根拠や理由となることがあるはずだ。実は偶然かもしれ…

熊本熊
1か月前
24

ロビン・ダンバー著 小田哲 訳 『宗教の起源』 白楊社

国立科学博物館館長の篠田謙一が書いたものをいくつか読んで、そこで言及されていた「ダンバー…

熊本熊
2か月前
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はせがわゆうじ 『もうじきたべられるぼく』 中央公論新社

我が家にはテレビがない。ネットにつながる環境で暮らしていれば、そこで無数の動画を視聴でき…

熊本熊
2か月前
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梯久美子 『戦争ミュージアム 記憶の回路をつなぐ』 岩波新書

著者は1961年生まれ、私と同世代だ。ノンフィクション作家として戦争に関連したテーマの作品をいくつも書いている。そのあたりの興味の対象というのは、たぶん私世代の共通項である。今はこういうSNSの界隈やマスメディアで「独立国」として「わが国」はどうこう云々という物言いを見かけるが、いつからそんな立派になったのか素朴に不思議に思ってしまうのである。敗戦国なのだから、戦勝国が拵えた秩序の中に否応なく組み込まれて然るべきであり、戦争に負けるとはそういうことだと思うのである。 私世代

田中小実昌 著 日下三蔵 編 『幻の女 ミステリ短編傑作選』 ちくま文庫

練馬区立美術館が建て替えのため休館する。休館前の最後の企画展が「野見山暁治追悼 野っ原と…

熊本熊
2か月前
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フランツ・カフカ著 頭木弘樹 編 『決定版 カフカ短編集』 新潮文庫

それで『短編集』のほうだが、「断片」と違って一応の物語なので、「不条理」加減がドンとくる…

熊本熊
2か月前
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フランツ・カフカ著 頭木弘樹 編訳 『カフカ断片集』 新潮文庫

最近、短篇を読むことが続いているのは、2週間に1度出かける近所のマッサージで、帰りに書店…

熊本熊
2か月前
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蛇足2 『すべての、白いものたちの』

白とか命とかの話を読んだら、それを汚すもののことが思い浮かんだ。わざわざ汚い話を書き記さ…

熊本熊
3か月前
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蛇足1 『すべての、白いものたちの』

blancとblackは同じ語源であるとのことだが、英語(ゲルマン語系)のblackの語源がフランス語…

熊本熊
3か月前
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東直子 『とりつくしま』 ちくま文庫

『広辞苑』を紐解いてみたら、「とりつくしま」という見出し語はない。「とりつく【取り付く】…

熊本熊
3か月前
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山川方夫 著 日下三蔵 編 『長くて短い一年 ショートショート集成2』 ちくま文庫

総じて『ショートショート集成1』よりも個々の話が長めになっている。長くても面白ければいいじゃないか、と思わないこともないが、何事もサイズというのは思いの外大きく作用するものだ。昔、LPレコードのジャケットがそのままCDのジャケットになると「こんなはずじゃ、、、」というのはよくあった。それは同じ画像の話だが、文章でも尺というのは読後感に影響があるのではないか。そんなことを思いながら本書を読了した。 表題作品集の『長くて短い一年』は14篇の短編を内容の季節感で12ヶ月に割り振っ