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こぐまゆか
2021年11月27日 13:30
眩しすぎる光に自分の醜さが照らされる目を覆っても、さらに輝きを増すから目玉をほじくり出して彼らに捧げようかと思ったどうか頼むから、私を照らし出さないで憎しみで四肢がはち切れそうだ彼らは、耳元でひっそりと囁く「君は美しいよ」私は、星になった。
2021年11月27日 13:35
顔が青ざめ、目が血走ってくる。耐えろ、耐えろ、耐えろ。眼球が焼けそうだ。膝の上に滴り落ちた。真っ赤な花びらが、1枚。人間がつぶやいた。「だめだったか。」その言葉を聞いた途端目の前が真っ白になる。気づいたら床が真っ赤に汚れていた。人間は、ひとつ残らず花びらを丁寧に拾う。「ちゃんと飲み込みなさい。」吐き出した花びらは、腐りかけている。両手いっぱいに盛
2021年11月27日 13:36
私の中には、薔薇が住み着いている。苦しいよ、辛いよ、死にたいよ、こんな、ありきたりな言葉が大好物なようで。飲み込んだ瞬間に、嬉しそうに茎をくねらせながら喉を引っ掻いて花びらを染める。だからね、私が死んだとき、監察医が身体を切り開いたら、真紅の花びらが、たくさん溢れ出すの。美しいでしょう?
2022年4月24日 10:15
ドアの隙間から、風にのって花びらが忍び込んできた。「人間だったら不法侵入になるけれど、花びらだったら許されるんだ。」そんなことを考えていたら、少し腹が立ったので、一枚だけ踏んづけてみた。すると、風が吹いて他の花びらがくるくると足元で踊り始めた。キリがないし、もういいやと足をどけてみたら、その一枚は軽やかにどこかへ走り出していった。人間の意地悪だけが、足裏に残った。