梯久美子 『戦争ミュージアム 記憶の回路をつなぐ』 岩波新書
著者は1961年生まれ、私と同世代だ。ノンフィクション作家として戦争に関連したテーマの作品をいくつも書いている。そのあたりの興味の対象というのは、たぶん私世代の共通項である。今はこういうSNSの界隈やマスメディアで「独立国」として「わが国」はどうこう云々という物言いを見かけるが、いつからそんな立派になったのか素朴に不思議に思ってしまうのである。敗戦国なのだから、戦勝国が拵えた秩序の中に否応なく組み込まれて然るべきであり、戦争に負けるとはそういうことだと思うのである。
私世代