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リメイク版「ウェストサイドストーリー」は好きですか、嫌いですか。
なんで今さらスピルバーグなの!!!
どちらかといえば苦手な監督。「どうだ、これでもか。」と驚かせたり、「でしょ??ここはグッとくるでしょ?!」と涙をあふれさせたり、先回りした作り込み感が(映画って元来そういうもんなんだけど)合わなくて、ジョーズやETや未知との遭遇...初期作品は大流行だったのも関わらず未見。見たのは「シンドラーズリスト」「ジェラシックパーク」(息子を連れて)ぐらいで、もともとスピルバーグ監督とは縁がない。
ミュージカル好きの友人達から「推し」評価多数。それでも、前作のミュージカルは好きだった分、スピルバーグ作だしな..と二の足を踏んでいた。
しかし、映画好き友人のつぶやき ”アンセル・エルゴートも大人になったな” を読み、ベイビー・ドライバーの彼が出演してるなら、と腰をあげたのである。
観る前に・・・
私の相方は、世界的に有名なミュージカル「ウェストサイドストーリー」をまったく知らなかった。映画製作年と同じく1961年生まれ。日本では何度もテレビ映画で放映されたことがあり、劇団四季の舞台で観たことある人も多いだろうが、東南アジアでは放映される機会はなかったかもしれない。
事前情報として、
・有名な舞台ミュージカルを映画化し、そのリメイク版。
・「トゥナイト」はじめ有名曲がいっぱい出てくる。
・下町の白人とプエルトリコ移民のグループ対立が柱。
と話したおいたところ、さてーー
前作を知らないひとの感想
”結局はチンピラ達の縄張り争いでしょ。AMERICAN UTOPIAの音楽の方がメッセージ性あって良かった。”
ツマラナカッタ と、のたまった。
・レーナード・バーンスタインの音楽良かったでしょ!
「あんまし、わからない」
・シェイクスピアのロミオとジュリエットの話が原本なのよ
「なにソレ?知らない、読んでない」
・旧作でアニータ役の女優が雑貨屋のおかみさん役で...
「あのお婆ちゃんは良かった、90歳に見えない、すごい」
と、全然話が噛み合わなかったのだ。
40代以上なら「アメリカ」「マンボ」など全員知ってる、なんなら歌えるくらいの有名曲と思うのは私が日本人だから。冒頭のジェッツが集まってくるシーンのわくわく、ダンスパーティの群舞かっこよさ、マリアの歌唱力、アニータの力強さ、それらは旧作を知ってるからこその期待であり比較だったのだ。
惜しいが、日本人以外の英語圏でもない人には全然心に響かなかったのだ。
注)あくまで個人的見解です。
前作を知ってる人の感想
・新旧アニータ:アリアナ・デボーズとリタ・モレノそれぞれの演技とダンスと歌唱力は迫力あった。アカデミー助演女優賞を受賞できるといいなぁ。
・レイチェル・ゼグラーは期待通り歌うまかった。マリア役の新星さん、映画で共演したデヴィッド・アルバレス(兄役)と現在恋仲だとか。階段手すりでろうろう歌うシーン素晴らしかった。
・アンセル・エルゴート 謎の大男だった。
なんで?このミュージカルに彼が出演したのか、まったく謎。
ダンスも歌もいまいち。なんでマリアが一目ぼれしたのか。
最後に、亡骸を運ぶのも重いだけじゃん(←ソコw)
・レーナード・バーンスタインの楽曲に惚れ惚れした。
皆さん書いてる「マンボゥ」「アメリカン」は秀逸、全然色褪せてない。
・最後のメッセージ ”父に捧ぐ” でスピルバーグの想いが伝わる。
彼もジューイッシュ、その父はきっとジェッツのように遅れてきた移民(白人貧困層)ではなかったかと妄想する。
・象徴的な非常階段
上にのぼるか、もっと下へ落とされるか、分断と不寛容の時代を表す、階段の踊り場。静かな幕引きの伴奏とそこに映し出される様々な階段が最も印象に残った。
レイチェル・ゼグラーのインスタグラムより
West Side Story (2021) アメリカ
配給:サーチライトピクチャーズ
まったくの余談だが、前作は「ウエスト・サイド物語」映画会社はユナイテッド・アーティスツ、リメイク版は20世紀フォックスではなく、20世紀スタジオ、いつのまにかディズニー傘下の別会社になっていた…時代は変わりゆくもの。
#ウエストサイドストーリー #映画感想文 #映画レビュー
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