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ムダなことが必要だと、改めて思った。

登山のジャンルでも
マニアックな部類なら入る沢登り
別名、シャワークライミング。

実質、夏から秋にかけてがシーズンの
沢登りはもはや、生産性は皆無。

水に濡れるわ
泥や苔で全身汚れるわ
挙句の果てにウェア破けるし
転ぶなんて日常茶飯事。

クライミング要素満載なうえ
危険も満載
もちろんリスク管理していくわけですが
ほんと、超自己満足。

滝登ったところで何かあるわけでもない。でも登る。

沢登りは登山の総合格闘技みたいな
全技術を総動員するジャンルでも
あるわけだが、そのくらいリスクまみれ
 


滝に登る箇所がない時のドキドキ感なんて半端ない。

途中、なんでこんなことしてるんだろうって思うけど
そんなことをすぐ忘れて生きるのに必死になれる。

好きで来てるのに半端なく疲れる。
でも半端なく、アドレナリン出てる(たぶん)。


ただ、進むだけ。

沢登りってめっちゃ気持ちいいけど
登ったあとが大変。

沢登りのゴールは山頂や、滝の登攀よりも
何よりも“生還“

登山道から外れた、外道なので
獣ゆく道を歩いて元に戻る。

半分漂流に近い状態を何の目印もなく、
藪をかき分けて進む。

たまーにヤバいのが通ったあととかもある。

え?道ですか?歩けば道です。

そんなこんなで外道からのリカバリーが
ある種、1番大変な時もある。

もう、普通に山登ればこんなことしなくていいのに
何してんだろうって思えるくらい
ムダなことでもある。

生産性度外視な沢登りは
滝以外、絶景もなければ泥臭く
生臭い水の匂いでべちゃべちゃで
ズタボロに身体も傷つく。

でも、終わったあとの達成感よりも安堵感の勝る
あの感覚は沢登りが1番ある。

久しぶりの沢登りは
いろいろとムダなことだらけだったけど
自分の今の状態を強烈に認識させてくれた。

登山は好きだけど、あの感覚は
数年前、ロープなしで数十メートルの滝に
張り付けにされた以来だった笑

ゴールの湖はきれいだった。

自分の枠の外にあるものを手にするには
リスクもムダも経験してこそわかるのかもしれない。

いつものように山に行くこと以上に
全身全霊で何か身体に染み込んだ
そんな久しぶりの沢登りだった。

俺よ、おかえりなさい。
そしてお楽しみさま。

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